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鈴木ひろ子区議 2012年度予算委員会総括質問

2012.03.19 鈴木 ひろ子 区議

2012年度予算委員会(2012年3月19日)で日本共産党区議団を代表して鈴木ひろ子区議が総括質問を行いました、内容は次の通りです

質問項目 防災問題、災害を未然に防ぐ予防対策、特に木造住宅密集地域の対策について

鈴木ひろ子区議

日本共産党を代表して中塚委員とともに総括質問を行います。

私は防災問題、災害を未然に防ぐ予防対策、特に木造密集地域の対策について伺います。

初めに、木造密集地域の現状と対策の到達について伺います。阪神・淡路大震災、神戸市内の犠牲者の83.3%が建物倒壊、12.8%が焼死と言われています。木造密集地域の区民の命と財産を守るためには、倒れない建物、燃えないまちづくりが緊急の課題です。

そこで質問します。まず初めは、品川区の木造密集地域の危険性について、倒壊危険度、火災危険度、総合危険度がどうなっているのか。木造密集地域の危険性について区がどう認識しているのかをお聞かせください。

2つ目には、減災の目標を10年間で住宅の倒壊による死者の半減、火災による死者の半減、住宅の倒壊や火災による避難者の3割減と立てていますけれども、5年たった現在、減災の目標に対する到達がどこまで来ているのかを伺います。

3つ目に、減災の対策として具体的に挙げている中から、木造密集地域の耐震化と不燃化についてお聞きします。建物の耐震化はいつからいつまでに何棟耐震化する目標なのか。これまでの実績もあわせて伺います。木造住宅密集地域の不燃化について、目標と実績がどうなっているのかをお聞かせください。今後耐震化と不燃化を進めていくためには、何が課題と考えているのかについてもお聞きします。

防災まちづくり事業部長

まず木造密集地域の現状等についてのご質問でございますけれども、特に木造密集地においては、平成19年に策定した耐震改修促進計画の中でも、区内の、平成19年度の数値でけれども、区内の住宅、約5万7,000棟のうちの約7割が木造住宅。その約7割のうちのさらに約7割が整備地域に、いわゆる密集地域に入っている状況で、区としての認識についても、やはり古い木造住宅が多いという中で、耐震性の問題、あるいは防災、火災の延焼の危険性、こういう状況について認識している状況でございます。危険度ということで、5ランクに分けて、それぞれ建物倒壊、火災、総合危険度といった考え方で、データを出しています。特に建物倒壊危険度については、二葉地区を中心に、2町丁目がランク5の位置づけがなされている。あるいは、ランク4については9町丁目がある。火災危険度についてもトータル130の町丁目のうち、すべて58町丁目がランク4、ランク5のかなり危険な位置づけがなされている。総合危険度においても、同じ130丁目のうちランク5が4丁目、ランク4が29丁目ですから、33丁目がかなり木造密集地域における、火災危険度および建物の耐震性の課題ということで、重要な喫緊の課題と考えてございます。

特に促進計画の中では、当時平成27年度を目標として、減災という考え方で、被害を半減させるといった考え方をしてまいりました。特に木造住宅については、耐震化率がたしか54.4%という現状の中で、年間たしか1,100棟、自然更新とは別に、耐震化改修を進めなきやいけないという現状でございました。

ただ、現実的な実績の中では、なかなか年間、区内全体の中でも1,000棟弱ぐらいが建てかえが進んでございますけれども、特に密集地については、54%ですので、数%ぐらいの改善の状況なのかなと。ただ、具体的な細かいところは、平成24年度に促進計画の見直しを行う予定でございます。その中で具体的な耐震化の状況についてもー応把握していきたいと考えております。

耐震化とあわせて、整備地域を対象として、密集事業ということで、建物の建てかえに際しての助成等、地域を限定した中で進めてございます。その目標についても、例を挙げれば、二葉3,4丁目等の火災危険度の高いところでは、平成17年からの事業でございましたけれども、当初46.3%という中で建てかえが進み48%強と改善が進んできている状況でございます。

このような状況の中で、さまざまな角度から命を守る施策を含めて、新たな事業の展開、今回木密特区というような考え方も出されてきていますので、いろんな東京都の制度、あるいは国の制度を活用して、地域の改善を目指していきたいと考えているところでございます。

鈴木ひろ子区議

耐震化については、平成27年までということですが、平成19年度から平成27年度までの9年間で、何棟の目標に対して現在何棟まで進んだのかという具体的な数字をお示しいただきたいと思います。それと、耐震化と不燃化を進めていくためには何が課題と考えているか、この答弁が先ほどありませんでしたのでお願いします。

防災まちづくり事業部長

答弁が漏れて申しわけございませんでした。特に耐震化では、耐震診断については平成16年から事業を開始したという経過がございます。建物の補強と建てかえ等への支援等については、平成18年から事業を進めてきました。これまでの実績としては、改修、あるいは建てかえ、それと昨年から着手しました除却への支援ということも含めて、現時点でトータル161棟といった件数の成果が上がってきてございます。

