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2005年5月22日発行 第279号 | ||
年金が10万円で… あなたの支払った消費税はどこに消えたのでしょう 法人税はこんなにさがっているのに
所得税は高額所得者だけ
高齢者世帯の現実 平均的な高齢者世帯の状況を考えると、月10万円の年金では、生活費に足らないのが現実です。このため、子どもからの仕送りや預貯金を取り崩して生活費に充てています。 総務省の「全国消費実態調査」(99年)のデータで「夫婦とも65歳以上の無職世帯」について調べると、「公的年金が年80万円〜120万円」の世帯の年間消費支出は平均160万円、「年金が120万円〜160万円」の世帯では、年間消費支出が180万円となっています。 これから、家賃や医療費など消費税が課税されない部分を除くと、約136万円〜150万円になります。 この支出に税率5%で消費税が課税されると、消費税負担額は6.8万円〜7.5万円という計算になります。 高額所得者の負担は2% このような低所得者の場合、収入に対する消費税負担率は、年収の5%を上回ることになります。一方、何千万円もの収入がある高額所得者の場合は、収入の一部しか消費に回しませんから、収入に対する消費税負担率は1〜2%程度にしかなりません。 このように、低所得者ほど負担が重くなる(負担率が高くなる)のが、消費税の特徴です。これを消費税の「逆進性」といいます。 こんな「弱いものいじめ」の税金を、「社会保障の財源に充てる」と称して増税するなど、まったく道理に合わない議論だといわなければなりません。 あなたの消費税は大企業減税に消えました 89年4月、消費税導入の際、政府は「高齢化社会の福祉のため」と大宣伝し、多くの国民はそれを信じ込まされました。しかし、この15年間に、健康保険本人の医療費自己負担は1割から3割に引き上げられ、老齢年金の支給開始年齢も60歳から65歳におくらされ、また介護保険制度の創設で、保険料の負担に加えて利用者負担など、社会保障は衰退の一途。消費税導入が「福祉のため」ということが真っ赤なウソだったことがはっきりしています。 92年9月3日号の「週刊新潮」で、当時の加藤寛政府税制調査会長が、「高齢化社会のためといわれ、われわれ税調もそう説明したが、本当はああ言えば一般の人にわかりやすいから」と国民だましを告白しました。 さらに、この15年間の消費税収は、136兆円ですが、同じ期間に大企業などの法人三税は、相次ぐ減税のなかで131兆円の税収減になっています。まさに、消費税分が、そっくり法人税の穴埋めにされたのです。みなさんの消費税は企業減税に使われたのです
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