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みやざき克俊 みやざき克俊ニュース 2002年4月21日発行
第346号


20年間で1,163名も 福祉に偏った削減
「委託コストが半分」と区は説明するが・・

事業への影響心配

 品川区は、3086名の職員を今年度2977名へ109名削減しました。83年以降ほぼ毎年職員を削らし続け、20年間の削減数は1163名になります。「ムダを省いた効率的な行政運営」は当然ですが、福祉に偏った職員削減は事業への影響が心配。税金の使い方も疑問です。

              アルゼンチン債問題は、委託
              先をチェックできていなかった
              ということ。どんどん委託は問
              題ではありませんか。 
 
 「子育て支援センター」
は、児童相談所など行政・
民間諸機関との連携、ネット
ワークづくりが必要。行政と
  して行うべきです。
「給食は、作り手が
変わるだけ」というけ
ど本当…? 他の区で
は手作りが冷凍物になっ
たというからたいへん
  心配です

 今年度、主な職員削減は、施設課廃止、国民年金課組織改正などの他、保育園31名、学校事務20名、ひまわり荘5名と、子どもたちの施策に偏っています。

1.保育園給食調理代行 「作り手が変わるだ
  け」「コストが半分」というが

 学校や保育園の給食調理業務民間委託の全国的広がりに、専門家は「子どもたちの食文化が危ない」と警告します。品川区は「作り手が変わるだけ、今までどおりおいしい給食」「代行はコストが半分で済む」と説明します。しかし、実際はどうでしょうか。
 ある保育園職員から「父母から離乳食やアレルギー食など質

問されても答えられない」、「お腹をこわした園児の食事の配慮をお願いしたが、断わられた」との声が届きました。
 さらに、委託後5年の台東区の保育園では、当初安かったが、現在は委託決算が136%に増加。コロッケも手作りから冷凍物に変わったと指摘されています。質の低下も心配です。

2.学校事務減らし、増え る校長・教頭の雑用

 中学校の事務を20名削減します。「電算事務化で合理化、共通化を図る」との説明です。
 事務は1名(都費)のみ、校長、教頭の雑用が増えるのは確実。区教委は教職員に「成果を上げるための競争意識、コスト意識」を求めています。教育がおろそかにならないか心配です。

3.ひまわり荘も委託…

 母子生活支援施設『ひまわり荘』は、改築にあわせて複合施設「家庭あんしんセンター」に組み入れます。同センターには24時間体制で子育て相談や緊急対応を行う「子育て支援センター」も設置されますが、運営は(社福)品川総合福祉センターに委託します。
 なぜ民間委託なのか。母子生活支援、児童虐待などは人権を尊重しながら速やかで適切な援助が必要です。そのために児童相談所など様々な行政・民間の諸機関との連携、ネットワークづくりが必要になりますから行政として行うべきです。
 区は、「ひまわり荘の人件費で、新事業のすべての委託料がまかなえる」と説明しますが、コスト最優先の姿勢では福祉はますます心配です。

 委託先をチェックできなかったアルゼンチン
 債問題 ― 区民の立場から検証必要

 不安定雇用が街にあふれ、景気回復の足を引っ張っています。「民間もやっているから」と、コスト優先で大企業のリストラなみの人員削減と委託拡大…自治体が率先してすすめることは問題だと思います。
 今回の職員削減の費用「効果」は5億円弱、一方、再開発は今年度、新たに大崎駅東口第3地区のスタートなど65億円投入です。税金の使い方が違います。
 アルゼンチン債問題で委託先をチェックできていなかった問題が明らかにありました。コスト優先で民間委託を拡大するやり方は改めるべきです。

職員削減でどのような影響が出ているのか、区民の立場から検証が必要です。お気づきの点をご連絡ください。