時間72mmの豪雨 増加する都市型水害
工期短縮が望まれる第二立会川幹線
8月5日の豪雨で、またも床上浸水の被害が続出しました。とりわけ立会川開渠部周辺の住民は、雨が降るたびに不安で眠れない夜を過ごしています。
日本共産党東・南大井支部は、区に対する要望を行うため、私といっしょに被害住民を訪ね聞き取り調査をおこないました。
またも床上浸水の被害
普段は、東京駅からひいた地下水が、月見橋から川底をわずかに流れる静かな立会川開渠部
3年前の豪雨で大きな被害をうけた立会川開渠部周辺に居住する住民は、今回の豪雨で、また、被害をこうむる事になりました。
6日、16時30分現在の区がまとめた被害では、浸水は全区で308件。個人住宅の床下浸水105件。床上浸水40件。事業所が計163件。荏原地区では、時間あたりの換算で124ミリの降雨が記録されています。
訪問した被害住居・事業所のみなさんは、「下水も完備された都市部に住みながら、雨のたびに浸水被害を心配しなくてはならないというのはおかしい。3年前の被害でそれぞれの家庭では、いつ、浸水しても対処できるように準備してきたが、行政が浸水を防ぐ対処をしてくれなくては結局、被害は増すばかり」と怒りの声も聞かれました。
道路をはさんでペットショップを営む方は、「3年前は浸水が83cm、今回は37cm。床上まで来ているが45cmなくては保険も出ず、自己負担はきつい。」といいます。 喫茶店では製氷機が壊れて修理に負担がかかる。個人のお宅では、「3年前に1階の畳が使えなくなったことから、現在はフローリングにして対処している。それにしても警報がおそい。CATVではテロップも出ず、何のために監視装置を設置したのか。」との声。また、あるお宅では、「川が氾濫したら対処しようと2階から見ていたが、1階では下水の逆流で氾濫前から水浸しになっていた。手の打ちようも無い」といいます。
品川では台風や集中豪雨の緊急時にサイレンなどでお知らせしていましたが、新たにCATVを利用して大雨洪水注意報等が発表された時、気象情報や水位情報を「お知らせ」するとして、区の広報でも報じましたが機能していません。サイレンも浸水後になるなど初動体制の遅れに問題を残す事になりました。
消毒液配布の体制も弱く、大きな被害を受けたお宅以外は、区に電話連絡を入れない限り、職員が訪ねる事が無かったようです。被害が出た際は、ローラー作戦を組むだけの人員確保を行うべきではないでしょうか。
1日も早く貯留管としての機能を
東京都の「クイックプラン」で雨水対策として工事が始まった立会川第二幹線工事は、やっと地質調査工事が始まったばかり。さらに工期短縮をおこない、緊急時に貯留管として機能するよう工程の見直しが必要ではないでしょうか。
品川区は、みなさんからお聞きした要望を取り入れ、被害を最小限に抑える事に力を注ぐ事が必要です。
上の写真は着工したしたばかりの立会川第二幹線工事の縦工図。
上の写真は工事現場のなぎさ会館駐車場。 |