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みやざき克俊 みやざき克俊ニュース 2001年7月8日発行
第311号


中小業者守る対策求める
区長−「具体的政策みて施策を決めたい」

 小泉内閣は26日、構造改革の基本方針(いわゆる骨太方針)を閣議決定、その最優先が「不良債権の早期最終処理」です。しかし、倒産を激増させ失業者があらたに一○○万人を生むといわれる小泉改革が区内中小企業にどのような影響をもたらすか…私は区長に質しました。

不良債権処理で営業とくらしは?
 ○企業倒産・・・20〜30万社
 ○失業者・・・・・100万人以上増加

これは大変!品川区内の中小企業と区民のくらしに計り知れない影響が…

 政府が発表した今年1〜3月期のGDP(国内総生産)は二期ぶりのマイナスとなり、日本経済はさらに景気が悪化しています。こんな状況の中で「不良債権の早期最終処理」を強行したらどうなるか…日本経済に計り知れない影響を与えると各方面から指摘されています。

企業の倒産20〜30万社に―日本共産党試算

 帝国データバンクの昨年3月期資料によると、大手銀行16行の総貸出し件数は八六七万件あり、実にその99・3%が中小企業への貸し出しです。

 日本共産党が試算したところ、「不良債権の最終処理」の対象となるのは全国で少なくとも20万社〜30万社にのぼります。昨年1年間の企業倒産が1万9千社でしたから、不良債権の最終処理により、その10〜15倍の企業が倒産に追い込まれることになるのです。

 先月の党首討論で日本共産党志位和夫委員長がこの数字を示して質問したのに対し小泉首相はこれを否定しませんでした。

失業者はあらたに100万人超

 小泉内閣の不良債権最終処理でどうなるか―ニッセイ基礎研修所では、企業倒産の激増により新たに130万人の失業者が生まれると予想。第一生命の研究所は111万人の失業者…など軒並み100万人を超える失業者が新たに生まれると予想しています。

 帝国データバンクの今年「4月・月報」では、小泉改革について「景気回復のための構造改革は看板倒れに終わり、ただ単に倒産急増と失業増加という想像を越える大きなダメージを後に残すだけになるのは避けられないであろう」と指摘しています。

 小泉首相は「痛みを恐れず断行する」と強調しますが、その痛みが誰に向けられているのか、その痛みとは何か―内容が問題です。

中小企業守る対策を区長に求める    ―みやざきが一般質問

 品川区では、現在、区内産業の総合的・計画的支援のため「産業振興マスタープラン」を策定中です。こうしたなかで小泉内閣の「不良債権早期最終処理」でどうなるか―私(みやざき)は一般質問で、
 @区内の中小企業への影響とその対応策についてどう考えているか、
 A区長は「不良債権最終処理」方針に反対を表明すること、
 B消費税減税と福祉充実、雇用不安解消こそ不況打開、地域経済活性化の道と考えるが区長の見解は―などを質しました。

 これに対して区長は、今後の政府による経済対策の展開と景気動向のもとで区内中小企業にどのような影響が出るか推移を見守る。政府から具体的なものが出たら、区で判断して施策を決める―と答弁(要旨)しました。

  品川区内でもこんな事態が…

<東大井の商店主の話>

 信用金庫への返済が3ヶ月遅れたために、信用保証協会が代位弁済した。いま、遅れた分も含めて返済計画がたっているのに、「契約不履行だから、不動産を売却して一括返済せよ」と迫られている。

<大手の下請け業者の話>

 これまで、何回も融資を受けて返済は一回も滞ったことはない。返済能力は十分あると思うが、これ以上の融資は断られた。

 …これらは「不良債権の早期最終処理」の先取りでは?