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2006年2月19日発行 第298号 | ||
短期証・資格証は滞納世帯の31.8% 国保料滞納世帯が、全国では470万世帯、国保加入世帯の18・90%を占めています。 品川区では26・60%となっており、生活のきびしさがより一層、進行していることをうかがわせます。 滞納激増の背景 先週の区政報告では、高齢者の収入に対する異常な国保料の値上げを報告しました。今週号では一般世帯の状況をお知らせします。 全国では、保険料の滞納で国民健康保険(国保)証を取り上げられ、受診が遅れて病気が悪化、死亡したとみられる人が、国民健康保険法が改悪された00年以降、判明しただけで18人にのぼります。 品川区では、下の表で示すように滞納世帯、率ともに増加しています。
命を投捨てる事態が進行 01年5月…静岡県 50代男性が病院に、はうようにして訪れました。 「保険証がないけど診てもらえますか。でもお金がないから検査はしないでほしい」 腹部に触れただけで、しこりが分かるほどの状態でした。病名は胃がん。がんは食道にも転移しており、胃カメラは通らないほど悪化していました。 2ヶ月後亡くなった男性が持っていたのは、病院窓口でかかった医療費を全額払う必要のある資格証明書でした。 滞納者いじめの資格証 保法改悪は、国保料を滞納した世帯からの保険証取り上げを市町村に義務付けたもの。保険証にかわって発行する資格証では、病院の窓口でかかった医療費の全額をいったん払います。あとから7割の払い戻しを受けることになっていますが、払い戻し分を滞納していた国保料として徴収されることもあり手元には戻らないのが実情です。 国庫負担率の是正を 国保料が払えない人に医療費の全額を準備できるはずもなく、受診を手控え手遅れで命を落とすといった悲惨な状況が明らかになっています。 死亡した事例のなかには、保険証の期限が切れているのに、新たな保険証も資格証も発行されていないケースが数件ありました。国民皆保険制度のもとでは、あってはならない事態です。 厚生労働省の全国調査では04年6月現在で、資格証発行数は約30万世帯、97年6月と比べると約5倍。品川区では資格証218件、短期証で6722件にのぼります。 84年、政府は国保の国庫負担を45%から38.5%まで引き下げました。それ以降、市町村の国保財政は厳しくなり国保料が値上げされるようになりました。 国保の崩壊は、国がすべての国民に医療を保障するという、誇るべき国民皆保険制度の空洞化を意味します。これを立て直すには、もう一度、国保は社会保障という国保法一条の精神に立ち返り、国庫の負担率をとりあえず元に戻すことです。 |