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鈴木ひろ子

こんにちは鈴木ひろ子です。

2003年7月27日発行
第196号

suzuki@jcp-shinagawa.com

無料 法律・生活相談会
日時:2024年5月29日(水)17:30~
会場:鈴木ひろ子事務所 中延2-11-7 3783-8833
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某大学病院に「しんぶん赤旗」もって交渉
差額ベッド代36万円戻る

「助かった!」と喜びの声が…

 某大学病院に入院しているAさんは、治療のために1日3万円の個室に入りました。自分で交渉しても「まけることはできない」と言われた個室料が、6月15日付け「しんぶん赤旗日曜版」の特集記事「知らないと損 差額ベッド料、こんな場合は払わないで済みます」の記事を同室の患者さんから見せられ、赤線を引いた「しんぶん赤旗」をもって某大学病院と交渉した結果、36万円が戻ってくることになりました。

 Aさんは、治療のために白血球が少なくなってしまい、感染を予防するために個室に7日間入りました。個室代は1日3万円といわれたそうです。

 1ヶ月半前にも同様の状態になり個室に十日間入りました。Aさんは医事課に「自分が選んで個室に入るわけではない。治療上必要で入るのだから、個室代はまけてほしい」と交渉。3万円の個室代が1万5000円になり、10日間で15万円を支払いました。

 今回も全く同じ状態で入るためドクターからは「部屋代は1万5000円になると思います」と説明を受けていました。しかし実際は「前回まけたけれども、今回は2回目なのでもうまけるわけにはいかない」と個室代3万円と書いた同意書にサインをさせられました。

 Aさんと同じ病室に入院している私の知人である赤旗読者のYさんは、Aさんから差額ベッドの話を聞いていたので、赤旗の記事を読み早速赤線を引いてAさんに渡しました。

 Aさんは「しんぶん赤旗」をもって「ここに書かれている、差額ベッドを請求できないAの『治療上の必要で移したとき』にあたるのではないか」と再度交渉。某大学病院は「おっしゃるとおりです。今回の差額ベッド代は請求しません。前にお支払いいただいた15万円もお返しいたします」と回答。合計36万円の差額ベッド代を支払わずに済みました。Aさんは「おかげで助かりました」と喜んでいます。

差額ベッド料
どんな時に払わないで済むのでしょうか

 「しんぶん赤旗」では、厚生労働省が差額ベッド料金を請求できないとしている基準について以下のように説明しています。

1.同意書によって、患者さんに確認をとっていないとき(室料が書いていない、患者さん の署名がないなど記入が不備な場合も含む)。

2.「治療上の必要」で移したとき。
 例えば
・救急患者、術後患者などで病 状が重篤なために安静を必要とする人、又は常に監視が必要で、適時適切な看護や介護を必要とする人。
・免疫力が低下して、感染症にかかるおそれのある人。
・集中治療の実施、著しい身体的・精神的苦痛を緩和する必 要のある終末期の人。
 これらの場合は、仮に同意書を出していたとしても払う必要はありません。

3.病棟管理などの必要から、患者の選択でなく移したとき。

国の医療制度改悪で
患者にツケをまわすもの

 差額ベッド料は1984年の健保改悪で正式に認められたものです。政府は80年代から国庫負担を減らし、患者負担を増やし、病院への診療報酬を抑えてきました。病院の経営が大変になる中で差額ベッドが増えています。国の基準も次々と緩和され、現在はベッド数の上限を5割までに拡大、個室と2人部屋に限定していたものを4人部屋まで可能としています。

 「差額ベッド代が払えない」悲痛な訴えがたくさん寄せられます。差額ベッド料を取らなくても経営が成り立つ医療制度に改善し、差額ベッドはなくすべきではないでしょうか。