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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2001年4月22日発行
第116号

 

区の職員は本当に多すぎるのか?
216名の削減

 品川区は、1983年以来1,056名の職員定数を削減しています。無駄な税金の使い方をあらためて、より良いサービスを区民に提供する事が行政の役割ですが、216名の削減がこうした声に答える事になるのでしょうか?

新規採用なし・職員削減の影で低賃金と社会保障の無い非常勤職員を配置

 第1回定例議会で「品川区職員定数条例」が改正され、新たに216名が削減されます。保育園調理関係29名、図書館27名、文化センター13名、土木関係98名、その他49名。区民サービスは大丈夫でしょうか?

図書館ではー

 開館日や時間の延長が進められてきました。区民ニーズに答える大事なことですが、サービス拡大が職員削減につながるのは腑に落ちません。9図書館から各3名を削減、変わって非常勤職員を2名配置するというものです。区は、本館に業務を集中するので大丈夫だとしていますが、カウンター業務は本の貸し出しだけではなく、子どもたちやお年寄りに至るまで区民のさまざまな要望に応えられる体制が必要です。そのためには専門知識を備えた職員の配置が必用です。サービスの拡大にともなって、やむなく専門知識をもった非常勤職員を配置するというのとは大きな違いがあります。図書館は区民の学習と教養を高める場であり、行政サービスの拡充が求められます。

文化センターでは―

 5ヶ所あるセンター職員を24名から14名削減、10名とするものです。各館4名定数の所を2名とし、事業の縮小も合わせて行うものです。
 事業縮小の内容は・
(1)これまで各文化センターで行っていた区民教室、各種講座の企画・運営を本課に集中(職員削減で出来ないため)
(2)窓口業務を委託
(3)南大井文化センターの施設管理を大井第一地域センターと共同化
(4)東品川文化センターは南大井文化センターの館長と兼務、あわせて東品川シルバーセンターの施設管理を行う・・・など
 すでに窓口業務を委託化、あるいは非常勤職員でおこなっている所では対応に柔軟性が無いなどとトラブルとなっている所もあります。非常勤職員や委託先からの派遣職員はマニュアル外の仕事をする訳にはいきません。それだけに「使用料金の支払いに仕事から抜け出せず、やっと駆けつけたが1分過ぎていて受付けてくれなかった」「プールの団体使用中。ウキワの使用禁止を。安全確認がされていると説明も受付けられない。非常勤職員が正規職員に電話連絡、その間プール指導中断」などの問題が起きています。閉館時間の1時間前に会場案内を書き換えるために「会場がわからずに困った」備品の不備が職員に伝わらず「使用料がかかるのに不良備品が取換えられない」などの問題もあります。自治体の任務として「文化的教養を高め得るような環境を醸成するよう努めなくてはならない」とありますが、品川区は貸し館事業のように取り扱うなど地方自治体の責務を放棄しています。

保育園では―

 保育園給食は、12年度に5園が民間委託、これが拡大され10園となります。これまで、保育園職員は調理士資格の必要性を仕事の中で感じて自ら資格取得を進めて来ました。子どもの体調を見ながら食事やおやつの用意をするなどの努力は品川の保育を高い水準にのせるものでした。とりわけアレルギーなどを持つ子どもが増える中、行政職員の立場をふまえて調理にあたることは重要なことです。こうした職員の努力を無にするように、調理士資格を持つ職員を他の職種に配置換えするなど人材育成にも背を向ける行政改革です。

非常勤職員は―

 低賃金と社会保障も無い弱い立場の非常勤職員を使うのではなく、正規職員と同様の賃金、社会保障をすべきです。ILOでは世界の流れとして働くものを守る条約が作られていますが、日本は批准しようともしません。民間企業がリストラを進める中で行政が働くものを守る立場を堅持することも重要な役割です。