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2005年11月13日発行 第290号 | ||
地方議会の定数削減 03年いっせい地方選挙では、議員定数を削減して選挙をおこなった自治体が、半数近くにのぼりました。 議員は行政がおこなう区民施策や財政の使い方をチェックする重要な役割を持ち、区民の代表として議会を構成します。議員定数の削減はその機能を住民自身が放棄しすることにつながると思いますが、みなさんはどのようにお考えでしょうか? 「小さな政府」論と地方自治体 99年の地方自治法の「改正」で、地方議会の議員定数の上限を、これまでの法定数から大幅に減少させたことがあります。この「改正」は、いっせい地方選挙に照準をあわせて03年1月からの施行となっていました。 借金のツケは住民におしつけ 「改正」された上限数をさらに下回る定数に削減している自治体が少なくありません。 こうした議員定数削減の背景には、国が地方自治体にもちこんできた住民犠牲の「地方行革」=「自治体リストラ」の流れがあります。国は公共事業を自治体におしつけてきましたが、そのために膨らんだ借金のツケを住民に負わせようというものです。 地方議員定数をめぐっても、国が、全国の自治体に94年、97年の二度にわたってだした地方行革指針で、地方議会について「自主的に組織・運営の合理化等をすすめること」を求め、事実上、定数削減の圧力をかけてきました。 地方議会は、住民のもっとも身近な議会として、住民の声を自治体に反映する住民の代表機関です。地方議員の大幅な定数削減は、地方自治体における議会制民主主義を切りちぢめ、結果として自治体を住民から遠ざける役割を果たすものといわなければなりません。 いま政府が合併おしつけなど地方の切り捨てをすすめようとしていることに対し、自分たちの地域、自治体は自分たちで守り発展させたいという住民の願いが広がっています。こうした住民自身によるまちづくりをすすめていく上で、議会の役割を十分に発揮できるようにしていくことが求められているのではないでしょうか。 住民不在の行政はこんな所に現れています 品川区が4億7千万円を投じて設立した品川文化振興事業団が、1億6千万円のアルゼンチン債を購入し、デフォルトによる元本割れをおこした事件は記憶に新しいことだと思います。 当時、高橋区長が理事長、助役が副理事長、品川区で部長を務め、退職した星野氏が事務局長と管理から運営まですべてについて品川区が責任を持つ立場で設立した組織です。ところが、副理事長だった当時の相見助役が理事会にも計らずに、いつ破綻をきたしてもおかしくない国債を買い入れ、破綻したのちに理事会が追認した事件です。当初から区民に対し経過の説明と謝罪をすべきと議会で大問題になりました。 5400万円弱にまで元本を削減した「削減債」に応じた現時点で区民への説明と謝罪をすべきです。 また、不正購入した損害は相見元助役に請求すべきです。損害を相見元助役に請求しないのなら、高橋区長など事業団役員が損害を補填すべきです。 結局、損害は区民にツケがまわってくることになりスジがとおりません。 こうした問題は議会が行政のあり方をどこまでチェック出来るかがカギになります。 定数削減ではなく、海外視察や費用弁償の見直しなどでムダをはぶき、議会の機能を高めてこそ区民に必要な行政を維持できるのではないでしょうか。 |