日本共産党品川区議団TOPへ         「みやざき克俊ニュース」目次へ

みやざき克俊 みやざき克俊ニュース 2002年3月17日発行
第342号


入所待機者が2年間で2・5倍に−要望切実
特養老人ホームの増設を

 転院先を探すのも大変。
やっとなれたと思ったらまた
寝台車で次ぎの施設に移らな
ければならないのはかわいそう。
いったいいつになったら特養老人
ホームに入れ
  るのでしょうか…
リウマチで15年も自宅で療養してきたAさんは、脳梗塞を起こし要介護5と認定されました。お嫁さんは家業を営みながらの自宅介護は限界だと特養ホームに申し込みましたが1年以上たっても入れません。現在3ヶ月ごとに老人保健施設を転々としながらしのいでいます。

特別養護老人ホームの増設について

 特養老人ホームへの入所待機者は介護保険が始まった一昨年4月は186人でしたが昨年10月には458人、実に2・5倍になりました。
 保健高齢事業部長は「必要性の高い人は概ね6ヶ月で入れる」といいますが、実際はなかなか入れません。ある方は、区の窓口で「82歳では特養に入るにはまだ若い、自宅介護が長いが公的サービスを使っていなかった」と入れない理由を言われたそうです。
 品川区は、特養老人ホームでなくケアホームをつくる計画ですが、西五反田にできるケアホームは利用料だけで月22万円〜29万円もします。私(みやざき)は、所得の低い方でも入れる特養老人ホームこそつくるよう要望しました。
 特養老人ホームを増設できない理由はありません。
 第一に、品川区には取り崩し可能な基金(貯金)が400億円ある。
 第二に、厚生労働省は小規模特養ホーム建設も補助金対象にしていること。
 第三には、品川区の介護保険会計での基金積立(貯金)も平成12年度が7億7千万円、平成13年度は3億7千万円、平成14年度も当初予算で1億3千万円を計上。余裕があります。特養老人ホームの利用料は年間1ベッドあたり380万円ほどですから、特養老人ホームは建設費でも利用料でも十分可能です。

都の利用料減額制度活用について

 東京都は、今年1月から低所得者の介護サービス利用料を1割から5%に軽減するため、区市町村への支援策を実施しました。これを受けて23区中11区が実施(検討含む)とのことです。この制度は、事業者負担や対象を預貯金60万円以下としているなど問題点はありますが、低所得者の負担を軽減する積極的なものです。ところが、品川区はこの制度を使わないといいます。そこで、私(みやざき)は、都の利用料減免を活用するとともに、品川区独自の利用料軽減措置を行うよう求めました。

ホームヘルパーの労働条件改善について

 介護報酬は身体介護、家事援助、複合型に分けられ、それぞれ格差がつけられています。特に家事援助の介護報酬は1時間当たり1520円と低く、実際にヘルパーさんに支払われる賃金となると平均で時給1000円〜1100円ですが、この中には移動や報告書作成の時間などは含まれてなく実質は700円〜800円台という実態です。重労働で精神的にも緊張度が高いのに高校生のアルバイト代より低い状況です。品川区は、介護報酬の高い身体介護は大手シルバー産業に独占させていますから、介護報酬の低い家事援助しか回ってこない中小の民間事業者とヘルパーさんは深刻です。 そこで、私(みやざき)は、区内事業所で働くホームヘルパーの労働実態を調査すること。そして、訪問介護は家事援助、身体介護などの介護報酬の差をなくし介護報酬そのものを引き上げるよう国に働きかけることを求めました。

区民のニーズに合わせた施設整備を検討

 区の答弁は、@特養老人ホーム建設では、区民のニーズに合わせた入所施設整備を検討する、A都の減免制度は利用しない、Bヘルパー介護報酬は国の動きを見守る―というものでした。いずれも切実な問題ですので、私は引き続き要望していきます。