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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2001年7月8日発行
第124号

 

進む、受益者負担
高齢者の現状は豊かなのか?

 7月2日から第2回定例議会が始まりました。
 わが党の宮崎・鈴木両議員が一般質問にたち、高齢者住宅や特別養護老人ホーム建設を求めました。

年間所得200万円以下の高齢者世帯が36%

 高齢者は「十分な貯蓄があり、豊かな生活状況にある」といわれています。ほんとうにそうなのでしょうか。
 受益者負担の増加に一役買うこの論調を区長まで口にします。

厚生白書のごまかし

 2000年7月に政府が発表した、厚生白書では「豊かな高齢者」論が展開されました。高齢者(65歳以上)が世帯主の1人あたりの所得は203万円で、全世帯の1人あたりの所得(223万円)と遜色ないとか、高齢者世帯の貯蓄はその他の世帯より高いといって「豊かな高齢者」を印象づけようとしています。これには商業新聞なども「平均だけでは高齢者の実像は捕らえきれない」と指摘したように、格差の著しい高齢者世帯の現実を、平均にならしてごまかそうとしたものです。

保護水準以下の収入

 高齢者世帯の年間所得は、平均が336万円ですが、階層別に所得水準を見ると、年所得150万〜200万円の階層が最も多く、年間所得200万以下の高齢者世帯は36%を占めています。
 生活保護基準は、1人ぐらしの高齢者で年間120万円程度、夫婦世帯の高齢者で160万円程度ですから、保護水準以下の高齢者世帯が大量に存在するということです。

貯蓄率は大きな差

 貯蓄が高い理由は、所得が多いからだけではなく、高齢者の多くが将来不安を抱き、生活費を切り詰めて貯金をしているからです。世帯主が60歳以上の世帯貯蓄額は、平均2,346万円、3,000万以上の世帯が8・4%ある一方で、200万以下が33・1%、貯蓄なしの世帯が11・9%にのぼります。

国や地方自治体は社会保障の責任をはたすべき

 政府がこのように高齢者の現実をごまかし「豊かな高齢者像」を宣伝するのは、高齢者に一律負担を強い、福祉や医療、住まいに至るまで改悪を進め、受益者負担の増加を狙っていることに他なりません。
 品川区では高齢者住宅の登録申し込みが210名あり、登録は39名と入居希望がかなわない状況です。品川の年金受給者の6割が5万3,000円弱の国民年金です。少ない年金ぐらしの高齢者にとって低家賃の高齢者住宅は生活する上で欠かすことの出来ない物であり、今後さらに需要は伸びていくことは明らかです。宮崎克俊議員は高齢者の生活実態を示し、再開発には巨額な税金をつぎ込み、218億円にのぼる公共施設整備基金をため込んでいる財政を改め、区民の願いに応えるよう求めましたが、明確な答弁をいっさい拒否をする高橋区長の政治姿勢です。


 

特別養護老人ホーム増設を!
願いかなう事無く

 待機者は、2001年2月時点で368名。区は介護保険制度導入前の平成11年と比較して待機者は増加していないとしています。しかし、待機基準が制度の中で狭められての待機者です。申請受付け時点から対応を迫られている方ばかりといえます。こうした中での待機者数が以前と同じだから対応できるという区の答弁は無責任極まりない物です。
 鈴木ひろ子議員は、厳しい事例を紹介して増設をせまりました。その事例を紹介します。中延にお住まいのご主人が要介護1、奥さんは24時間在宅酸素の要介護度4のご夫婦。娘さんが仕事をしながらの介護。2人の面倒を見ることは不可能となり、ご主人は八王子の老健施設へ2年前に入所。奥さんは、会うことの出来ないご主人を区内の特養へと希望しましたが、要介護1では入ることも出来ません。先日、「夫に会いたい」という切ない希望もかなう事無く亡くなられた事例を紹介し、特養ホームの建設を求めましたが、高額の利用料がかかるケアホームの建設で事が足りるとしています。


消費税を3%に!
社会保障を充実させよう!
働くものを守るルールの確立!