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菊池貞二 菊地貞二ニュース 2006年12月24日発行
第327号

 

耐震診断・補強工事に助成を命を守るまちづくりに転換を

日本共産党は第四回定例会に耐震診断と改修工事を区内全域に広げ、あわせてマンションにも助成を広げるための条例を提案、私はまちづくり委員会で提案説明をおこない、各議員からの質問に対し答弁に立ちました。

オール与党は区民の命を守る提案を否決し、一方で、際限ない税金を注ぎ込む再開発には大賛成です。

再開発に780億円の税金投入
耐震補強工事にはわずか5軒の予算

1932年に東京を襲った関東大震災から74年。同規模の地震がいつ起きてもおかしくない状況にあります。

阪神淡路大震災では6434名の方々が亡くなり、そのうち4831名が住宅の倒壊による死亡者でした。先日、12月1日のNHKニュースでは、かろうじて全・半壊の家屋から救出された方は消防などの公的機関で8,000名、近隣住民の手による救出は27,000名、総計で35,000名に及んだことが報道されました。命の境目となったのはいうまでもなく住宅が地震に耐えることが出来たかどうかです。

昨年の12月に読売新聞がおこなった全国調査では大地震が起こったときにもっとも心配されることの第一にかかげたのが「家屋の倒壊」で68%ともっとも高い割合となりました。

これらの事実は、耐震診断・補強工事の補助事業が早急におこなうべき施策であることを物語っています。

時期尚早どころか・・・

委員会審議では「時期尚早」との意見がありました

品川区では木造住宅への耐震診断補助、地域を限定しての補強工事助成をおこなっています。この施策も日本共産党が阪神淡路大震災以後、くりかえし求めてきたものです。当時、区長は「個人財産は個人で守るべきもの」との答弁をでしたが、現在は、災害後の利益損失や人命優先の考え方がねずいて来たことから国や東京都でも重い腰を上げ、マンションにまで補助事業を拡大しています。

国土交通省は今年1月に「建築物の耐震診断および耐震改修の促進を図るための基本的な方針」を告示し、今後想定される地震被害軽減の促進をはかることが急務だと述べています。

東京都は5月に耐震診断助成、耐震補強工事については利子補給といった助成制度を発表。しかし、三ヵ年計画で自治体が補助制度を有していることが前提となっています。10月現在では豊島・荒川・品川区を除く20区がマンション耐震診断助成制度を設け耐震改修補助制度は8月時点で7区が有しています。むしろ遅きに失した感があります。

計り知れない費用対効果

一橋大学の研究によると阪神淡路大震災の際、住宅への公費負担は解体費用や仮設、復興住宅の建設費などで1戸あたり3700万円。全体では仮設住宅と復興住宅だけでも6000億円の公費負担となっています。

復興に際して多くの高齢者が自宅の再建をあきらめ復興住宅で孤独死をとげたことを考えるならその費用対効果は計り知れないのではないでしょうか。

再開発より命を守る施策が最優先

費用は最大でも210億円。東京都の施策を活用するつもりになれば、マンションの診断補助も区の負担は6分の1ですみます。

品川区は企業の進める再開発に「定住化を促進する」「いざという時の防災空間が出来る」いろいろな理由をつけて税金を注ぎ込みます。こうした補助金や土地購入費、調査費などこれまでに780億円。企業支援に税金を注ぎ込みながら、区民の命を守る施策には背を向ける、こうした議会と行政のあり方、おかしいとは思いませんか。