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2006年3月19日発行 第302号 | ||
海外派兵に協力する品川区国民保護法関連条例 品川区は開会中の第一回定例議会に「国民保護法」に基づき、「品川区国民保護協議会条例」「国民保護対策本部および緊急対処事態対策本部条例」の提案をおこなっています。 私は、3月16日の総務予算審議の際、区民を政府の引き起こす戦争に動員する条例であると指摘し、反対の立場で論戦をおこないました。 国際緊張を高める国民総動員法 「国民保護法」とは、アメリカの戦争を支援する有事関連法の一つで、武力攻撃から国民を保護するための避難・救援を名目に、国民を戦争に強制動員するものです。 「基本指針」にもとづき、指定行政機関(省庁など)や都道府県は国民保護計画を、指定公共機関(電気、ガス、運輸、通信、医療、報道などの事業者)は国民保護業務計画を作成します。 条例案は、武力攻撃事態と武力攻撃予測事態が発令された際、避難誘導などを総合的に推進することを目的にして設置するとしています。 防衛庁→ありえない武力侵攻 新防衛大綱では、国土防衛重視、正面防衛重視としてきたこれまでの軍事戦略方針を大転換しています。 軽装備の機動運用タイプというべきものに切替えて、海外派兵を本格化しようとしているのです。武力侵攻が考えられるなら、こうした転換はありえません。 品川区が防衛のために有事を想定し条例を設置しようとしているのはなんのためなのでしょうか。 戦争へのマインドコントロール 現実に起こりえる事態は明らかです。 それはイラク戦争と同様にアメリカの進める世界戦略に乗って、アジアを始めとする他国への侵略行為です。 イラクへの武力介入に際して最大の大儀となったのが、「イラクが大量破壊兵器を保有している」ことでした。 私たちの国は憲法の規定にそって自衛隊を派兵したとはいえ、武器をもって戦闘行為をおこなうことが出来ませんでしたが、憲法の改悪と地方自治体まで巻き込む条例制定によって本格的に「戦争をする国」へと変貌することになります。 これが最大の狙いなのです。 戦争災害と自然災害を同一視 品川区の資料では国民保護協議会委員と防災会議委員を兼務させるとしています。 私は、自然災害の避難誘導問題と政府が引き起こす戦争被害と同一視していることも許すことができません。 地震や水害、火事にそなえて防災計画をつくり充実させることで、災害にさいして適切な処置をおこなうことが出来ます。しかし、備えをしたからといって地震を誘発するわけではありません。 国民保護法と品川区の条例化は違います。 小泉首相の靖国参拝がアジアを始めとする世界の国々から批判を浴びている理由は、第二次世界大戦のときに天皇を中心として軍事侵略をおこなった姿を彷彿させるからです。また、北朝鮮が脅威とされるのは軍事力にあるからではなく、指導者の思想と、その思想を支持するようにコントロールされた国民の姿があるからです。 戦争災害を防止するというなら、品川区議会に区民から提案された、「無防備平和条例」を設置し、平和宣言をおこなえばすむことです。ジュネーブ条約に基づき、国際的に認められた平和への追求こそが一番に求められているのではないでしょうか。 |