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沢田英次

沢田英次(前区議会議員)

2000年10月〜2006年12月のニュースを掲載しています。

2006年7月23日発行
第1153号


八潮南中「入学者ゼロ」が引き金
八潮の5校を統廃合!学校選択性の再検討を

今年4月の八潮南中の入学者はゼロとなりましたが、区教育委員会は「父母の希望が多い」との理由で八潮の3小学校と2中学校を小中一貫校に統合する方針です。学校選択制が導入されて6年目になりますがいきつく先は統廃合、あらためて学校選択制の是非が問われています。

背景に学力テスト成績公開、小中一貫校など競争主義教育が


八潮南中の校舎

八潮には八潮北、八潮、八潮南の3小学校、八潮、八潮南の2中学校があります。南中は一昨年は23人、昨年は9人の入学者がありましたが今年はゼロに。南中の学区には住民基本台帳上34名の生徒がありながら、他の学校を希望しました。

  区教委は「選択性は学校統廃合を目指すものではない」と繰り返してきましたが、学校の間子ども獲得競争を激化。

  区教委は教育計画「プラン21」で学力テスト実施と公開、外部員評価制度、小中一貫教育、習熟度別学習の全校実施など子どもたちを競い合わせ、学校同士で競争をさせてきました。その結果、学力の高い学校に集中、荒れている学校や小規模校は敬遠され限界点を超えると南中のように雪崩を打って他校に流れる事態を作り出しました。

  今回の事態は、競争主義教育の弊害を象徴するものであり八潮にとどまらないことを忘れてはなりません。今年、八潮以外の小学一年では20人以下のクラスが鮫浜、杜松、中延の3校あり、入学ゼロ、統廃合が心配される地域があるからです。

フィンランドに学ぶべきでは

世界の教育研究と実践は、競争は学力向上にも人格形成にも有益でない、とされています。2000年と2003年におこなわれたOECDがおこなった国際学力テストではフィンランドが平均点でも学力格差が小さい点でもダントツ一位になりました。

  「競争やめたら学力世界一」(朝日新聞社)の著者、福田誠二都留文科大教授は「フィンランドでは1985年、国を挙げて習熟度別編成授業を中止した。『できる子』にとって取り立ててよい影響を与えず『できない子』になんらプラスにならない、と統合学級(異質生徒集団)方式に取り替えたのである」としています。フィンランドの教育に学ぶべきで歯ないでしょうか。