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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2000年12月3日発行
第99号

 

開発業者利益優先
の品川駅東口再開発

―危険な踏み切りも改善なし

 品川駅東口で進められている再開発事業は、昭和五十九年に旧国鉄から一部が売却され、六十二年の国鉄分割民営化にともない整備構想、整備計画が作成されています。平成元年には用途地域の一斉見直しが行われ、本格的な再開発事業が進められています。

無駄な税金投入にならないように

 品川駅東口再開発は、港区と品川区の一部をふくめ、十四.九haという広大な都市計画地域で進められています。十一月二十七日、建設委員会に報告されたB−4地区は、都営住宅や民間家屋が集中している地域だけに、生活環境の悪化が心配されます。同時に開発事業者が整備した道路を区道として認定する議案が提出され審議が行われました。現在、A−1地区は品川インタ−シティの名称で一四〇M級のビルが立ち並んでいます。事業開始当初、近隣住民に対して事故の多い京浜急行踏切の立体化を開発利益で行うというような説明が行われています。今回の道路計画では八ッ山アンダ−パスという名称で開発された地域に進入した車両を踏切下にトンネルを掘り第一京浜国道に逃がすというだけのものです。事故の多かった踏切を何とかしてほしいというのが地域住民の思いだっただけに改善が求められます。八ッ山アンダ−パスを区道に認定することで、これからの管理に要する費用は品川区が拠出しなくてはなりませんが、開発事業者だけが得をするような事がないように改善しなくてはなりません。


三菱が建設したビルを区が買収

 品川区は区庁舎前(西品川一丁目)に三菱マテリアル株および三菱建設株が建設する二十五階建てのビルを、区民住宅として買い取ることを決め、総務委員会、建設委員会に報告されました。購入価格は土地、建物で五十五億五千万円。一三二戸の住宅となります。公的住宅が増える事は大事なことですが、大手企業任せで買取契約を結ぶ事が、区民全体の利益につながるのかが問題となります。バブル経済の推進役となった国や地方自治体と民間企業の共同で行われた第三セクタ−方式は多くが破綻し、膨大な財政赤字をもたらしました。この批判をかわそうと昨年の国会でPFI促進法が成立しましたが、今回の買い取りもこの変形といえます。入札もないまま、三菱に利益だけをもたらしてしまう制度といえます。


利用料助成条例(案)
 前号でお知らせした条例案は、厚生委員会で審議抜き各会派の意見表明のみで否決。明確な反対理由を出せないままの否決は区民の重い負担を一切考えない区長と同じ。全国で行われている助成制度は、東京二十三区にも広がってきている状況は時期尚早などというごまかしの理論で片付けられるものではない。区内では保険料・利用料の助成を求める署名が始められているが、区や議会はこれにどう答えるのか。

「二十一世紀の子どもたちの幸せのために公的保育の充実を求める請願」「品川区公立保育園における衛生管理及び指導の改善を求める陳情」「東海学童の閉館について近隣学童父母への説明と話し合いを求める陳情」「子どもを安心して育てられる品川を求める陳情」
 これらの陳情・請願は、どれを取っても子どもたちの日常生活で重要なもの。しかし、厚生委員会は、鈴木ひろ子議員が十分な審議を求めたのに対し、一括審議で一つ々の問題点を洗い出そうともせずに審議打ち切り。傍聴していた区民から「これは民主主義の原点となる議会などではない」と怒りの声が。かろうじて意見の出された衛生管理の改善を求める陳情も、区はSRSVに十分対処した。本会議での区長答弁でも「SRSVは風邪のようなもの」「区に責任はない」