日本共産党が厚労省と交渉
国保の負担軽減を
滞納理由は失業、病気・ケガ、営業不振…
8月1日、日本共産党東京都委員会と井上美代参院議員、東京の衆院候補が国民健康保険制度の負担軽減など改善を求めて厚生労働省と交渉しました(要望項目はウラ面に掲載)。交渉には、おおぬき清文・党衆院東京三区子ども教育相談室長と私(みやざき)も参加しました。
厚労省と交渉する共産党議員と候補者(発言しているのは井上美代参院議員)
交渉は、保険料滞納を理由に保険証が取り上げられ、必要な医療が受けられない事態が全国で広がっている中で、政府来年度予算概算要求で改善するよう求めて行われたものです。
都内では4月1日時点で、いったん医療費を全額窓口で負担する「資格証明書」が1万660世帯に、有効期限の短い「短期医療証」がおよそ14万世帯に発行されています。
参加者からは、毎年のように引き上げられる保険料の支払いが困難になっている状況が紹介され、厚労省の対応を求める意見が出されました。なかには「保険料滞納分と延滞利息を一括納入できないので、一部を払おうとしたが窓口で受け付けてもらえなかった」と資格証明書の機械的発行を止めさせるよう求める意見などが出されました。
応対した厚労省保険局の担当者は、「機械的な資格証明書発行はよくない」と述べましたが、保険料軽減の充実については「国保財政は保険料による運営が中心」と拒否しました。
なお、8月6日には、引き続き介護保険、障害者・難病患者施策、保育・学童保育、乳幼児医療費助成の改善をテーマに厚労省交渉が行われました。日本共産党が提出した要望は次回のニュースで紹介します。
国民健康保険制度についての要望
厚生労働大臣 坂口力殿
2003年8月1日
日本共産党東京都委員会
- 医療費給付への補助を増やすこと
- 区市町村国保への国庫負担割合を計画的に復元すること
- 国保料の法廷減免制度を拡充すること
- 乳幼児医療費無料化などの独自施策を行った場合や、国保料の収納率が90%を割った場合の自治体への補助金減額の制 裁措置をやめること
- 地方交付税不交付団体である特別区に、事務費および出産 一時金の財源措置を講じること
- 保険証取り上げをやめること
- 国として「短期保険証」「資格証明書」発行の実態を調査し、是正すること。とくに区市町村が「特別の事情」のある世帯の適用除外について十分配慮するよう指導を強めること
- 保険料滞納に対する制裁措置を規定した法律条項を改めること
- 建設国保など国民健康保険組合への国庫補助を増やすこと
- 給付に傷病手当金、出産手当金を創設すること
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品川でも深刻な実体が…
品川区では、13年度国保料滞納は18715世帯に。長引く不況が原因です。左は未納者との話し合いで判明した滞納理由。
国保料滞納の主な理由(13年度品川区調査より)
- 失業のため
1690件(16.5%)
- 病気・ケガ
1312件(12.8%)
- 営業不振
1158件(11.3%)
- 生活困窮
1122件(11.0%)
- 借金等返済多額
834件(8.1%)
- 会社倒産
250件(2.4%)
- 破産のため
328件(3.2%)
*品川区は8547世帯に短期医療証、38世帯に資格証明書を発行(4月1日時点)。
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