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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2001年10月21日発行
第137号

 

2001,事務事業評価結果
社会保障を切るとAランク?
 品川区の事務事業評価は事業の必要性、代替性、経済性、効率性などの評価基準にそって評価し、官民の役割分担の明確化や費用対効果、職員の意識改革などを図ることを目的として実施したとしていますが、社会保障と福祉の切りすてが太い柱となっています。

費用対効果が最優先で
区民のくらしは後回し

総合評価基準

今後の実施方向

今後の実施方向の説明

A 拡大事業 ・将来への必要度が高い場合
・今後、重点的に実施する場合
・政策アピール度が高い場合
B 継続事業 ・事業方法などの新たな工夫を要するが、事業水準を維持する場合
C 見直し事業 ・委託化など対外的に事業転換をはっきりさせたほうが良い場合
・事業縮小の方向で見直す場合
・経費節減を図っていく場合
・事業の大幅な見直しを検討する場合
D 廃止・中止 ・事業の廃止、中止を原則1年以内(最長3年以内)におこなう場合
 

基 本 評 価 基 準

評価基準

概 要

必要性 目的の妥当性や行政が担う必要性があるか、また、時代変化に適応しているかなどの規準で評価
代替性 国、都、または民間などとの役割分担のあり方から見て、区が実施する事が適当か、または、必要性があっても行政の関わりや代替手段は他に無いか、さらには既存の事務事業で代替可能か、現在の所管で実施する事が適当なのかなどの規準で評価
経済性・効率性 投入された資源量に見合った結果、成果が得られているか、また、最小の経費で最大の効果をあげているか、結果、成果から見て費用がかかり過ぎていないか、さらには、同種の事務事業を実施している自治体や民間企業と比べて手法は効率が良いかなどの規準で評価
有効性 当初の目標値の設定が適正か、適正な場合には目標どおりの結果、成果が達成されているか、また、利用者ニーズに対応しているか、さらには区民に期待される結果、成果が得られているかなどの規準で評価
公平性 当該事業の便益や負担が公平に配分されているか、また、民間や他自治体の同種のサービスと比べて不均衡を生じていないか、さらには、サービスの受益者とそれ以外の者とに不均衡が生じていないかなどの基準で評価
上位計画との整-合性 事務事業の目的や結果、成果が、基本構想や長期基本計画などの上位計画の方向性や考え方に沿った具体的な内容になっているか、また、計画実現に向けての有効な手段となっているかなどの基本で評価
 

予算委員会で、わが党を代表して総括質疑にたった桜井恵子区議会議員は、「選定された事務事業評価は、60%が住民サービスに関わっており、見直しが23%、トータルコストを抑えるとして、福祉の後退が顕著に現れている」と指摘し、「大規模開発の推進ががAランクでは区民の期待に答えるものではない」と改善をせまりました。この指摘に対し、品川区は「行政内の指標となる評価。官民の役割、費用対効果を明確にして職員の意識改革を図るもの。区民には政策評価で判断してもらう」「住民サービスの向上という目的は、いささかも変わっていない」としましたが、現実には事務事業評価で廃止、見直しが打ち出された事業はもう動き出しています。桜井議員は「生活保護の受給率を低下させる、あるいは勤労者融資あっせん事業の廃止など事務事業評価で影響を受ける住民がいる以上、区民に判断を仰ぐ事を進めるべき。大崎駅東口第3地区の再開発に、100億余りの補助金を投入する計画があるが、再開発に湯水のように税金を投入する一方で福祉を削るのでは、住民サービスの向上などとは言えない」として改善を迫りました。

福祉分野での廃止・見直し事業

*女性問題海外派遣事業
 平成15年年度廃止
*奨学金貸付事業
 返済期間を20年から15年に 短縮
*勤労者生活資金融資あっ旋
 平成14年度で廃止
*生活保護支給
 適正保護に努めるとして、保護率の低下を進める
*法外援護
 公平性の観点から支出比率の抑制を進める
*女性福祉資金貸付事務
 代替性について見直す
*単独学童保育クラブ事業
 人件費等事業のあり方を検討する

 他にも削減事業があり、再開発はAランクとなっています。