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みやざき克俊 みやざき克俊ニュース 2001年3月25日発行
第299号


運動会・親子遠足廃止、給食調理外部委託…
こんな保育を「標準」にするの?

 区立東五反田保育園で「ISO9000シリーズ(国際規格)」を取得、区は今後その保育内容を全区に広げるつもりです。国際規格の『お墨付き』を得て、区が全体に広げようとしている保育は、子どもや父母の願いに添ったものでしょうか。

 ISOとはJIS(日本工業規格)の国際版のようなものでISO9000シリーズは制作工程含めた品質の管理と保証の国際的な規格。品川区は保育サービスを客観的に評価するシステムをつくり、37の全区立保育園でISO取得を目指すと説明しています。新年度その皮切りに東五反田保育園での取得を目指しています。

無資格でもできる
安上がりで画一的保育が狙い

 しかし、区立保育園でのISO(国際規格)取得は「保育の規格化」ということであり、大きな問題があります。
 今年度ISO取得を目指し、品川区の保育のモデルにしようという東五反田保育園では給食調理の外部依託や運動会、親子遠足の取りやめなど率先してすすめてきました。ISOを初めに東五反田保育園で取得するのはこうした保育を全園に広げようというものです。
 品川区は区立保育園での夜間・延長、病後児保育などの事業を拡大する一方、来年度含めこの6年間で保育職員を170名余も削減しました。そのため東五反田保育園のように運動会をなくしたり給食調理を外注化する動き(新年度新たに5園で導入)が広がっていますが、今回の区立保育園でのISO取得は「人手をかけない保育」「有資格者でなく無資格者でもできる保育」を全園に拡大し、安上がりで画一的な保育にする狙いがあると言えます。
 区は、利用者の満足度調査を行い保育サービスの質の向上を図ると説明。保育園の品質チェック、保育園間の競争を促し保育サービスの質を向上させると言いますが、果たしてこんな保育を父母や子どもたちが求めているのでしょうか。
 日本共産党は、「ISOを錦の御旗」にした保育内容の削減には断固反対です。


おかしいぞ!
署名活動する父母の会は認めない
「対区交渉」の文言削れ…

 気に食わない団体は徹底的に排除するというのが高橋区長の区政運営。それを保育分野で露骨にすすめています。それは『区政の私物化』ではないでしょうか。

 品川区は、「職員と父母が力を合わせて子どもたちの健全育成を目指す」ために区立保育園での『保育園PTA』を設置すると説明しました。
 一方、区は「『父母の会』は署名運動をして、子どもの健全な育成を目指す取り組みとはかけ離れている」と徹底的に排除し、父母の会の打ち合わせのための園舎使用を禁止、運動会など父母の会との共同の取り組みも禁止してきました。今回の保育園PTAの設置は、区による「区に要求しない、歯向かわない」官製団体づくりです。
 一方、ある無認可保育園が保護者向け『入園のしおり』のなかに「対区交渉実行委員会」の記述があることに区がいちゃもんをつけ記述を削除させようとしています。区立保育園に入れない子どもを受け入れる無認可保育園は収入が安定せず補助金頼みです。区に要求するのは当然のことなのです。