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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2004年11月14日発行
第259号

 

つめこみ、差別・選別をいっそう加速する小中一貫教育
一刻も早く30人学級を

 過去最悪の校内暴力、いじめの増加…学校めぐる深刻な実態に、東京新聞は「背景は習熟度別学級の導入で早い段階からの過剰なストレス」と指摘しています。

 一方、品川区は「小中一貫教育」を全校に導入する方針。父母や教育関係者からは子どもたちにストレスを増やすのではと異論が出されています。

国連でも日本の競争教育を批判
子どもを差別するエリート教育

 品川区教育委員会の計画は、大崎地区(第二日野小と日野中、H18年開設)と大井地区(伊藤中と原小、H19年開設)への小中一貫校設置だけでなく、H18年度から区内全小中学校で「小中一貫教育」を実施するというものです。

区教委の示す小中一貫教育は

(1)1〜9年生までの一貫した学習
(2)4年生まで基礎を重点に学級担任制
(3)5年生以上は個性・能力を伸ばす教育で教科担任制、習熟度に応じた「ステップアップ学習」の導入
(4)社会性を身に付ける「市民科」新設
(5)「1年生から英語を実施」を特徴とし、そのための解説書や副読本も作成すると説明 しかし、実際の教育はどうなるでしょうか。

 まず、いっそう「つめこみ教育」が加速します。区教委の説明では、小中一貫教育で3・4年生の国語の授業時間は年間50時間増やし、漢字は中学卒業までを1年生で終えるよう2年前倒しする。算数・数学も3・4年生では55時間増やし毎日授業を行う。こうして、1〜9年生までの授業時間を通常より週2時間程度増やすというのです。

 さらに、子どもを差別し選別をしようとしています。

 小学5年生からの「個性・能力を伸ばす教育」、「ステップアップ学習」の導入とは、「できる子・できない子」に振り分けてできる子はどんどん先に進める(エリート教育)ことになります。

 国連の子どもの権利委員会では日本の競争教育を批判、改善を求めているのにこれでいいのでしょうか。

少人数学級こそ子どもたちの願い

 公立小中学校で一学級の児童・生徒数を、国が定めた40人より少なくする「少人数学級」を実施している自治体は42道府県にのぼり、実施予定がないのは東京都と香川県のみとなりました。研究指定校での試行実施を含め昨年度の1・4倍に急増しました。

 この背景には、父母・教職員などの粘り強い運動があります。

 日本共産党は国会や地方議会で繰り返し要求してきました。文部科学省は今年、授業で複数の教員が指導する「チームティーチング」などに配置した教員を、少人数学級に活用することを認めました。

 品川区も30人学級など少人数学級実施に踏み出すべきです。