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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2004年2月1日発行
第230号

 

脱硝装置が必要な高速中央環状品川線 3
目黒区大阪橋に実験場

 東京地方裁判所は昨年、主要幹線道路の50メートルの範囲内に限って自動車排ガスと健康被害の因果関係を認め、初めて未認定の患者を含む大気汚染公害被害者に対する損害賠償を、国、首都高速道路公団及び東京都に命じました。

五反田では二町会が排気塔建設に反対を表明

 この判決では、公害被害者の慢性的な呼吸困難、発作による耐え難い肉体的、精神的苦痛を受けるなどの深刻な被害について、「何時そのような発作が起きるかも知れないとの不安感、恐怖感を抱きながら生活をしており、病状のため勤務先を辞めることを余儀なくされる等、社会生活、日常生活に種々の深刻な影響を受けている」としています。

 現状のまま、排気塔が建設されると区内にも同様の事態が起きてくる事が予測されます。 五反田周辺では、子どもたちの喘息被害があり、「五反田喘息」と呼ばれています。

 排気塔からの主たる有害物質は・・・

■二酸化窒素
 燃料を燃やし、窒素化合物が酸化されることにより発生するものと、高温下において窒素と酸素が反応することにより発生するものがあります。この発生を抑えるには
1.燃焼温度を制御する
2.排出ガス中の窒素酸化物を除去する(脱硝)といった方法があります。

■浮遊粒子状物質
 粒径10μ以下の浮遊粒子状物質。自動車排気ガス中のSPMは、すす・潤滑油・硫黄分から燃焼生成した硫酸ミストなどからなっています。粒子として発生源から直接排出される「一次粒子」と、NOX、SOX、塩化水素、炭化水素などのガス状物質が大気中での光化学反応で粒子化する「二次生成粒子」とがあります。この二次生成粒子は、沿道におけるSPMの2〜4割を占めています。したがって、自動車排気ガスからのSPM排出を抑制するためには、一次粒子の低減は当然のことながら炭化水素などの排出低減も必要です。

健康被害を防ぐ調査活動と脱硝装置を!

 第一に必要なことは、区内小・中学校や幹線道路付近に住む区民の健康調査です。
 10年間ほどさかのぼって喘息被害などを徹底的に調査し、どの地域に被害が現れているのかをつかむ事が重要です。都や公団の調査に疑問があることは2でお知らせしましたが、必要な措置を講ずるための健康調査は最低限の課題です。
 第二に土壌脱硝・電気式脱硝装置など、有害物質の飛散を徹底的に押さえる施設が大前提となります。品川線には、集塵機程度しか計画されていませんが、これでは有害物質の除去とは言えません。