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2004年3月7日発行 第233号 | ||
「特養ホーム建設を求める会」の運動が区の姿勢を変える 「都南病院跡地に特養ホームの建設を求める会」の皆さんが進めてきた請願署名運動が審議されるのに先立ち、本会議で都南跡地の買上げと、介護施設の設置が明らかになりました。 それでも 破綻したケァホーム建設の理屈 党区議団は、幾度かにわたって一般質問や予・決算質疑で、都南病院跡地に特養ホームの建設を求める要望をしてきましたが、区は「跡地利用は白紙。推移を見守る」とした答弁に終始してきました。 今回は、自民の代表質問に答弁したものですが、党区議団と住民運動が共同した運動の大きな成果と言えます。 しかし、介護施設設置の中に、ケァホームも予定されるなど問題が残ります。 特養ホームの実体 区では、「入所希望者は、必要度の高い順番で入所できている」といいます。その、必要度をはかるための、特養ホーム入所調整規準は、第一に介護度3以上であること、第二に年齢が80歳以上であること、第三は、在宅介護情況として、一年以上の在宅介護であることやサービス上限額の2割以上を利用している場合、そして、第四に、介護の困難性をあげ、介護者が70歳以上、複数の要介護者を抱えている、また、介護者が病弱であったり、就労しているなどの、四規準を目安として点数がつけられています。第八回入所調整会議では721名が審査対象となりましたが、このうち434名が病院、老健、その他の施設入所者です。こうした施設入所者は、調整会議にかかる点数規準から言えば低いものとなり、入所は更に困難になります。しかし、先の事例からも、多くの待機者が高い必要度を有しているといえるのではないでしょうか。こうした情況が拡大されているのは、区内571床に半年間で約60名、区外を合わせても90名ほどしか入所不可能という、少ない収用人員が最大の要因です。 ケァホームの実体 区は特養ホームに変わる施設だとして月額利用料25万から30万円のケァホームを開設しました。定員81名に対し辞退者を除くと119名の応募。二次募集までおこなって入所者を集めましたが、介護度3以上の入所内定者は54名しかいません。特養ホーム入所規準で見ると定員にさえ満たない施設です。 区はケァホームの開設で選択肢を広げた、サービスの幅を広げたと言いますが、規準も費用負担も特養ホームに変わる施設どころか、まったく質の違う施設です。 東京23区で、平成16年6月までに新設される特養ホームは10施設。建設計画は17区が持ち、計画を持っていないのは、品川区を含め5区にすぎません。介護者、要介護者が共に命の危険にさらされるような事態がある以上、行政が担うべき役割りとして、所得水準に左右されない特養ホームの増設以外にありません。 これに対し区では、生活サービス、介護のサービス、住まいの機能の三つのサービスを一体的に提供する施設である。同じ機能同じ目的である。特養は四人部屋を基本にしたケア体制、ケアホームについては居住性を配慮した個室タイプ。だとしています。 特養ホームはプライバシー重視の立場から今後の建設については新型特養(個室)の建設となります。渋谷区では、ユニット形式を取り、介護を必要とする高齢者が夫婦で入所できる居室が設けられ、職員配置は国規準の3対1から2対1へと水準を上げた体制が取られようとしています。 自己負担優先のケァホームを「同じ機能と目的を持つから特養に変わる施設」など詭弁である事は明らかです。 区民の願いを否決 区民の提出した請願は共産党の賛成、自民、公明、区民連合の反対で否決されました。破綻したケァホーム構想にしがみつく行政と、それに追随する他会派の姿勢は傍聴した区民の目にはどのように映るのでしょうか。 |