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いいぬま雅子区議 品川区2012年度予算に対する意見表明

2012.03.19. いいぬま 雅子 区議

日本共産党品川区議団を代表して意見表明を行いました。

2012年度の一般会計および国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険の各特別会計について反対します。以下、理由をのべます。
新年度予算編成は、政府が「社会保障と税の一体改革」の名のもと、国民に社会保障の削減と消費税の大増税を進めようとする中、また東日本大震災後、防災対策の強化が求められる中で行われました。長引く不況、収入減、年金減、貧困と格差が広がっている時だからこそ、区民の命と暮らし守る予算を求めました。しかし予算審査の中では、受益者負担、自己責任、財政効率を最優先し、区民要望に応えようとしない品川区の姿勢が浮き彫りになりました。以下6点指摘します。

第1は防災とまちづくりの問題です。

自治体が真っ先に取り組むべき予防対策が不十分なまま、自助、共助が強調され公助が矮小化されています。火災危険度調査ワースト100に20丁目が入るという全都でも最も火災危険度の高い品川がまず取り組むべきは、住宅を倒さない燃やさない対策です。住宅の耐震化・不燃化、家具転倒防止に全力を挙げ、命と財産を守る予防対策を第一に転換すべきです。防災の観点からも木造アパート居住者のために区営住宅増設が急務です。区営住宅4戸の募集に対し希望者は374人、94倍もの倍率を見ても、増設は喫緊の課題です。

一方、ゼネコン・大企業のための大規模開発に38億円を予算化し、大崎、大井町、目黒、五反田、武蔵小山、品川駅南地域など計画が目白押し。武蔵小山では住民の願いとはかけ離れた140m超高層ビルの街づくりが誘導されています。合わせて、防災対策として、29号線31号線道路計画が浮上。人と車を呼び込む一極集中、過密なまちづくりを、防災まちづくりの手段とする品川区の考えは間違いです。

第2に、放射能対策です。

給食食材の放射性物質検査の拡充、測定器の貸出など一定前進したものの、区内ホットスポットの継続測定、除染の計画はありません。福島原発事故により大気中、海水に放出された放射能は莫大であり、今後様々なルートで人体に影響を及ぼします。区民の要求にこたえ、保健センターなどで持ち込み食材の放射性物質検査、健康診査など新たな取り組みも含め、長期的な測定を行い、区民の健康と命を守る監視が必要です。

第3は、福祉の問題です。

国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険の保険料は、トリプル値上げとなります。国保は、年収300万円、4人家族モデルで、22年度19万4,140円から25年度には34万7,841円3年間で1.8倍増に。後期高齢者医療は、年間一人当たり8,731円の値上げ。介護保険は基準額が月3,900円から4,700円へ800円の値上げ。国民の所得も年金も下がっているなかでの値上げは耐えられません。国保料滞納により保険証取り上げ、医療が受けられず命が守れない事態が広がります。

特養ホーム増設は、八潮に続き、杜松小学校跡、平塚橋会館の計画が具体化され歓迎します。しかし待機者は519人。希望者の1割しか入れません。特養ホーム・老健施設も合わせて、必要数の増設は急務です。具体的な計画を一刻も早く示すべきです。

保育園待機児童対策では、私立認可保育園6園増設は評価するものの、今年4月も1次分で500人、2次分で暫定値ですが478人が認可保育園への入園通知をもらえませんでした。昨年よりも待機児童が増えてしまった事実が、民間頼み、保育ママ制度活用など品川区の対策では、待機児童は解消しないことを明らかにしました。新たに区立認可保育園増設に踏み出すべきです。障害者の雇用の拡充、エスコートゾーンの設置、磁気ループの既存施設への設置も急務です。

第4に教育の問題です。

学校選択制では、希望校に入学できない子が小中学校合わせて80人。行き先が決まるまで不安な毎日を過ごし、希望がかなわなかった子どもたちは傷ついています。学校選択制と小中一貫校は、過大校と過少校を生みだし学校間格差を助長し、学校と家庭と地域を分断し、地域のつながりと教育力を弱めています。区教委の「学校選択制のデメリットはない。子どもを傷つけていない。」の姿勢はあまりにも不誠実です。学校選択制は見直すべきです。

また、豊葉の杜学園建設の見直し求めてきました。2つの小学校、2つの中学校、幼稚園、保育園、地域センターの7施設合築の問題点、災害時避難経路や避難場所となる校庭の狭さなど、改善されないままの建設は大問題です。

他に、奨学金制度の改悪は経済的支援の願いに逆行します。

柔道必修化について、事故予防を取り上げましたが、指導者研修、安全対策など抜本的対策ぬきの拙速な実施はやめるべきです。

第5に、中小企業対策です。

中小企業予算は制度融資の一定拡充はあるものの、予算額は前年並みの2%にとどまっています。ものづくりの街品川です。固定費補助など中小企業の支援を厚くし苦境を乗り越える支援を強く求めます。経済的効果を上げていた住宅リフォーム制度は元に戻すべきです。また消費税大増税は区民、区内産業に計り知れない打撃を与えます。反対の表明をすべきです。

第6に、行革の問題です。

区民保養所廃止、学校給食の完全委託、更なる行革推進を表明していますが、生活保護受給者が急増する中、職員は10名も不足のまま。精神保健の充実が求められながら保健師の不足も続いています。災害時、公共施設の充実と職員配置が命を守ることに直結することは、大震災の教訓でもあります。

必要な職員を配置せず、非正規労働者に置き換える品川の行革は、ワーキングプワを大量に生み出し、日本経済を悪化させます。区の行革には反対します。基金の新たなため込みはやめ、区民のために使うことを求め意見表明を終わります。 

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