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沢田英次(前区議会議員)2000年10月〜2006年12月のニュースを掲載しています。 |
2004年4月18日発行 第1060号 |
日野中学校、新入生半減! 4月12日の文教委員会で学校ごとの新一年生の入学状況が報告されました。日野中学校は一年生が46人、2年前と比べ3分の1に激減していることがわかりました。小中一貫校は子ども父母からソッポを向かれた格好になっています。 子どもと親に不安広がる 下の表をご覧ください。日野中の新一年生は46人、昨年の80人と比べてほぼ半減。一昨年の138人と比べると3分の1に減少しています。この背景には、2006年開校予定の小中一貫校(第二日野小学校に建設中)計画があります。 父母からは「一貫校は日野中より1.5kmも遠くなる」「2年間も工事による仮校舎では子どもがかわいそう」「エリート教育には反対」などの声が出されており、荏原第一中学校などを選んだものと思われます。 品川区は、小中一貫校を2年前、朝日新聞が報ずるまでは、PTAや教職員などに何の説明もしませんでした。 日野中や学区域内の小学校PTAなど関係者が3500人の署名を添えて「日野中移転計画見直し」の陳情を提出したのに高橋区長はも耳を貸しませんでした。 2004年度・生徒数
一貫校建設費 百億円は本当だった! 4月8・9日、第1回臨時議会が開かれましたが、小中一貫校の建設工事請負契約の議案が審議されました。自民、公明、区民連合(民主)、無所属の会、ネットの賛成で可決されました。
私は 昨年、一貫校建設で区側は教職員組合との交渉の場で「建設には百億円かかる」と説明。ところが。私が「特定の学校を優遇することは教育の平等に反する」と追求すると、そんなこと言わない」と否定、大論争となりました。ところが今回の契約で建設工事費72億円、用地買収費28億円となり合わせて百万円となることが判明。関係者には知らせず、議会にはウソをつき通す…これが品川区、教育委員会の実態です。(反対討論の概要は下記を参照) 小中一貫校は学力の遅れなど取り返しにつかない事態となる危険が 沢田英次 私は小中一貫校一貫校計画が、 第3は、小中一貫校の計画そのものの問題点です。一貫校計画は子どもたちの学力の遅れ、学力格差の拡大、不登校など取り返しのつかない事態を引き起こす可能性がある、という問題です。 2000年にOECD(経済協力開発機構)が行った国際学力テストの結果を紹介します。このテストは読解力、数学、科学リテラシーで15歳を対称に32カ国、12万人が受けました。21世紀に身に付けるべき生きる力、多様な能力、応用力をテストしたものです。 結果は1位、フィンランド、2位、カナダ、3位ニュージーランド、日本は8位でした。これらの上位8位の国はいずれも能力別に学校や、クラスを選別するトラッキング教育を中止した国で占められました。 一方、大方の予想を覆しドイツは21番、中位以下でした。 ドイツは小学校4年のテストにより中等教育をエリートコース、技術コース、それ以下のコースに三分しトラッキングを推進しています。トラッキング実施国、スイス、オーストリアも中位およびそれ以下、「トラッキングの敗北」とされる所以です。 アメリカ、ヨーロッパなど大半の国が、1960年代から80年代にかけてトラッキングを中止、少人数学級をベースにできる子、「できない子」共に学ぶ平等、共生の教育に移行しています。 昨年7月、小中一貫校の特区申請で高橋区長は「5〜9年生で行うステップアップ学習」について次のように述べております。 「個々の興味関心に応じて、特定分野の優れた能力や学ぼうとする力を伸ばすことが目的とあげ、異学年の学習集団編成、習熟度別学習や課題別学習など多様な学習形態、さらに9年生においては上級学校の学習内容も視野に入れる」としています。これは紛れもないトラッキングでありエリート教育といわなければなりません。 習熟度別学習もトラッキングの1つですが、低い学力クラスに編成された子どもが屈辱感などから不登校など、問題行動の契機になることは十分予想できることであります。大変心配されます。 先日、NHKは、フィンランドが国際学力テストで第一位となったことを放映しましたが、少人数学級で様々な学力の子が一諸に学ぶ平等教育のすばらしさを映し出していました。 品川区は一貫校を各地区に5校、他の学校に一貫校教育を全区展開するとしています。 私は、世界の教育の実践、教育研究の成果を謙虚に学ぶべきであり、一生に一度しかない学びの時代、子どもたちをマスコミ受けや実験台にするようなことがあってはならない、ことを指摘します。 以上三つの点から一貫校新築工事にかかわる請負契約に反対をするものです。 |