日本共産党品川区議団TOPへ         「菊地貞二ニュース」目次へ

菊池貞二 菊地貞二ニュース 2006年7月30日発行
第317号

 

考えうる数々の少子化支援こそ必要と討論
欧州に学び実態改善を

日本共産党区議団が提案した保育料軽減策を自民・公明・民主・無所属・生活者ネットの全会派が否決しました。口先では「少子化対策」をとなえながら現実にやっていることは、働くルールの破壊であり、子育て世代への増税や負担増、保育料の値上げや保育サービスの後退など子育ての障害を作り出す政治です。

深刻な実態を見ようともしない反対意見
世界の経験に学ぶべき

厚生委員会で出された反対意見はまったく実態を見ない道理のないもので、私は本会議で次の討論(概要掲載)をおこないました。

「在宅子育て家庭と共働き家庭との公平性が確保されない」

内閣府の17年度版「少子化社会白書」では、OECD諸国の保育サービスや児童手当、育児休業手当てなど家族政策に関する財政支出の対GDP費について、日本が30か国中26番目という少なさであり、日本0・6%に対して少子化を改善させているスウェーデンやフランスでは約5倍にもなっていることを示し、日本が子育てに対する支援が少なすぎることを自ら告白しています。在宅子育て家庭と共働き家庭を対立させ、少ない子育て支援の予算をどう分け取るかではなく、欧州並みに増額し、共に充実させることこそ必要です。党区議団は、この間保育料の負担軽減だけでなく、子どもの医療費無料化の拡大や出産祝い金条例、妊婦健診の無料化拡大、認証保育料負担軽減など総合的、系統的な子育て支援の提案を行ってきました。

「入所者は保護を受けている。お金をかけるべきは待機児解消だ」

私も当然、待機児解消は緊急に取り組むべき課題だと考えます。そのために公立保育園の増設こそ行うべきと繰り返し求めてきたところです。

しかし、国や都、区は待機児解消を認証保育園の増設で乗り切ろうとしています。劣悪な環境でしかも高額な負担を求めるものであり、待機児解消にはなりえません。23区では15区が保育料値上げをおこなっていません。くわえて2子目半額・3子目無料はそれぞれ4区が実施していることを見ても待機児解消を理由に保育園保育料の値上げを合理化できないことは明白です。

また、保育園利用者は手厚い税の支援を受けているとの指摘についてですが、共働き夫婦の場合、夫が税金を払ったほか、妻は所得税や住民税、社会保険料、受けられない配偶者控除など平均階層で年間約70万円を払っています。これは3歳児保育料の2・7倍に相当する額です。しかも保育園に預けている時だけでなく、定年まで払い続けると現状の賃金でさえ、その額は2450万円となります。反対の理由とする「手厚い税の支援」をはるかに超える税負担や年金、医療などの制度を支える重要な役割を果たしています。

「保育内容から適正な保育料だ」

フランスでは「これだけの子どもを育てたいとの希望に応えるのが政府であり、政治だ」として、雇用、住宅、所得、貧困、障害者に対する保護と手厚い施策をおこない、その施策は毎年のように充実がはかられています。

この考えの基本にあるのは、子どもを持つ家庭と子どもを持たない家庭に差をつくってはいけない。そのために社会や企業が負担し支援するという所得再配分の考えがあります。

  なお、生活者ネットは真摯に実態を見ることも無く最終本会議で子育て支援の提案に対する反対討論までおこなって反対しました。