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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2006年6月4日発行
第310号

 

命の格差を生む医療改革
保険のきかない混合診療

5月29日、日本共産党区議団は医療制度改悪に反対する区民署名を、小池晃参議院議員に手渡し懇談しました。

  この国会要請行動には私(菊地)と鈴木ひろ子・飯沼雅子区議、秋田かくお前都議、鈴木信夫地区副委員長、など14名が参加しました。

高齢者医療制度で保険料負担
介護保険料と合わせて高額負担へ

医療改悪法案は、高齢者の患者に新たな負担を強いるとともに、保険内診療と保険外診療を併用する「混合診療」の本格導入に道を開くものです。保険の適用されない医療が広がれば、お金のない人が医療から排除されてしまいます。

小池晃参議院議員は、「今回の小泉医療改革は、命にまで「格差」を持ち込む大改悪です。実質審議は明日(30日)から。与党はとにかく通したい法案だけに国民世論の動向を見ている。医療制度の改悪は許さないという声をどんどん寄せてほしい。明日からの論戦に全力をあげます」と語りました。

四点の大改悪

改悪の一点目は、「高齢者医療制度」を新たにつくって75歳以上の方はすべてこの保険に加入させて保険料は平均月5千円。年金から「天引き」します。

  二点目は、70〜74歳の窓口負担を現在の1割から再来年4月に2割へ引き上げる。70歳過ぎても現役並みの所得があれば今年秋から3割負担です。

  三点目は、今年10月から入院は療養病床は食費・居住費が保険適用外。長期入院患者(住民税課税の方)の入院費は月三万円も値上げされ、高額療養費制度でも患者負担を増額、人工透析は一定所得以上は負担が二倍になります。まさに「お金の切れ目が命の切れ目」の医療改悪です。

  四点目には長期入院用の介護型療養病床を6年後に23万ベッドも削減。高齢者が病院に入院できない事態を加速します。

これほど違う世界の医療

さらに、国民負担を増やし企業や国の負担を減らすことが狙いです。

  政府や財界は、医療費の増大で経済も財政も破たんするといいますが、実際は、日本の医療費はGDP(国民総生産)比で7・9%。アメリカは14・6%、ドイツ10・9%、フランス9・7%などと比べても低水準。一方、公的医療保険における窓口負担割合は、ドイツ6・0%、フランス11・2%に対して日本は16・1%と突出しています。それなのに、財界は企業の負担をもっと軽減するよう要求、小泉内閣が進めようとしているのです。

保険会社の大もうけ

小泉首相は「現役世代との公平」と言いますが、年をとれば病気がちになるのは当たり前。高齢者や立場の弱い人に追いうちをかける改悪は許せません。

いま、テレビや新聞でアメリカ系保険会社の宣伝があふれています。「のしかかる自己負担」、「公的保険適用外の治療費への備えも必要」などと保険加入を大宣伝しています。日本の保険制度を壊して民間保険会社にもうけさせようというのです。