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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2003年1月19日発行
第194号

 

都南病院・・国立八王子病院跡地への移転をやめ廃院へ
新職員内定撤回、現職員の行き先も未定
 東大井の社会保険都南病院が3月をもって北区に移転する事はこれまでお知らせしてきましたが、社会保険庁の方針転換で廃院にすると発表されました。
 関係者のみなさん、ぜひ情報をお寄せください。

300億円の建設費を投入した
 新病院は開設のめどたたず

社会保険都南病院とは?
 設置主体は社 会保険庁。全国社会保険協会連合会に経営を委託し運営されてきた。
 運営費として中小企業が加入する政府管掌保険から施設整備費が支出されてきたが財政難を理由に100億円余りを削減。
 医療制度改悪に続いて建設の終了した病院さえ放棄するという国の無責任で貧弱な医療の実態をさらけ出したものといえる。

区内在住職員の行く先も決まらぬまま廃院

 昨年の12月26日付東京・読売・朝日新聞などがいっせいに報じた社会保険庁の方針では、都南病院について具体的には触れていなかったが、今年の1月10日、新規採用が内定していた看護士や医師など120名に採用内定取り消しが通知されました。
 また、現在の病院から転勤する事になっていた職員105名の行く先も決まらないままの計画変更に怒りの声があがっています。
最初から廃院を画策していたのではと疑いたくなる計画変更
 計画変更の内容として、―(1)新病院の経営は全社連に委託しない。(2)都南病院は移転せずに廃院とする。―との方針を決定しました。
 国立八王子病院の跡地にほぼ完成している新病院は東大井都南病院が移転する前提で、公的医療機関として社会保険庁の責任で設計、建設されました。北区医師会との協議でも公的機関として280床のベット数で運営する事が国との間で確認されたものです。社会保険病院としての運営がされないとなれば、北区医師会との協定は当然破棄され、300億円もの巨費を投じて建設された病院は開設不可能となります。
 何のために50年余にわたって地域住民の命と健康を守って来た都南病院の移転計画を持つ必要があったのか、乱暴な方針転換に疑問が生じています。

草の根の運動で特養ホーム建設を

 医療制度の改悪と国が責任を持つべき医療機関までつぶして行くという命の重さなど考えようともしない政治のあり方に大きな問題があります。
 厚生労働省は公明党の坂口大臣と自民党の木村副大臣、この連携で今回の方針を決定した訳ですが、国民を馬鹿にした場当たり的な方針である事は誰の目にもあきらかです。
 今後の推移を見ていかなくてはなりませんが、医療機関の重要性と共に特養ホームの必要性が無くなった訳ではありません。
増加する入所待機者と同時に支持者のみなさんをお訪ねすると「希望しても入所は不可能と言われ、申込みをしていない」などの声が出されています。
 医療と介護、国が責任を回避する事を許さず、介護保険料を据え置きさせた力を更に発展させ、草の根の特養建設運動を進めていきます。