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みやざき克俊 みやざき克俊ニュース 2002年6月2日発行
第351号


有事法制の慎重審議求めよ
全国の自治体首長に広がる反対・懸念の声

 アメリカの戦争に日本を参加させ、海外で武力攻撃を可能にする「有事法制3法案」の成立に反対する世論が高まってきています。日本共産党は24日、有事法案の慎重審議を求め、関係機関に働きかけるよう高橋区長に申し入れました。


多彩な市民、団体が有事3法案反対のために集まった5・24大集会、明治公園

 申し入れに対して、高橋区長は「この件は国政問題であり、国会の中で論議をつくして欲しい」と述べるにとどまり、「政府など関係機関に働きかけることについては考えていない」と表明。これまで同様、国政問題に触れない姿勢に終始しました。また、有事法制について「国、都から何の説明も受けていない」ことも明らかにしました。
 住民の命と財産を守るのが自治体です。全国で自治体首長が反対や慎重審議を求める表明が広がっています。意見表明をしない高橋区長の姿勢は残念です。
 この日の申し入れは党区議団8人全員、区からは高橋区長と総務課長が出席しました。
 なお、党区議団は議会に対しても第1回臨時議会で決議するよう提案しています。


 品川区長 高橋久二殿

  「有事法制を慎重に審議するよう関係機関に働きかけを求める」
  申し入れ(要旨)
              2002年5月24日 日本共産党品川区議団
       

 政府は、有事法制関連3法案を提出し今国会での成立をめざしています。
 政府は、「日本を外国の武力攻撃から守るための備え」とのべていますが、防衛庁長官は「日本が武力攻撃される危険はない」と明確にのべています。アメリカの強い要求で1999年につくられた「周辺事態法」は、アジアでアメリカが軍事介入したとき、自衛隊が米軍支援をおこなうものでしたが、「武力行使はしない」とされてきました。
 ところが、こんどの有事法案は、アメリカの戦争に自衛隊が武力行使を含めて参戦できるしくみをつくり、日本が武力攻撃を受けなくても海外での武力行使を可能とするものです。
 しかも有事法案は、こんな戦争に国民を強制的に動員し、自由と人権までしばるものです。法案は、すべての国民に戦争協力を義務づけ、NHKなどの指定公共機関や医療、輸送、建築・土木などの関係者も強制的に協力・動員を求めています。戦争に必要だと判断されれば国民は家屋、土地、物資を差し出すよう要求され、そのための調査を拒否したり、保管をおこたると、犯罪者として処罰されます。
 周辺事態法では国は、自治体へ強制力を持たないとしていましたが、今回の有事法案は自治体へ指示し、従わない場合は直接執行する権限が明記されています。
 有事法案は二度と戦争をしないと誓った憲法9条に明確に違反するものです。
 この法案について、橋本高知県知事は「事態の定義があいまい。緊急性がない」、田中長野県知事は「阻止せねばならない」と反対を表明、中国地方知事会は「有事法案の議論が不十分」として地方の意見を尊重するように国に求めていくこと、を確認しました。東京・国立市長が憲法、地方自治法との関係をただす「質問書」を首相に送付するなど、自治体の首長からも相次いで「懸念」や「慎重に」との声が出されています。
 有事法制法制についての世論調査によるとNHKで7割が「議論をつくせ」、朝日新聞では有事法案について6割が「内容知らない」、7割が「説明不足」とのことです。
 以上の立場にたって、区長は憲法、地方自治法を守る立場で、有事関連3法案が国民に広く知らされ慎重に審議がされるよう関係機関に働きかけることを求めます。