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みやざき克俊 みやざき克俊ニュース 2005年11月6日発行
第504号

公的住宅
管理運営を営利企業に
指定管理者制度、業者選定など不透明


写真は、宅建管理センターに 管理委託される区民住宅「ファミーユ西品川」
家賃を集めるとなると、収入もわかっちゃう。
私たちのプライバシーは守られるのかしら…

先月終了した区議会第3回定例会に、区側から「指定管理者制度」を導入し区施設を営利企業にも委託できるようにするための条例改正が14件提案されました。住民サービスのための区施設を管理から運営まで営利企業に任せるのはたいへんな問題があります。

指定管理者制度とは、03年に地方自治法の「改正」により導入された制度。区の施設を、これまでの「業務委託」から「管理から運営」まで、しかも営利企業への委託も可能としました。

法律は、現在業務委託している施設は06年9月までに指定管理者に移行するか、自治体の直営にもどすかの選択を迫っています。これを受けて区側から議会に、きゅりあん、特養老人ホーム、高齢者住宅、児童学園などの施設に指定管理者制度を導入する提案をしてきたものです。

日本共産党は、委託先を現在の社会福祉法人などに「横滑り」する在宅サービスセンターや知的障害者生活ホームには賛成しましたが、区営住宅と区民住宅の管理運営を営利企業に委託することには反対しました。

民間でできるものは民間で」の小泉改革で政治はよくなるか?

今回の区の提案は、区営住宅と区民住宅の管理運営を椛建管理センター、潟xニーエステート、且O井不動産に委託するものです。しかし、公的住宅の管理運営を営利会社に任せることには大きな問題があります。

第一に、サービス低下、プライバシーでの心配です。

入居者の収入などプライバシーはどう保護されるのか、利益追求の営利会社では苛酷な家賃取立てはならないか…などの心配の声も寄せられています。

第二は、指定管理者選定での不透明さです。

どこに委託するか決めるのは区が設置する「選定委員会」ですが、委員はすべて区の部課長。しかも審査内容は非公開です。区民住宅は三井不動産への委託ですが、非公開では、なぜ、その企業に決まったのか―などすべて闇の中。これで区と企業の癒着・腐敗を防げるのでしょうか。

第三は、指定管理者の情報公開、議会のチェックが不十分な問題です。

公的住宅の管理運営は家賃収納から苦情処理までおこなわれます。しかし、区の答弁は「企業のノウハウまで公開できない」というものです。これでは「企業秘密」を盾にすれば情報公開どころか議会のチェックが及ばなくなるのです。部屋の修繕などで特定の業者との癒着の温床になりかねない―こうしたチェックはできるのでしょうか。

「民間でできるものは民間で」という小泉改革で政治が良くなるとは思えません。

なお、次週のニュースで「指定管理者制度」について詳しくお知らせしたいと思います。