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2005年10月2日発行 第286号 | ||
建築物解体工事の住民説明が要綱で義務化 私は3月の予算審議で、地域住民に説明も無くおこなわれる解体工事に説明責任をはたさせるよう求めました。 とりわけ、アスベストが大量に使用された時代の建造物が解体の時期を迎える危険性を訴えましたが、これに対し品川区は、化学物質に対する認識が薄かったとして検討を約束していたものです。 予算審議での質問が実る
9月27日の建設委員会で報告された内容によると説明義務は、床面積80u以上の建造物が対象となります。 説明範囲は、解体建造物の高さと同じ水平距離および境界線から10mのどちらか広い範囲としています。しかし、建築説明会の建物高さの水平距離2倍の範囲。このことから建築説明会の距離に準じるべきと主張しました。 また、届出義務は事業主または請負事業者で、建築にかかわる団体に説明したとしています。しかし、これまでは大型の解体重機を使用する際の届出義務しかなく、野放しの状態でした。要綱を定めたことがどこまで周知できたのかは疑問の残るところです。 説明も無く解体工事がおこなわれている場合には、住民から区役所へと告発をおこない、工事を中止し、先にしっかりとした説明をおこなうように求めることが重要です。 科学物質による被害も深刻 説明をさせるべき事項は構造をはじめ、振動、粉塵、化学物質の有無、生活に関わるすべての事項に対し説明を求めなくてはなりません。 アスベスト問題はとりわけ重要です。 木造住宅での使用は屋根材、石膏ボード、ビニールタイルなどがありますが、家主にもアスベスト含有建材かどうかはわからないのが現実です。マンションでは、これにくわえて72年から74年の建築物にアスベスト吹き付けがおこなわれ、それ以後もアスベストを含んだロックウールが大量に使用されています。 職業性疾病リサーチセンターによると、肺がんを発病した建設労働者119名のうち、石綿関連肺がんの所見が見られたのが70%。見つけられなかった39例中、解剖によって石綿暴露が主因とされたのは80%。総計で90%強が石綿暴露による肺がんであると推定できるという、驚くべき調査結果をのべています。また、勤務先にアスベストが吹き付けられた倉庫があり、中皮腫を発症し死亡したことが報道されるなど区民はアスベストの脅威にさらされていることが明確となっています。 環境守れの運動を 要綱によって説明義務が位置づけられたとはいえ、実際に生活環境を守るのは住民の声と運動です。 日本共産党は、住民のみなさんとともにまちづくりを考え、より良い住環境の確立に向けた運動に取組んでまいります。 |