今後の進め方でございますけれども、先ほどもちょっとご答弁申し上げましたように、やはり区のほうとしては、それぞれ密集事業、あるいは防災生活圏事業等の国の制度を活用すると同時に、今回、東京都のほうが遅々として進まない木造プロジェクトということを含めて、10年プロジェクトということを、制度を策定してきてございます。そういう制度とあわせて総合的に進める必要があるということで、現在予定しているのが、例えば密集地域、あるいは整備地域内を通る都計道、まあ、20m以上の都市計画道路等の整備による延焼遮断帯を進めていきたいという考え方とか、あわせて、周辺の地区計画をかけるとか、そういう中で一定のインセンティブを与えながら、延焼遮断帯をまちづくりとして形成していくといった考え方、そういうものをセット論として区としては防災対策を、特に密集地について進めていきたい。あるいは、それとあわせて、ソフト的なところも、当然ハードが進まないところを含めて、初期消火とか、火災の発生を防ぐというようなソフトの対策も行ってまいります。

鈴木ひろ子区議

耐震化に対しては、除却とかも含めて161棟ということだったんですが、年間1,100棟ということで、9年間で9,800棟の目標を立てている中で、161棟ということですと、わずか3%の実績です。もう既に9年間のうち5年間、半分以上過ぎている中で、3%という実績ということは本当に驚くべき到達だと思うんですけど、この到達に対して区としてどう考えているのか。また、なぜ進まないのか。その理由と、耐震化を今後どのように進めていこうと考えているのかについてもお聞かせください。

防災まちづくり事業部長

まず到達に対してどう受けとめるかという話でございますけれども、確かにこれまで進めてきた中で、数%の実績という状況の中では、かなり厳しい状況でございます。これまでの普及啓発、区のほうとしても、個別訪問を行ってきたりしてまいりましたけれども、住民の方の意識、もう一つは、自分のこととして意識していただきながら、まちづくりを進めていくということが必要だと思っております。それにきちっとこたえられるだけのメニューを区としても考えていかなきやいけないと考えております。

鈴木ひろ子区議

今部長のほうからも区民の意識が大事だということでお話ありましたけど、私もそれが本当に大事だと思います。そこから出発するんだと思うんですね。それで、耐震診断、耐震化、不燃化、ここに足を踏み出すことができるまでには、私は巨大地震が来たらどうなるのかと、その危険性についてまず区民がイメージができるということがまず第一に必要なのではないかと思うんですね。それとあわせて、その危険性をどうしたら取り除くことができるのか、その対策、そしてそのために品川区がどういう助成制度をつくっているのかということについて、私は知らない人がいないというくらいまで、多くの人が情報として持つことがまず大前提になると思うんですけど、区はそういう認識についてはどのように考えられているかについて伺います。

そして、私はその情報を徹底して区民に知らせるということが区の役割ではないかと思います。その上で、区がこの情報を徹底して区民に知らせるという、この立場で啓発の取り組みをどのようにしていくのかということについても具体的にお聞かせいただきたいと思います。

防災まちづくり事業部長

確かに委員おっしゃるように、区として持ち得る情報を区民に知らせていくということは大事なことと考えております。過去においても、木造密集地を対象にして、個別訪問を行って、区の制度、これを周知してきた経過がございます。周知を行った段階ではかなり問い合わせとか件数が伸び たというところもありますけれども、残念ながら、それがある程度時間がたってしまうと、なかなか意識としての問題が薄れてしまう。今回3.11を含めて、かなりの区民としての意識が高まってきていると私は思っております。そういう中で、区としても情報啓発、あわせて、区として支援策を用意しているものに対して、きちっと区民に知らせていきたい。

もうーつ、今回の地震を含めて、万が一そういう大きな地震があったときに、どういう状況になるのかという、区民としての、やっぱり我がこととしての意識を持つことが一番大事だと考えますので、そういうところを掘り起こしながら、きちっと支援を進めていきたいと、このように考えている状況でございます。

鈴木ひろ子区議

これは火災危険度マップです(パネルを示して)。木造密集地域はほとんどのところが危険度4と5という状況になっています。理事者の方にとっても、また議員にとっても、これは何度か見ているマップだと思いますけれども、私はこのマップが木造密集地域の方にどれだけ自分のまちの、町会の危険度がどうなっているのかということが知られているのかと思うんですね。このことを知らせていくということが本当に大事なんじやないかと思っています。

(パネル2を示して)次は、これは火災危険度の上位の10丁目の中に、品川区が5丁目入っているという表です。全都5,099の丁目の中で、上位10丁目の中に5丁目入っています。

