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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2003年7月27日発行
第212号

 

鮫洲試験場に仮設留置場
説明会で反発の声

 7月18日、警視庁は鮫洲運転免許試験場内に、120名規模の仮設留置場を建設するとして住民説明会を開催しました。

 住民からは、建設を前提とした一般論の説明に、「なぜ鮫洲に決定したのか」「決定前に説明をすべき」とした意見が続出し、警視庁担当課長は「意見を持ち帰って検討する」として流会となりました。

説明資料は工事計画のみ
経緯説明は一般論に終始

   

 建設予定地とされる鮫洲運転免許試験場は将来的に大田区東糀谷に移転する施設です。しかし、移転予定地の整備は進んでおらず、必要な道路拡幅の買収にも着手されていません。そのため、「仮設といいながら本設となるのでは?」という不安がうずまいています。 約80名の近隣住民が参加した説明会で配布された、「警視庁本部仮設留置場鮫洲分室建設工事のお知らせ」なる文書には、建物の概略が記載されているのみで、試験場内に留置場を建設するに至った経緯などはまったく記載されていません。わずかな資料は、増加する犯罪件数や検挙者数を報じた新聞の切りぬきのみ。住民からは、「工事期間中の問題を聞きに来た訳ではない。鮫洲に決まった経緯を説明すべき」「まず、計画段階で住民に説明すべきではないか」との意見が噴出しました。

 鮫洲自動車教習所跡地には、300戸をこえるマンションが建設されたばかり。「入居前に試験場に問い合わせをしたが、留置場が建設されるなどという話はなかった。知っていれば買わなかった」など環境に対する不安も出されました。

立案段階で住民意見を聞くべき

 警視庁担当者は、「留置場不足で身柄を拘束して取調べをおこなわなくてはならないのに、留置できずに任意捜査となっている状況があり、拘留施設が緊急に必要となっている」「来年4月から5年間の仮施設」「年間30万件の犯罪件数。留置場は収容可能人員に対し120%と満杯状態」と説明しています。

  しかし、住民の疑問である計画地として決定した経緯は明らかにされず、最初から建設候補地が建設地として推移してきたものと思われます。

 犯罪の多発で拘留施設が必要となっている事は、確かでしょう。それだけに計画段階の最初から、住民との対話を重視し意見を聞きながら進めているなら一定の理解を得ることも可能だったかもしれませんが、建設概略だけの説明会で、「理解せよ」では一方的な押付けとしか言えません。

 私がこの一報を受け、近隣のみなさんとお話をした際には明確な反対意見が聞かれませんでした。

 説明会で出された意見をもとにみなさんと留置場建設計画の是非を考えていきたいと思います。