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2005年5月29日発行 第486号 |
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直下型地震 区内が危険度トップクラス 震度6強の首都直下型地震で死者1万3千人、経済被害112兆円…。中央防災会議が2月に発表した被害想定の「まとめ」はテレビ番組でも特集され区民に衝撃を与えました。日本共産党は、大規模開発でなく地震に強い街づくりこそ優先するよう求めています。
中央防災会議の首都直下型地震対策専門調査会の「最終報告」は、震度6強以上の首都直下型地震による被害想定。85万戸が全壊・消失し死者1万3千人。経済的被害は112兆円にのぼるとしています。 特に、環状7号線沿いの木造住宅の火災は1千3百件に上るとして、豊町五丁目を危険度トップにあげています。一方、東京都の危険度測定調査でも二葉三丁目と二葉四丁目、中延五丁目、旗の台四丁目が東京都全体(5700丁目)の中で危険度の10位以内にランクされています。 品川区では、現在二葉3・4丁目、豊町4・5・6丁目、西大井6丁目、東中延1・2丁目、中延2・3丁目の各地区で「街づくり協議会」を立ち上げ、計画作成を始めています。 旧耐震基準の木造住宅は2万3千件なのに予算は「診断40件と補強5件」 昨年4月から、昭和56年6月以前(旧耐震基準)に建てられた木造住宅の耐震診断に公的支援が実現。昨年度は42件が実施しました。しかし、木造住宅の耐震化をすすめるために、予算もつけて抜本的に強化すべきです。 品川区は、今年度から補強工事への融資あっ旋制度もスタートしました。しかし、内容はお粗末です。 品川区内の住宅はおよそ4万6千棟、うち昭和56年6月以前(旧耐震基準)の建物は2万2千〜3千棟です。ところが、今年度予算化したのは耐震診断が40件分、補強工事融資あっ旋が5件分だけです。 首都直下型地震はいつ来てもおかしくないといわれ、中央防災会議は「政府もバックアップして耐震化と不燃化を急ぐべき」(伊藤座長)と警鐘を鳴らしているのに、これではいつになったら耐震化できるのでしょうか。 大規模開発に税金使っている場合ですか?住宅の耐震補強こそ急ぐべき 日本共産党は阪神・淡路大震災以後、繰り返し住宅・マンションの耐震化、不燃化への公的支援を提案してきました。 第一は、補強工事への助成制度をつくることです。ある工務店の店主は、「補強工事への支援がなければ、耐震診断そのものも増えない」と指摘します。 実際、旧耐震基準(昭和56年以前に建築)の住宅に住んでいる方は高齢者が多く、改修費用の融資あっ旋制度があっても金融機関から融資を受けること自体難しいのが現状です。 第二は、マンションの耐震診断・補強工事への支援です。 区はマンションなど不燃化建物の耐震診断は不要といいますが火災と倒壊は違います。倒壊したマンションが道路を塞いで救援の妨げになった阪神大震災の教訓を生かすべきです。 第三は、高齢者・障害者世帯には家具転倒防止器具の設置を支援することです。 木造住宅の耐震補強工事にかかる費用は、柱と梁の金具での固定など「一軒せいぜい100万円くらい」(前記の工務店店主)といいます。 一方、大規模開発はどうでしょうか。大崎駅周辺ではゲートシティに111億円、オーバルコート48億円、東口第3地区128億円…など、区と都・国が一体となって開発を推進、莫大な補助金を投入しています。 大規模開発と比べ、住宅の耐震補強はわずかな金額です。今こそ「人命第一」の立場にたち、税金の使い方を切り替えて住宅の耐震化・不燃化を促進すべきです。 |