東京地裁判決　政調費での飲食を断罪
自民党は769万円返還せよ

自民党品川区議団が政務調査費から多額の飲食費や遊興費を支出していた問題で、14日、東京地裁は｢目的外の支出｣と認定して総額約７６９万円の返還を命じる判決を下しました。政調費は区政に関する調査研究の経費に充てることが目的。判決は当然です。

自民党品川区議団が飲食に使っていた一部です。

今回の裁判は品川区民オンブズマンの会が一昨年おこなった監査請求が棄却されたため起こしました。自民党品川区議団にカラオケスナックや焼肉、回転すし、ラーメンなど３５０回にのぼる飲食費７６９万円の返還を求めるもの。判決ではこれらの支出を目的外と認定。区議会事務局長に対し自民党区議団に返還を求めるよう命じました。

自民党区議団に交付された01年度分の政調費はおよそ６千万円。そのうち７６９万円が飲食に充てられていました。なお、キャバレーやクラブでの遊興費36万円は返還しています。

　判決は、｢費用の支出については、当該会議の目的、時期、性質及び支出先の場所、性質、支出の内容、程度等からみて、当該飲食時の活動が、区政に関する調査研究又は会議として社会通念上必要なものであると認めるに足りる特段の事情が存しない限り、目的外支出に当たると認めるのが相当である｣と飲食についての判断基準を示すとともに、自民党品川区議団が利用した店舗を検証しました。

ｱ)バー・クラブ・スナック・パブは、｢女性ホステス等を交えて飲食、軽食、カラオケなどに興じる場所｣

ｲ)居酒屋・ビヤガーデンは、｢飲酒を伴う食事をし、歓談に興ずる場所｣

ｳ)割烹、懐石料理、うなぎ、しゃぶしゃぶ、すし、ふぐ、かに、そば、うどん、お好み焼きその他の和食の店は、｢高価な料理を楽しんだり、飲酒を伴う会合を行う場所｣であり、回転すし店は｢区政に関する調査研究のための会合を行うのに適切な場所といえない｣

ｴ)天ぷら、とんかつ、中華料理、韓国料理、焼肉店は｢専門の料理の食事を味わい(中略)飲酒をすることもある場所｣であり、ラーメン店は｢区政に関する調査研究のための会合を行うのに適切な場所といえない｣

ｵ)洋食レストランは、高級ホテル内のレストラン、イタリアンレストラン、ファミリーレストランであり、特にファミリーレストランは｢区政に関する調査研究のための会合を行うのに適切な場所といえない｣―と、それぞれ具体的に指摘。これら店舗での飲食について｢区政に関する調査研究又は会議の目的のために、これら店舗で飲食をする必要性及び社会通念上の相当性があったとは認めがたい｣と断罪しました。

政務調査費の使途基準、海外調査もあわせて見直せ

政務調査費は、区政の調査研究の経費として区議会の各会派に支出される公金です。それを飲食に充ててはならないという判決は当然です。

品川区議会が政調費の使途を領収書つきで全面公開したことは他に先駆けてのもので画期的でした。それだけに、自民党がこうした使い方をしていたことは非常に残念です。自民党区議団は、キャバレーやクラブでも政調費を支出していた問題が発覚した際に｢使途基準に従った｣と居直りましたが、今回の判決を受けてしっかり反省し７６９万円を返還すべきです。

　あわせて、品川区議会としても政調費の使途基準を厳しく見直すことが求められています。また、海外調査のあり方も含め議員自ら襟を正すべきです。ちなみに、日本共産党は調査に出かけた際の昼食代や区政報告会・懇談会のお茶代などに政調費を充てましたが02年度から飲食費はゼロ。海外調査は参加していません。

日本共産党は議会が政務調査費や海外調査のあり方を改善するよう全力をつくします。