目黒線立体交差事業で洗足ガード下道路閉鎖
道路を残すorエレベーター設置どちらを選択?
東急は利益追求よりも住民の安全最優先に

 みなさんはご存知でしょうか。目黒線の工事が行なわれていますが、地下化になり、踏み切りがなくなり便利になるはずの計画が、地域の生活道路を閉鎖してしまうことを。代わりに歩道橋・スロープ・エレベーター・付け替え道路の代替施設(図はここをクリック)をつくる計画が進められています。「エレベーター設置は高齢者や障害者にやさしい対策だから良いのでは」との声も聞こえてきますが、果たしてそうなのでしょうか。

自由に通れる道路を閉鎖し、エレベーターを設置することがバリアフリーのまちづくりといえるのでしょうか?

 人・自転車・自動車が行き交う五差路は生活道路です。閉鎖されたら不便になるだけではなく、災害時の避難路が断たれる。坂の多い地域であり、集中豪雨時周囲の浸水が心配されています。
 区は、バリアフリー法が出来、対策としてエレベーターを設置すると議会で説明しました。地元からは「年寄りも障害者も、今の道路が一番安全で安心」「東急は、利益ばかりを考えないで、沿線の環境を守る為に努力すべき。東急の技術をもってすれば、完全地下化は可能であり、道路は残せる」また「エレベターは建物の中では便利かもしれないが、人目の少ない住宅地、狭い場所に大きな構造物を作る事は、犯罪など新たな問題をつくる」と意見も多数届いています。

バリアフリーのまち

 僕は車椅子をつかっているけれど、スロープを1人で昇降するのはたいへん。エレベーターがあった方がいいけれど、昇ったり降りたりするよりも、道路をそのまま行き来できる方が、安全。電車優先ではなく、人間優先のまちづくりをしてほしい。

横塚輝雄(小山在住)

 

住民の願い「道路を残すこと」は、東急が決断すれば可能。
線路勾配変更は技術面安全面でも問題なし。

 地域の環境を守る為に「洗足ガード下通行止め反対、代替案反対住民の会」のみなさんは、7年間この問題で都、区、東急と話し合いを続けてきました。そして専門家の力も借り道路を残す為、線路勾配の変更を求めてきました。
 東急は、一貫して鉄道構造規則の範囲を守りたい。会の求める急勾配では安全が守れないと拒否してきました。この点納得がいきません。なぜなら、私たちの調査では、鉄道構造規則の勾配1000分の35パーミリを超え安全に運転されている路線が全国にあります。紹介します。

●営団地下鉄

日比谷線(南千住・三ノ輪)39パーミリ
東西線(早稲田・神楽坂)40パーミリ

●都営大江戸線・・リニアモーター使用

(都庁前・西新宿)50パーミリ
(中井・落合南長崎)45パーミリ
(新江古田・練馬)46と50パーミリ

●神戸電鉄

 有馬線と栗生線は地形上から、40パーミリを越える区間が68%となり、線路設備、車両設備を強化して1000分の50の特別許可を受けています。

 国土交通省では、鉄道事業者が、特認申請を出せば審査するといっています。十分検討の余地があるのです。東急そして都・区に対し、地域住民の意向に沿った解決を強く望みます。

危険な代替道路案・・議会でも「車の通行禁止を」の意見一致

 危険な為、人しか通れない4号踏み切りのところに代替道路ができます。急カーブ、急斜面を降りる道路は、たいへん危険です。また1車線しかなく目黒から品川へぬける道はなく代替の役目を果たしません。H.11年建設委員会の請願審査の折、共産党はじめ各会派の委員から危険性を指摘され、「車両通行止め」の意見がだされていました。