第3次長期計画
産業振興のマスタープラン作成へ
日本共産党の産業振興条例提案が力に
品川区が実施していた「製造業実態調査」の結果が区議会に報告されました。この調査は「第三次長期基本計画の中期的事業計画としての産業振興マスタープラン策定のためのもの。総合的な産業振興策つくりが始まることになります。
政府の産業支援策は大企業や一部のベンチャー企業を中心として、不況に苦しむ中小業者を切り捨てるもの。倒産と失業、自殺者も急増しているなかで自治体がどう中小業者を支援するかが問われています。
今回の実態調査は、製造業四千七百社、情報サービス五百社計五千二百社を対象にアンケートによるもの。有効回答は二十六%でした。
日本共産党区議団は区内の中小業者との懇談を重ねて要望を集約、区長に対して中小業者支援策の強化を訴え、昨年は議員提案権による「品川区地域産業振興条例」も提案しました。区による「産業振興マスタープラン」作成は、こうした運動が実ったものです。
実態調査
産業支援計画作成の基礎調査
区内事業者の要望反映した計画に
区議会に報告があった「品川区製造業等実態調査報告書」の概要を紹介します。この結果に基づいた計画づくりには、日本共産党も意見を出していきます。みなさんもご意見をぜひ。
国内の主要メーカー支えるものづくり
品川区内には、電気機械、光学機械の主要メーカーの立地と共に、これらを支えるものづくり企業が集積している。
品川の技術集積は機械金属製造業を中心としており、「フルセット型」といわれる大田区とは異なる。また、研究開発部門が多いため、労働生産性は区部より低いが付加価値率は高い。
世界的企業の開発拠点、外資系企業や情報サービス事業所も集中。近年、出版・印刷の集積も高まっている。
一方、一定規模の企業は生産部門の区外進出で広域的に事業が展開されている。
経営者の高齢化が製造業の悩み
アンケート調査は有効回答が製造業一一二五社、情報サービス業一三一社の計一二五六社。
製造業の調査結果は、回答の半数が電気機械、一般機械、金属製品。うち七割が昭和四十年以前の創業で経営者の高齢化と代がわりの時期に直面。そのなかで後継者が決まっているのは三割、候補者がいるのが一割。
経営問題では、受注料の減少や単価の切り下げが課題。今後の方向は専門加工が二十一%、自社ブランド十五%、生産と販売一〇%、九%が製品メーカーをめざす。そのうえで人材の育成が重要視されている。
また、立地について区内は交通の便が良い反面、協力工場の減少や工場拡張が困難など。
情報サービス業の調査結果では、創業が昭和六十年以降は六割と比較的新し<経営者も五十代が六割、四十代四割と製造業と比較すると若い人が多い。経営的にはシステムエンジニア不足が課題。品川区の立地条件としての回答では広域的アクセスが約七割、相対的に安価な賃料が四割となっている。
品川区産業の今後の展開と課題
報告書では最後に、品川区産業の展開構図と今後の課題として次の点を指摘している。
今後期待される企業は、@本業を機軸に、発想の転換で独自の技術開発をすすめる、A独自技術を持ち、需要を発掘する、B提案型の「まとめ屋」的な企業、などとしている。
さらに品川区産業振興の課題には、@企業がアイデアを出し合い商品化する取り組みへの支援、A投資または融資制度に対応した支援、B区内企業情報の提供と交流、C区内企業の役割やものづくりのおもしろさを次世代に伝える取り組み−などとなっている。
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