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2005年7月17日発行 第282号 | ||
3月予算議会での指摘が現実に 3月27日付けニュースで報告した「アスベスト問題」が7月に入り一気に社会問題となりました。 アスベストが主因となる中皮腫による死亡者は、アスベストを扱う工場の周辺住民にも広がっており、改めて解体工事の危険性が浮き彫りとなりました。 95年から9年間で六千六十名が中皮腫で死亡
解体作業の業務ビル
政府が統計を取り始めた95年から9年間で、6060名が中皮腫(肺がんの一種)によって死亡していることが厚生労働省の発表で明らかになりましたが、95年以前については確認も出来ません。60年代には危険性が指摘されていたにもかかわらず何の措置も講じなかった責任は重大です。 アスベストは防音、保温材として戦前から利用され、最盛期には年間30万dものアスベストが輸入され、3千種に及ぶ建材として使用されました。 学校では、吹き付けはもちろんのこと床材、壁材、配管などに使用され、私たち自身もアスベストの脅威の中で学習してきたことになります。品川では、平成3年に囲い込み工事をおこなったそうですが、吹き付けアスベストを対象としているだけで固形建材はそのままです。老朽化し、建材にひびが入るとそこからアスベストが飛散することになります。 品川区内では、老朽化したビルの解体作業、新築工事がいたる所でおこなわれています。区として、条例化のうえ、一定規模の解体工事については第三者機関による調査、報告を求めることが急務ではないでしょうか。 解体工事説明の義務化を早急に アスベストを取り扱う作業従事者のみではなく、近隣の住民にまで被害が広がっています。 新聞の記事を見ると……壁にアスベストが吹き付けられた店舗に69年から02年まで勤務していた男性が04年死亡。01年に体調を崩し、翌年、兵庫医大で中皮腫と診断。男性や家族にアスベストを扱う職業歴はなく、勤務が中皮腫の原因とみている。 クボタの旧神崎工場で、新たに少なくとも二人の周辺住民がアスベストが原因とされる中皮腫で死亡している疑いがあるとして、民間の「尼崎労働者安全衛生センター」などが確認作業を始めた。工場近くに住み中皮腫になった住民や遺族五人前後から相談があり、うち二人は死亡している。など、被害の拡大を報じています。 予算議会での答弁は、「化学物質についての検討は薄かった。早急につくる」としています。答弁にそって義務化を急ぐべきです。 |