滞納理由ー失業15％、病気・ケガ13％・・・なのに
品川区が滞納者にペナルティ 資格証明書を発行

　決算委員会で、品川区が国民健康保険滞納世帯に　「短期医療証」　と「資格証明書」を発行していることが明らかになりました。区民を医療にかかりにくくしてしまいます。質問した鈴木議員（共産）　は、区に対して慎重な対応を求めました。

払いたくても払えない・・・滞納世帯が2割にも

　品川区内で国保加入は約72000世帯。ところが、保険料を滞納している世帯は全体の2割、15000世帯を超えています。
　滞納理由は　「失業」　が全体の15％を占め、次に　「病気・ケガ」が13％、「営業不振」　と　「生活困窮」　がそれぞれ‖％、さらに「借金返済多額」　「会社倒産」「破産」　など、経済的理由が65％を占めており、深刻な不況のなかで払いたくても払えなくなってきている区民の深刻な実態が反映しています　（表参照）。

短期証、資格証発行　小泉厚相（当時）が義務化

　ところが、品川区は今年4月、1年以上の保険料滞納者のうち4360世帯に対して　「短期医療証」　を発行しました。国民健康保険証は2年間の有効期間ですが、短期医療証は有効期間が6ケ月しかありません。

医療費いったん全額負担…資格証明書

　さらに、区はこの川月から「資格証明書」　も発行。今回の対象は40人という説明です。
　「資格証」　は、医療を受けた場合、病院の窓口でいったん医療費の全額を支払い、保険料を納入したら7割分を「返還する」というもの。区は　「資格証」　発行の対象は1年以上滞納しその．額が30万円以上、そして医療にかかっている者、なおかつ送付した弁明書を提出しなかった者と説明しています。
　「短期証」　も　「資格証」　も保険料滞納者に対するペナルティです。小泉首相が厚生大臣のとき、国民健康保険法　「改定」、それまで滞納者には短期証や資格証を「発行することができる」という規定だったものを　「発行する」　という義務規定に変えました。短期証と資格証について、日本共産党区議団はこれまで「受診を抑制することになるため発行しないよう」　に品川区に求めてきましたが、区は今回の義務規定を受けて実施に踏み切いりました。

保険料が払えない人に医療の全額が払えるでしょうか

資格証発行は医療が必要なのに「お金がなくてかかれない」　事態を広げ、患者の命綱を断ち切ることにもなります。
　自治体によっては資格証を発行しないことろもあります。品川区にも慎重な対応が求められます。

高すぎる国保料…高薬価と国庫負担減が原因

　国保料は赤字を理由に毎年のように値上げされています。
　赤字の大きな原因は、第一に世界的に異常に高い　「薬価」　など高医療費構造の問題。第二は、国保財政への国庫負担削減です。
　1983年までは医療費の45％を国庫で点只担してきましたが、現在は38％だけです。
　自民党は大型開発など公共事業には年間50兆円、社会保障には20兆円しか使わない政治を続けてきましたが、こうした財政の使い方を正すことが一番大事です。