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2001年11月18日発行 第141号 | ||
45歳をこえると求人倍率0・32倍 ハローワークでも厳しい現状が! 9月の完全失業率は5・3%。完全失業者は前年比37万人増加し、357万人となりました。 品川区でも、厳しい現実が区民生活に暗い影を落とす状況が生まれています。五反田ハローワークにお邪魔をして求職状況をお聞きしました。 品川区に事業所を持つ大企業・・ソニー17,000人・・富士通16,400人、大リストラ計画が進む
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ハローワーク館内には職を求める品川・目黒区に居住する区民があふれていますが、9月の求人が6,235名に対し、職を求める方は8,577名、求人倍率は 0・73倍と低い求人状況です。
上記の表にあるとおり、45歳をこえると求人517名に対し、求職者1,630名と求人倍率は0・32倍とさがり、職を見つけることはきわめて困難な状況です。毎月、 12,000名あまりの求職者がパソコンでの職探しをするそうですが、9月に就職できた方は360名。これでは、ハローワークを通じて就職をする事を、あきらめざるをえない事態がおこってもふしぎはありません。
罰則規定の無い雇用年齢の制限撤廃
今年度、10月1日から雇用に年齢制限をもうけない改正雇用対策法が施行され「特に厳しい雇用状況におかれている中高年齢者をはじめ、労働者の再就職を促進するために、事業主の募集・採用における年齢制限の緩和の努力義務」として雇用対策法の 7条に明記されました。しかし、努力義務規定のため、なんの罰則も無く、はたして有効にこの規定が活用できるのかどうかが、これから厚生労働省に問われるものとなります。
小泉首相は「公共職業安定所には求職者を上回る年間700万人の求人がある」という、実態を反映しない架空の数字をあげて雇用状況は十分確保できているかのような所信表明をおこないました。
会社が1ヶ月に100名の求人を出し、応募者がない状況で1年間求人を出し続けると、3ヶ月ごとに100名の求人がカウントされるため、年間求人数は400名になります。雇用の実態を正確に反映するのは、有効求人倍率で9月の 0・57倍というのは、100名の求職者に対し、求人数は57名にすぎないということです。五反田ハローワークを見ても、求職者に対し、求人数が圧倒的に不足している事はあきらかです。ここに目を向けた、実情に即した対策が求められます。
なによりも大企業が進める横暴勝手なリストラ計画は、地域経済を壊滅に追い込みます。雇用の確保と地域経済を守るルールの確立が、経済再生のためにも求められています。
「富士通」秋草直之社長の発言〜 「経営者の目的はあくまで利益をあげる事。雇用は手段の一つで目的ではない。経営と雇用の責任は両立しない」「失業率は通過点。もっとあがって初めて雇用の流動性を高める起爆剤になる」「株主にはお金を預かり運営している責任があるが従業員に対して責任はない」等々、利益のためには従業員のことは考えない姿勢をむきだしにしています。 これに対し奥田日経連会長は〜 「自分の会社の利益、株主の利益だけしか考えず、従業員の幸せや企業の社会的責任、幅広い関係者の調和、あるいは経済や国全体の利益を考えない経営トップは「経営者」と呼ぶに値しない」と痛烈な批判をおこなっています。 |