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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2002年12月8日発行
第189号

 

アルゼンチン債購入の真相究明を求める請願
与党会派・・発言もなく否決

 第四回定例議会で審議された「品川文化振興事業団のアルゼンチン国債購入問題の真相解明と損害賠償を求める請願」は、桜井恵子総務委員の発言意外ほとんど質問もなく否決しました。
 区は相変わらず責任回避の答弁に終始しています。

事務的な瑕疵のみ・・濱野助役
いつもと変わらぬすりかえ答弁に終始

 「真相究明を求める会」が提出した請願が11月25日、総務委員会で審議されました。
 請願は、議会が「なぜ購入したか疑問が残る」とした全会一致の決議文を引用し、真相究明と区民への報告、損害については関係者で賠償する事を求めています。
 税金を投入して設立した文化振興事業団が、会計報告に虚偽の記載をおこなってまで隠しとおそうとした「アルゼンチン債購入(当時の格付BB)」は、債務不履行宣言により紙くず同然となり、12月には利子分だけでも、800万円を超える支払い不履行になります。11月の新聞報道ではIMFの協力は不可能で、アルゼンチン経済は更に悪化したとしています。
 こうした状況の中、損失は事業団の会計処理で補填するとしていますが、結局は区民に損失分を押付け、区長は理事長辞任で幕引きるでは区民が納得できるはずがありません。

責任の所在はいまだ不明確

 桜井議員は、区が「債券購入は合法」とする根拠に、公益法人の資産運用では円建て外国債の購入を例示で規制していないから合法としているが、安全、確実な運用こそ本旨だと強調しました。また、寄附行為という、財団の憲法とも言うべき5つの条文に違反し、議会に対しても虚偽の報告を行うという重大な違反を犯した問題は、事業団が損益を会計処理で穴埋めする根拠が無いと追求しました。
 これに対し、濱野助役(事業団副理事長)は、「財団の問題だから、特別損失として財団の努力で埋めていく」としていますが、毎年5億円近い補助金、管理委託金を投入している実態から見れば、このツケは区民に返って来ることになります。
 購入の責任問題について中尾根企画部長は、「法人の資産運用は、運用した人が責任を持つとはなっていない。損金として会計処理することが税法上認められている」と答弁しました。しかし、問題となっているのは税金を投入して運営されている公益法人が、買付けを行う前から経済破綻をおこす可能性を充分に秘めた国の国債であることは明確であり、だからこそ「確認書」まで証券会社から求められたのです。まずい物を購入するという認識があったからこそ虚偽の会計報告を理事会と議会に示したのです。一般的な損失問題に摩り替えることは出来ない事実を無視した発言と言えます。
 わが党は、区民のみなさんと共に実態解明に向けての運動を更に強化してまいります。

12月までの損失利子

1億円債券
 年利5.4%  540万円
6千万円債券
 年利4.85% 291万円