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2005年5月22日発行 第485号 |
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特養ホームにホテルコスト
介護保険がスタートして丸5年。国会では政府の介護保険法「改正」案が審議されています。ところがその中味は、10月から介護度の軽い方が介護を受けられなくなったり、特養老人ホームなど施設入所の方は「ホテルコスト」の負担が必要に……心配の声が広がっています。 政府案で特養老人ホームの入所者の負担が実際どうなるか―日本共産党区議団は区内のいくつかの施設を訪問し、聞き取り調査をしてきました。 介護保険が「改正」されると、居住費と食費は保険給付から外され、あらたに「ホテルコスト(居住費用)」の徴収と食費も値上げされます。ホテルコストの額は収入によって変わり、低所得にとっては負担が減ります。しかし、厚生労働省の試算では、年金が年80万円〜266万円の方の場合、個室が月額9万5千円、2人以上の相部屋で月5万5千円。年266万円超は個室が月13万4千円、相部屋で月8万7千円としています。 私が訪問したある特別養護老人ホームは、現在の利用料が食費(1日780円)と日常生活費(同100円)を含めて月額5万5千〜6千円が平均ですが、多く方には負担が大幅に増えることになります。 この施設では全額負担することになる入所者は2〜3割と予想しています。さらに、「現在でも支払いが滞っている入所者もおり、滞納が加速するのでは」と心配。「特養の利用者には負担が増えないようにしてほしい」と述べていました。 医療必要な方が増加してるのにスタッフ配置されない!! この施設では介護保険「改正」問題でこの間、入所者家族に3回説明しましたが、家族から「負担が増えるのなら職員増やしてほしい」との声もあったといいます。利用者の立場からは負担が増えるのであれば、サービスの向上を求めたくなるのは当然です。 しかし、ホテルコストの導入によってその分施設の収入が増えるわけではありません。施設の職員は、「忙しいときには詰め所に職員が不在になることもあり、それが家族には職員体制が手薄になっていると感じるのではないか」、「自分たちも収入が増えれば職員を増やせるが、今の中で賄っていかざるを得ない」と語っています。 また、別の特養老人ホームでは、腹部に穴を開けて直接胃にチューブを挿入し栄養剤を注入する方が増えています。「医療対応の必要なケースも増え、感染対策も必要なのに、それに見合った医療スタッフが配置できていない」と、制度の問題点を指摘していました。
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