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2006年4月16日発行 第305号 | ||
自立を妨げる障害者自立支援法 障害者自立支援法は、利用料を応能負担から応益負担に変え、利用者に1割の定率負担を導入しました。 これは、障害の重い人ほど負担が重くなる制度であり、負担に耐えられずサービスを切捨てざるを得ない事態を引き起こします。 サービス利用料を支払える利用者はわずか5%という収入実態 施設入所者は… 授産施設で生活をされている方のご両親から、自立支援法で利用料が高額になってしまうと相談を受けました。 障害者年金は8万円で、現在の月額利用料は3万2千円。残金から生活必需品を買っても多少の残額もあります。ところが、今回の改正で利用料は約5万5千円に跳ね上がります。重度の障害を持つため、残金の2万5千円では間に合いませんが、ご両親は高齢のため収入はわずか。ただでさえ切りつめた生活をしているために子どもにかける金銭的余裕はありません。 施設通所者も… 国民年金の母親と2人暮らし。月6万6千円の障害者年金と9時から午後4時まで働いて得る工賃が月約7千円、福祉手当を含めても2人で月15万円程度の収入です。 利用料についての通知が届き、「あまりの負担でみんな悩んでいる。家でも食べさせなければならないし、生活をしていかなければならない」「親も国民年金しかなくて、どうやって生活をしていけというのか」と切実な声が寄せられています。 実態を表す数字 品川区ではホームヘルプサービスと通所サービス利用者の内、利用料を負担しているのは3〜5%です。この数字は障害者とその家族がおかれている状態が厳しいことの証明でもあります。 国によって障害者への過酷な負担が強いられるときだからこそ、住民の福祉を担う自治体の役割が求められています。 2種手当て最低 しかし品川区は逆に、これに追い討ちをかけるように、施設入所者への心身障害者福祉手当月額3千円円の廃止を打ち出しました。 廃止の理由のひとつに「在宅の方に比べて手厚いサービスが支給されているため必要性が少ない」と述べています。しかし、自立支援法により新たに1割の利用料と食費・部屋代の全額自己負担で大きな負担が課せられるという今、なぜ追い討ちをかけるように手当てまで廃止するのでしょうか。在宅の方と施設の方を対立させ低い方に合わせていくやり方は、小泉構造改革の常套手段です。在宅と比べて施設が手厚いというのであれば、23区で最低の額となっている在宅障害二種手当ての4500円こそ引き上げるべきではないでしょうか。 3千円の手当てが収入認定され負担にはね返ることも廃止の理由に挙げています。しかし、手当てや工賃を収入認定するかどうかは自治体が判断できることであると厚生労働省が答弁し、すでに他の自治体では工賃まで収入認定していないところも出ています。品川区も工賃や手当ての収入認定を行うべきでないと考えます。 軽減策は… 荒川区では在宅の全サービスの利用者負担を3%に軽減、国が対象外とした住民税課税世帯の障害者の通所施設での食事代半額、サービス利用量が多い重度障害者の負担を半額にするなど、思い切った軽減策をとっています。 品川区も、国に対して制度改善を求めると共に、障害者・家族の実態を把握し、切実な声に応えて減額制度の拡大など、障害者の真の自立への支援を行なうべきです。 |