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2006年7月23日発行 第539号 |
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プラスチックは燃やす…ゴミ行政後退 品川区は、7月から廃プラスチックを焼却処分する「サーマルリサイクル」をモデル実施します。これは、これまでのごみの発生抑制、再利用品の使用拡大、資源回収をすすめてきた「ゴミ行政」を大転換し、ごみ発生抑制や地球環境保全に逆行するものです。 廃プラスチック焼却は有害物質の発生、地球環境破壊を加速… 廃プラスチック焼却は、@最終処分場延命のため埋め立てを抑える、A廃プラスチックの焼却で熱エネルギーとして利用する―という都と23区長会の方針に基づくもので、プラスチック、革・ゴム製品を可燃ごみに変更して品川清掃工場で焼却、熱を回収する(サーマルリサイクル)というもの。7月から荏原1・2丁目と西五反田5・6丁目を指定してモデル実施します。 区の説明は、焼却すればごみ量は減り、熱エネルギーも活用できる…といいますが大きな問題があります。サーマルリサイクルはやめるべきです。 世界の3分の2のごみ焼却炉が日本に集中。「焼却主義」はあらためるべきです。 廃プラスチックの焼却は有害物質を発生させ地球環境破壊を加速させる問題があります。廃プラスチックに混入している塩化ビニールは、発がん性と催奇形性をもつダイオキシンを発生させます。 品川区は、品川清掃工場は高性能の炉にリニューアルして「充分に法規制値を下回った操業が可能」と説明しますが、焼却をごみ処理の柱としてきました日本には世界の焼却炉の3分の2にあたる1864基の焼却炉があります。深刻な大気汚染を拡大してきたのです。それぞれの焼却炉が基準内としてもダイオキシンの排出量の絶対量が多いのです。「何でも燃やせばよい」という「焼却主義」を改めることが必要です。 さらに、CO2など温室効果ガス排出の問題です。 品川区は廃プラスチック焼却により増加する温室効果ガスは約20・5d万と想定。一方、削減される温室効果ガスは、最終処分場から発生するメタンガスと東京電力のCO2を合わせて20万dで「0・5万dの微増」と説明します。 京都議定書ではCO2の6%削減を確認しています。地球温暖化防止は世界の課題であり、自治体としても率先して取り組むべきです。 ごみ減量のためには、企業に責任を果たさせることが必要です。 ごみ減量は、消費者と行政中心のリサイクルシステムでは限界があり、排出量そのものの抑制が必要です。そのためには繰り返し使えるリターナブル容器の普及など企業の協力は欠かせません。ドイツでは商品の設計・開発・生産など各段階でごみ排出量を減らす対策を法律で義務付けています。 日本では、企業は自らの利益を優先してごみ処理のコストを自治体と住民に押し付けてきました。しかし、ペットボトルの再利用もすすんでいないのが実情です。そうしたなかで、「プラスチックごみは燃やせばよい」となったら、企業責任を曖昧にしてしまいます。ごみの総量を減らしていくために、企業の製造者責任を明確にする必要があります。
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