日本共産党品川区議団TOPへ         「菊地貞二ニュース」目次へ

菊池貞二 菊地貞二ニュース 2005年3月27日発行
第273号

 

建築物解体に説明会の義務付けを!
アスベスト飛散で子ども達に被害

 私は予算議会で、区内いたる所で行われている建築物解体で飛散する化学物質、アスベストによる肺がん、中皮腫の問題を取り上げ、解体に関する説明を事業主に義務付けるよう追求しました。
 これに対し区は、「何らかの形で説明の義務付けを行うよう検討する」と答弁しました。

ヨーロッパでは今後の死亡者50万人を予測
区有施設では63年に改善工事

 平成15年決算委員会で、解体工事に関しては「何らかの形で解体に関する説明会を開けるような検討をしていく」という答弁がありましたが検討の結果が明確になっていないことから改めて義務付けを急ぐよう求めました。

アスベストの危険性

 アスベストは、太さが髪の毛の5000分の1ほどの天然の鉱物繊維。60年代から80年代に建物の断熱材などに広く使われました。吸い込むと、がんの一種である中皮腫の原因となるほか肺がんなどの危険性が高まるとして、日本では95年に2種類が使用禁止、昨年10月に原則全面禁止となった科学物質です。
 潜伏期間は30〜40年と長く、アスベストを扱った作業者の家族が中皮腫で亡くなったケースも報告されています。

保育園でも事故が!

 60年代に建てられたビルの修理・解体による空気中への飛散が今後増えると懸念され、厚労省は7月、石綿障害予防規則を施行することになっています。
 公共施設の石綿をめぐっては、99年に文京区立の保育園で、改修工事の際に石綿の粉じんが飛び散った例があります。
 園児と父母らが区などに慰謝料を求めた訴訟を起こし、04年に区などが解決金などの名目で300万円を支払い、園児が将来、石綿が原因の病気を発症した場合は、区が治療費などを負担することで和解しました。

肺から見つかるアスベスト

 アスベストを基にした製品と言うのは3千種類に上るそうです。吹きつけとちがって固形化されているから問題がないかというと、床材などは歩くたびにこすれて飛散する、壁材は乱暴に解体すると、くだいた所から飛散すると、あらゆる危険をともなっています。
 いろいろな病気で亡くなった方の肺の一部を取り出して薬品で溶かし、残ったアスベスト繊維を電子顕微鏡で調べると、1965年から1974年には、肺の中にアスベスト繊維が見つかる人は52%だったそうです。ところが、1984年から1088年には、99%の人の肺からアスベスト繊維が検出されています。

昨年36件の届出、しかし

 アスベストが特に問題になるのは、こうした事実があるからです。 品川区には、将来にわたって区民の健康被害を出さない措置をとる義務があります。
 2年ほど前に大井3丁目で潟tジタがおこなったマンション建設工事で、住民にアスベストはないと説明しておきながら、のちに住民から追及をうけて「アスベストがあったので適切に処理した」と変わったそうです。 子どもたちの命に関わる問題が事後報告で、こうした状態が放置されていることは許せるものではありません。
 品川区は答弁どおり、早急に解体の義務付けを行うよう求めるものです。