平成12年度の決算審議中
くらし切りすての姿勢クッキリと
2000年度の決算は歳入・歳出決算額がいずれも1、222億9,225万円。5年連続の黒字決算となりましたが、区民のくらしと福祉を削り取る姿勢があらわれています。
事務事業評価
くらしの支援のきなみ廃止
今回の決算審議では、品川区ではじめてとなる事務事業評価が決算審議の資料として各議員に配布されました。
平成12年度の福祉切捨てに続いて、くらしに関わる事業が、見直し、廃止、など高橋区政が区民のくらしなど考えていない事が明らかとなっています。
今年度の決算特別委員会は、区民のくらしを守る立場にたっているのかが問われます。こうした状況の中、私は次の質問をおこないました。
質問要旨と答弁
(1) 三宅島災害関連経費
避難から1年を経過し、生活がいよいよ厳しくなっていることから、就労あっせん窓口の設置、区非常勤職員の雇用枠など支援強化を求めました。村民アンケートでは、仕事につきたいが無い 45・8%、くらし向きは厳しい 76・8%、収入がまったく無くなった21・9%、貯蓄を取り崩して生活している 56・8%、島にいたときからみると、医療費は3万円平均で増加。区は東京都と連携して支援していくとして、区独自の支援については明言していません。
(2) 区民相談経費
区民相談は、事務事業評価で「一部有料化」を打ち出しました。区民から相談を受け、行政支援をする事は行政の命ともいえる部分です。これを有料化するなどという発想は行政の責務を投げ捨てる事です。「無料でおこなうべき」の質問に、「今後も無料で相談を受けていく」の答弁がありました。
(3) 一本橋商店街・都市計画道路163号線問題
道路拡幅計画によって、存続が危ぶまれる一本橋商店街について、区は商店街が存続できるよう道路計画と併行して支援していくとしていますが、現在の拡幅事業計画は、来年4月にも道路買収を本格化させる方向で進んでいます。商店街のあり方、まちずくりが明確にならないまま進行すれば、併行して支援するどころか、商店街をつぶす方向で動いているとしか言いようがありません。私どもが頂いたアンケートは88%の方が営業を続けることを望んでいます。商店街支援をどのように考えているのか、真に併行した事業計画の作成をを求めました。
(4) 勤労者生活資金融資あっせん
12年度の融資実績はたった3件です。中小零細企業に働く勤労者を対象にしたこの事業を、申し込みが少ないと理由をつけて廃止しようとしています。きびしい不況下で中小零細企業に働く勤労者は、ボーナスはもとより、退職金さえないというのが多数を占めます。数年前、融資資格に信用保証を条件にくわえ、受ける事のできない制度に変更した事が最大の要因です。一定の返済能力がみとめる区民が、借りる事の出来る制度とするように求めましたが、東京都の制度で対処するとして、勤労者福祉の切捨てを進めようとしています。
(5) 放置自転車対策
八潮保管所に運び込まれた放置自転車は2万1,477台。区内の駐輪場は軒並み有料化され、高額な定期契約料となっています。区はこれまで有料化することで通勤、通学に利用する自転車の総量をへらすとしてきましたが、実際には増加の傾向にあります。駐輪場を利用しての通勤、通学は鉄道交通網を使用するわけですから、鉄道事業者が責任を持って駐輪場整備を進める事が必要です。行政として、鉄道事業者が自らの責任で駐輪場用地を確保するよう要請すべきともとめました。
(6) 私道整備事業
今年の夏、南品川1丁目で自転車による単独死亡事故がおきました。他の道路との接合部が、たった2段の階段(約60センチの段差)だったため気が付かなかったようです。区内の総点検と危険な道路の改良に資金的援助をおこなうよう求めました。区は、現行の制度を利用して私道所有者から相談があれば、適時対応していく旨の答弁がありました。
事務事業評価の仔細については後日、お知らせいたします。
2000年度決算の問題点
1、生活保護世帯への入浴券支給枚数の削減、高齢者家賃補助制度の廃止(平成18年)、高齢者お祝い事業縮小など低所得者、高齢者のための福祉を削った。
2、ヘルパー16名、保育園12名など住民サービスにかかわる職員を大幅に後退させた。
3、一方、三井不動産やフジタが中心となった再開発に22億8千万円を補助するなど大規模開発を突出させている。
4、介護保険で保険料を必要以上に高くしたことなどです。
一方、同決算案には学校のトイレ改善など環境整備の前進、中小企業の計画的支援をめざす産業振興マスタープラン策定など日本共産党の取り組みで実った成果も含まれています。
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