(パネル3を示して)こちらは上位100丁目の中に品川区の丁目がどれくらい入っているかというのを表にしたんですけれども、品川区の丁目が20丁目入っているんですね。そして、それは23区の中でも断トツトップの火災危険度が高い丁目の多い区が品川区だということです。

(パネル4を示して)それともうーつ、これは全焼する棟数ということで、上位10丁目の中に品川の丁目が4丁目入っています。上位100丁目の中に、品川区が14丁目が入っているということで、これも品川区が全都で1位なんですよね。全焼する棟数がこれだけ高いということで、私は火災危険度が本当に全都の中でも最も高いというのが品川区の状況だということをみんなが認識することが大事だと思います。これを打開する啓発活動が重要だと思っています。そのためには、私は、1つは、広報でぜひこのマップを、火災危険度、倒壊危険度、総合危険度のマップを広報で示していただきたいと思うんですね。繰り返し私は示していただきたい。そして、と同時に、これに対してどういうふうな対策があるのかということも同時に示していただいて、区の助成制度も繰り返して知らせていただくということをしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

それともうーつは、説明会の徹底。町会ごとはもちろん、番地ごとぐらいに説明会をしていただきたいと思うんですけれどもいかがでしょうか。

防災まちづくり事業部長

お示しのありました危険度マップ、広報で示してほしいというお話でございますけれども、私どもまちづくりを進めている中で、逆に今、地域の中に入っていきますので、木造地域の皆様はこういう状況については百も承知といいましょうか、十分熟知しているということで認識してございます。

それとあわせて、マップということでございますけれども、東京都の調査の中で調べられたもので、東京都のホームページにもきちっと掲載されてございますので、そういうものを機会あるごとに区のほうとしても、防災フェアとか、そういうところに掲示したりしながら、お示ししてきているところでございますし、先ほど申し上げましたように、過去においても、戸別訪問を行うときに、そういうことを示しながら、区として、こういうメニューもありますよというような対応を行ってきたところでございます。あえてまたすることについては、当然繰り返しの対応は検討していきたいと思っております。

ちょっと補足答弁でございますけれども、これからまた、平成20年に作成したわが家の防災ハンドブックの中にも、危険度のところはきちっと示してございますので、改めて平成24年度に全戸配布をする予定の中にも、当然それを入れ込んでいくという状況で考えております。

説明会ということでございましたけれども、一応これまでもそれぞれの各地域の中で行ってきておりますし、いろんな機会の中で、建築関係団体も協力している中で、そういう紹介をこれまでも行っている状況でございます。

鈴木ひろ子区議

私はそういう姿勢だから3%にしか進まないという実態になっていると思うんですね。徹底して区民にこういう情報を提供してほしい。そして対策もあわせて提供してほしい。これは強く求めておきたいと思います。

そして私は、次に、耐震化と不燃化、これを一体で進めることが本当に大事だと思います。耐震化については、今までも、耐震診断の無料化、それから、耐震診断の体制整備、そして耐震化への助成増額ということは求めてきましたけれども、これも改めて求めたいと思います。

それと同時に、燃えないまちをどうつくるか。これが本当に大事だと思います。品川区では48軒の出火が1日後には1万1,870軒に、250倍に燃え広がるという想定をしていますけれども、48軒の出火原因はどういうところと考えているのか。そして、1万2,000軒近くに延焼するのを食いとめるために何が必要だと考えているかをお聞かせください。

防災まちづくり事業部長

これまでも、耐震化、不燃化、さまざまな施策を考えてまいりました。特に密集地については、高齢化が進んでいて、命を守るという部分で、区としてもシェルター等を含めて支援をこれまでも考えてきた、対応してきたところでございます。特に燃えないまちをという中で、出火原因についてでございますけれども、基本的には震災時に建物が傾いたり、そういう中で、火気使用室という、台所とか、あるいは油を使っていたりというような形の中で出火する、火のもとを消さなかったというようなところで出火する。あるいは、電気が場合によっては停電、遮断した中で、例えば電気を復電するときに、建物が傾いて、逆に漏電ショートするとかいったような出火原因がこれまでも挙げられている状況でございます。そのような原因を区のほうとしてもいろいろな中でPRしてございますけれども、必要な対策について私どものほうとしても不燃化を進めているというような状況でございます。

鈴木ひろ子区議

私は火災の発生について、原因の研究をしっかりと行って、即した対応をすることが必要だと思います。先ほどの通電火災、これは感震ブレーカーというのが大変有効だと言われています。これをぜひ普及、そして助成を検討していただきたい。

それからあとは、耐震化助成とともに不燃化助成を行うというところでは、代表質問でも我が党が求めましたけれども、墨田区で始める耐火ボードへの助成、これをぜひとも取り組んでいただきたい。

そして、多くの木造アパートの中で高齢者が住んでいます区営住宅の建設もぜひ行ってほしいと思います。区民の命と財産を守る対策、ぜひとも取り組んでいただくことを求めて終わります。

参考資料

パネル1 >>
パネル2 >>

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