「統廃合になるのでは」など不安が広がる
エリート教育めざす小中一貫校
品川区は十分な説明と住民合意の努力を
品川区は、2006年度開校をめざして「小中一貫校」計画をすすめています。今年度、基本計画を策定するために2000万円の予算を計上しました。
地元では「学校が統廃合になるのではないか」「他の小学校を卒業したら、一貫校の中学校に入れないのではないか」など不安が大きく広がっています。
品川区がすすめる小中一貫校とはどういうものでしょうか?
場所は現在の第二日野小学校(東五反田2)。そこに西五反田6丁目にある日野中を移設し、一体化するとしています。今後、小中9年間の一貫教育のための独自のカリキュラムを検討すると言います。
若月教育長は「論座」で「小学校の学習を5年で終われる子には中学校の先取りといったものを少しづつさせていくことはできる」と小中一貫校がエリート教育をめざしたものであることを述べています。
近隣の小学校では統廃 合の不安も
一貫校計画は様々な問題が明らかになってきました。
第1は一貫校は現在の日野中から直線で1km以上も遠くなり、幹線道路をいくつも越えていかなければなりません。
第2は、区は「一貫校は全区的に募集する」としており、日野中の学区域の子どもが一貫校を希望しても抽選で入れないこともある。
第3は一貫校のため中学校の募集はしないか、したとしても少数のため中学校からの入学が困難。結局一貫校を選ばなかった子どもたちは荏原一中や城南中に行かざるを得なくなるのではの不安
第4に第一日野・第二日野小の子どもが減少し、統廃合になるのではの不安などです。
十分な説明と住民合意 の努力を
こんなに重大な問題なのに、品川区は計画決定前にPTA、学校、地域に事前の説明を行いませんでした。
計画発表後、PTAなどの要請で説明会を開いてきましたが、肝心の疑問や不安に対しては「今後検討する」と明らかにしません。区は今後、地元や親、教職員など関係者に十分な説明を行うとともに、住民合意のために誠実に対応するべきだと思います。
30人学級こそ父母の願い
不登校や学級崩壊、いじめ、学力の低下など子どもたちを取り巻く問題は深刻です。親の願いはどの子にも行き届いた教育です。そのためには一部のエリート教育ではなく、少人数、30人学級こそ求められているのではないでしょうか。品川区で30人学級にするには110クラス増、必要な予算は8億8000万円です。今年度すでに16道府県が少人数学級に向けて取り組みを始めています。
区は一貫校を、数十億円かけてデラックス校を作るとしています。税金の使い方がこの問題でも問われています。
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