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2004年3月21日発行 第434号 |
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住民への説明不十分で決定許されない
東京都が昨年12月、都市計画道路の次期事業計画案を発表したことは当ニュースでもお知らせしましたが、計画案は品川区内6本の道路計画に着手するもの。放射2号線は、荏原地域の住宅街の真ん中をつっきる計画なのに住民への説明が不十分なまま決定されようとしています。 事故や排気ガス… 都の計画案は、都市計画道路のなかで平成16年から平成27年の間に、どこを事業化(工事に着手)するかというもの。23区の208路線、56キロメートル余を対象とし、品川区内では放射2号線や武蔵小山〜平塚橋交差点間の補助26号線拡幅など6路線5・7キロメートル(上図参照)を事業化する計画です。ちなみに戸越・豊町・二葉を通る補助29号線は「先送り」です。 今回事業化の対象に挙げられているなかで、放射2号線は西五反田・荏原地域の住宅地に幅25メートルの道路計画(中原街道と同じ広さ)です。計画線内には現在、住宅やオフィス、工場などおよそ220棟の建物がありますが、事業化されれば立ち退きを迫られます。さらに、道路を通すことにより街を分断、地域住民に対しては、交通事故の危険の増大や大気汚染による健康の不安など重大な影響を与えることになります。 「戦災復興」計画に新たな性格づけ― そもそも都内の都市計画道路は、昭和21年に「戦災復興計画」としてつくられました。こんな計画が今、本当に必要なのか疑問です。 しかし、東京都都市計画局は、今回の計画作成にあたって、「首都東京を魅力と活力あふれる都市へと再生すべく、区部における都市計画道路全体の新たな整備方針の策定」と新たな性格付けを行い、 放射2号線も中原街道のバイパスとして、将来は中央環状高速道路品川線(山の手通りや目黒川の下を通る環状高速道路計画。平成16年着工、26年完成予定)の五反田入り口に直結させようというのです。 東京都は、一方で老人医療や寝たきり手当て廃止など福祉を後退させていますが、こんなことでいいのでしょうか。 都は、住民との合意形成に手立て尽くせ 東京都都市計画局は、計画(案)を昨年12月19日に発表し1月末で住民の意見募集を打ち切り、3月中に正式決定します。しかし、計画案は都・区の広報とホームページに掲載しただけ。こんな大事な計画を決定するのに住民への説明・意見集約の取り組みはまったく不十分です。現に、地域住民の間では計画そのものを知らない方も多いのに計画の決定など許されません。 都は、計画案の住民への説明と意見集約の取り組みにもっと時間をかけ、合意を得るための手立てを尽くすべきです。
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