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沢田英次(前区議会議員)2000年10月〜2006年12月のニュースを掲載しています。 |
2006年1月15日発行 第1130号 |
無防備平和条例、臨時議会(17〜19日)で審議 前号でお知らせした無防備平和条例(案)の審議が1月17〜19日の臨時区議会でおこなわれます。 日本共産党は、住民の直接請求による条例案が決定されるよう全力をつくします。 赤十字国際委員会は「自治体当局も宣言できる 」と説明 条例制定の直接請求に対し高橋区長は「国の見解では『当該地域の防衛は国においておこなわれるべきであり、地方公共団体が無防備地域の宣言をおこなうことはできない』としており条例制定に反対する」との意見を添えています。 同条例のベースとなったジュネーブ条約追加第一議定書59条は「紛争当事国の適当な当局が管轄する地域を無防備地域とすることができる」としていますが、大事なことは政府といわず「適当な当局」としている点です。赤十字国際委員会は「適当な当局の中には、自治体当局が含まれている」と追加議定書について説明しています。地方自治体が無防備平和地域を宣言できることは明瞭です。 条約は国際間の取り決めであり、制定時にどのような議論のもとで制定されたかが大事。追加議定書を提案した赤十字国際委員会の説明より、政府の主張を鵜呑み、住民の請求を門前払いをするなどということは許せません。 「区長準公選」政府の妨害を抗して実現 品川区では1970年初頭に区長準公選運動が高揚。1972年に準公選条例を制定しました。議会が区長を選ぶ方式から区民投票を尊重して議会が決める、実質区長公選が実現しました。 この運動は住民の運動と共同して進められ、政府「地方自治法違反」の圧力をはねのけ、区長公選制の法改正を実現する輝かしい成果を収めました。地方自治体は政府の下部組織ではありません。 区長の態度は、品川の自治権拡充運動の教訓を理解しないものであり、地方自治に背を向ける態度といわなければなりません。
ジュネーブ条約とは ジュネーブ条約とは、戦争(武力紛争)に際し、戦闘行為に参加しない民間人や、戦闘行為ができなくなった人びと(捕虜、傷病者など)の保護を目的としてつくられた条約のことです。 1864年、スイスのジュネーブで、16カ国の外交会議が開かれ、戦地における戦傷病兵の救護及びその救護者の中立性保護を規定した条約を結んだのが始まりで、以来、いくつもの条約がつくられ、国際赤十字の結成と活動を基礎づけました。 現在は、1949年になって締結された4つの条約 (1)戦地にある軍隊の傷者等の改善に関する条約、 1977年、この4条約を補完する二つの議定書が結ばれました。 ジュネーブ条約がつくられたのは、戦争が一般住民をも巻き込んで拡大し、かつ戦闘員を殺傷する手段も発達するなかで、武力紛争の最中であっても、人道をふみはずす行為は許されないという世論が高まったからです。 現在、アメリカによるイラク人への虐待が問題になっていますが、条約は、捕虜の人道的扱いを定め、健康に重大な危険を及ぼす行為、捕虜から情報を得るために拷問などの強制を加える行為などを禁止し、捕虜を公衆の好奇心から保護すべきことも規定しています。アメリカの行為は明白なジュネーブ条約違反です。 ジュネーブ条約は、どんな国でも守るべき人道上のルールを定めていることから、世界のほぼすべて、日本をふくめ190カ国が批准しています。77年の2つの議定書も約160カ国が批准、今国会にこの二つの議定書の批准案件が提出され、すでに衆議院では全会一致で可決しました。 (2004年5月「しんぶん赤旗」より) 区長の意見 本条例案の中心となる無防備地域宣言につきましては、ジュネーブ条約第一追加議定書59条を根拠に「戦時下において、敵対する紛争当事国による占領に対して開放する特別な保護の下にある地域」として宣言するものでありますが、この宣言は「適当な当局」がおこなうこととされております。この無防備地域宣言をすることができる「適当な当局」に関する国の見解は、当該地域の防衛に責任を有する当局、すなわち我が国においては、国においておこなわれるべきものであり、地方公共団体がこの条約の無防備宣言をおこなうことができない」というものであり、さらに総理大臣は国会での答弁において「たとえ特定の都市が無防備地域の宣言をしたとしても、それは第一追加議定書に規定されている宣言には当たらない」と明言しております。 したがいまして、本条例案は、普通地方公共団体はその権限に属する事務に関して条例を制定することができると定められた地方自治法第14条第1項の規定に抵触するものであり、仮に無防備地域宣言をおこなったとしても実質的な効力を有しないことから、本条例案による条例制定について反対するものであります。 |