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2005年10月16日発行 第502号 |
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木耐協調査 住宅の76%が耐震「不適格」
千葉県北西部(7月)、宮城県沖と新潟県中越地方(8月)など今年も震度5強を超える地震が相次ぎました。首都直下の大地震はいつ起きてもおかしくないといわれています。私(みやざき)は本会議と決算委員会の質問で木造住宅の耐震化を緊急に取り組む三つの提案をしました。 首都直下の大地震で死者1万3千人……中央防災会議の被害想定を受け、品川区は地震に強い街づくりとして「密集住宅市街地整備促進事業」を豊町4〜6丁目、二葉3・4丁目、西大井6丁目の各地域にも拡大。併せて、木造住宅の耐震診断費用の助成(昨年度)、補強工事への融資あっ旋(今年度)と住宅の耐震化への支援を開始ました。 しかし、住宅の耐震化の取り組みはあまりに貧弱です。 品川区内には新しい耐震基準となった昭和56年6月以前の住宅がおよそ2万棟。これらは「震度7」の耐震基準を満たしていないのに、耐震診断は昨年度40件と今年度も40件、耐震補強工事への融資あっ旋は5件だけ。これで住宅の耐震化はいつになるのでしょうか。 地震で倒れないための補強に支援できない道理はありません 私が行った木造住宅の耐震化スピードアップのための提案は次の三点です。 第一は、補強工事に公的支援を実現することです。阪神大震災以降、地震などで壊れた住宅の再建だけでなく、倒れないための補強工事に公的支援をする自治体が増えています。都内でも台東区など耐震補強工事に補助制度を設けており、国や都も支援に乗り出す構えです。 第二は、耐震診断今年度40件、補強工事融資あっ旋5件という予算を抜本的に拡大することです。また、一階が駐車場などのマンションは耐震性に問題があり、耐震診断の助成対象にする必要があります。 第三は、区内住宅の耐震性を実態調査し、耐震化の方針をつくることです。 現在、日本全国の住宅4千700万戸のうち25%が「震度7」の耐震基準を満たしていないといいます。中央防災会議は今後10年間で耐震基準を満たす住宅を90%に引き上げる方針ですが、そのためには毎年10万戸から15万戸の改修、45万戸から50万戸の建て替えが必要といわれています。品川区も早急に実態調査を行い、地域ごとに方針をつくることが必要です。
補強工事への支援あれば・・・ 日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)は平成14年から3年間に52,746件の住宅を診断、うち76%が危険という結果でした。 ところが、耐震診断後の補強工事実施はわずか25%。木耐協は「耐震補強工事費用の希望と実際に差がある」と原因を指摘しています。ちなみに木耐協組合員が施行した補強工事は50万円〜100万円未満が45%、100万円〜200万円未満が32%で平均は120万円余。しかし、家主が補強工事にかける費用は、40%が50万円〜100万円未満、30%が50万円未満です。費用の支援があれば補強工事はすすみます。 広がる補強工事への補助制度 耐震補強費用の助成は、台東区が高齢者・障害者の木造住宅に50万円を上限に半額を助成。三鷹市は40万円を限度に障がい者・高齢者世帯は2分の1、その他の世帯は3分の1を助成。他に静岡県、横浜市、横須賀市などでも補助制度をもっています。 品川区は「自己責任」を強調しますが、それでは耐震化はすすみません。東京都も三宅島の住宅再建に補助を始めており、災害で壊れた住宅の再建は支援するが倒れないための予防策に支援できない道理はありません。 耐震補強は建設業者の仕事確保としても重要です。 私は、高齢者や障害者世帯への家具転倒防止器具設置の支援もあわせて提案しています。 |