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沢田英次

沢田英次(前区議会議員)

2000年10月〜2006年12月のニュースを掲載しています。

2000年11月26日発行
第903号


大問題!品川区の情報隠し
中延保育園 下痢・嘔吐
園児など49名感染
二次感染対策打たれず・猛威!

 中延保育園での下痢、嘔吐事件は、二日から八日の間に園児三十二名、家族十五名、職員二名、計四十九名が発症しました。
 品川区は検査の結果、園児や職員、食材から細菌は検出されず小型球形ウイルス(SRSV)が検出されたことから「食中毒ではなくSRSVによる感染症」と断定しました。区は「SRSVは風邪による下痢症状のようなもので責任はない」として全く謝罪をしていません。こんなこと許されるのでしょうか。

SRSV感染 6日間も伝えず
区、父母への謝罪なし!

 八日に開かれた緊急保護者会では「園からの電話で『風邪が流行っているが変わりはないか』といわれた。SRSVの感染ということと、二次感染の恐れがあるということをなぜ知らせてくれなかったのか」との質問が集中しました。保育課長は「原因がはっきりしないままに伝えると不安をあおるのであとで知らせる」と回答しています。
 区側の対応は、二日に食中毒症状が発生して以来、「svsrによる感染」の文書掲示は七日、「二次感染対策」が説明されたのが八日の保護者会、最初の発症から六日目もたっていました。この間、保育園、家庭にSRSVの感染が広がったのです。
 実は今年一月に保健所が「冬季のウイルス性食中毒の発生予防について」との文書を全保育園に配っていました。そこには、食品を介しての二次感染も考えられ加熱調理、調理に関しての手指の洗浄など、四項目に渡って注意を呼びかけています。
 保健所の指示文書を守ろうともせず、父母に情報を隠し、二次感染対策をとらなかったことは、区の責任であり、いまだに謝罪しない区の姿勢にはあきれるばかりです。

台東区…二回の家庭訪問
三日後には発症ゼロに

 台東区でも谷中保育園で十月二十日、食中毒症状が発生、三十名からSRSVが検出されました。品川とは違い、三日間で発生を食い止め、二次感染を完全に防止しています。
 台東区は、発症した翌日から二回にわたり全家庭を訪問。翌日、助役・関係部課長による緊急幹部会で対策を協議しています。
 品川区の姿勢に保育関係者の間に不信が募るのも当然です。

台東区、品川区対応の比較
  全戸家庭訪問 発症数 二次感染 体制
台東区(谷中保育園) 2回 30名 なし 助役をトップに緊急幹部会
品川区(中延保育園) なし、電話のみ 49名 26名(4日以降) 保育課、保健所衛生課が個別に
*二次感染は潜伏期間48時間とし4日以降の発症をカウント。