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安藤たい作区議が日本共産党を代表して一般質問を行いました。

2015.06.25 安藤たい作 区議

質問項目

  1. 地域壊しの補助29号線事業は廃止を 大崎図書館は現地で存続を
  2. 羽田増便による騒音や墜落の危険から区民を守るため、品川上空の新飛行ルートにキッパリ反対を
  3. 5万u以上の活用可能な公有地、815億円の基金は、保育園・特養・区営住宅の計画的な増設に
  4. 濱野区長の歴史認識を問う 教科書採択について

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質問

地域壊しの補助29号線事業は廃止を 大崎図書館は現地で存続を

 私はこの4年間、地域の皆さんと一緒に不当な道路計画に声をあげ、たたかい、4月の区議会議員選挙を経て再びこの場に立たせて頂きました。地域住民の皆さんの声を代弁し、何としてもこの計画を白紙撤回させるため全力を挙げる決意を込め、はじめに

(1) 地域壊しの補助29号線事業は廃止を 大崎図書館は現地で存続を
の質問を行います。

 補助29、28号線、放射2号線。区内3本の特定整備路線は全て認可されましたが、認可した国に対する不服申し立ては、29号線で597人、区内3路線で計約750人、全都で計17区間延べ4262人にのぼっています。審査中にも関わらず、東京都が用地買収に向けた手続きを進めていることに強く抗議します。いま、道路をめぐる全国の状況はどうなっているでしょうか。
国は、2000年に「都市計画運用指針」を出し、「長期的にみれば都市の将来像も変わりうるものであり必要に応じ変更の検討を行うことが望ましい」と指摘。それから大阪、京都など全国で、見直し指針を設け、時代に合わなくなった道路を廃止する動きが出てきました。

  名古屋市では、平成18年「未着手都市計画道路の整備方針」を発表。「公園や緑地を分断する路線」「商店街の存続に影響を与える路線」「木造住宅密集地内に存在し、地域のコミュニティに大きな影響を与える可能性のある路線」などを整備上の課題として挙げ、累計18.72`bの道路を廃止を含め見直しました。昨年末には、認可され工事も進んでいた「弥冨相生山線」の廃止を市長が表明。貴重な緑地を横断し、地下鉄等の整備で「渋滞緩和」との造る理由も無くなっていた道路です。現在、庁内検討会議が立ち上げられ廃止に向け手続きが進んでいます。必要性もなく、環境を壊し、住民合意もない点では、品川の特定整備路線も同様です。
こうした流れに対して、東京・品川の姿勢はどうでしょうか。都は5月末に「東京都における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)中間まとめ」を発表、現在意見公募中です。その中身は、「人口が減少に転じても、引き続き活発な都市活動を維持していくため」、「激化する国際競争に勝ち抜き、環境に配慮した、世界一便利で快適な都市を築いていくため」、道路建設の必要性を強調。特定整備路線は「防災」が口実でしたが、やがて「交通の円滑化」だと言いだし、ついに「世界一の都市」まで持ち出す。「防災のため」は口実だったことを自ら語るものではないでしょうか。また、15も挙げられている検証項目も、道路を造るためのものだと言わざるをえず、全ての未着手道路の建設を進める内容です。

 区内には、優先整備路線の検討対象となる道路は12本もあります。桜新道から品川郵便局に至る幅25bの27号線。中延駅前から中原街道まで至る道路を15b幅に広げる30号線。29号線と28号線をつなぐ31号線。北品川の再開発を進めるための149号線など、問題のある道路が並んでいます。このままでは、全ての道路が「必要」とされ、整備推進になりかねません。
そこで質問します。

Q.全路線が認可された現在、あらためて、区内特定整備路線上にかかり、影響をうける住宅棟数、世帯数、住民の数を、3路線それぞれについてお知らせください。
Q.補助29、28号線、放射2号線事業は、廃止を都にはたらきかけることを求めますがいかがでしょうか。また、事業廃止はどのような手続きになるのか、ご説明下さい。
Q.都の「第四次事業化計画」について伺います。区内にある12本の対象道路は、いずれも今すぐ進めるべき社会的要因も住民からの要請もありません。区から都へ、優先整備路線として手をあげないよう求めますがいかがでしょうか。

  大義ない道路計画のもと、住民の暮らしの現場では何が起こっているでしょうか。29号線沿線住民の声を紹介します。

 「この地で商売を続け、お客さんも付いた。転居すると商売が続けらなくなる」「道路認可で経営するアパートの入居希望者が減った。この状況が10年続くと、もうもたない」「認知症で独居の父を通って介護している。父はとても転居できる状況にない」など、道路は、まさに住民の命と生業に係わっています。道路で半分削られるわかば公園には、近隣3〜4つの保育園がひっきりなしに散歩に来ています。戸越銀六商店街は道路で切り離され、商店主から「お客の流れが止まり死活問題」との声が上がっています。
加えて、都と区が道路のために大崎図書館をどかそうとしていることへの反発が広がっています。大崎図書館は、30年前、地元の熱意と運動でつくらせました。現在もボランティアによる子どもへの絵本の読み聞かせなどが行われています。そうして本に親しんだ子どもたちは小学校に上がっても本を借りにやってくる、といいます。

 区は、移転中止を求める住民に対し、移転理由を「2階のビジネス支援機能が移転した」「老朽化」と説明する一方、昨年6月の文教委員会では「東京都の方から補助29号線のお話があって代替できるところはないかという打診があった…協力をしていく」と答弁しました。仮に老朽化が著しいなら、必要な補修や現地建て替えを行えば済み、移転の必要はありません。東京都が区と結託して、何が何でも道路を造るため、地域の図書館まで犠牲にしようという姿勢は許せません。
そこで伺います。

Q.「ビジネス支援機能の移転」「老朽化」は、いずれも大崎図書館を移転しなければならない理由にはなりません。移転しなくてはならない理由を明確に説明して下さい
Q.大崎図書館移転後の跡地を29号線の代替地にするという方針は、誰が、いつ、考えたのか、お答えください。
Q.代替施設として芳水小と大崎駅西口再開発ビルに取次サービスや閲覧コーナーを設けるといいますが、どのような施設なのか、面積や機能、人員配置など具体的に説明してください。
Q・大崎図書館は現地で存続させることを求めますが、いかがでしょうか。

羽田増便による騒音や墜落の危険から区民を守るため、品川上空の新飛行ルートにキッパリ反対を

 次に、
(2) 羽田増便による騒音や墜落の危険から区民を守るため、品川上空の新飛行ルートにキッパリ反対を
の質問です。

 「日本を世界一企業が活動しやすい国にする」とする安倍政権は、オリンピック・パラリンピックもテコに、昨年7月羽田空港増便計画を発表。2020年までに実施しようとしています。

 計画は、年間4割を占める南風時、目黒・五反田・大崎・大井町駅と北品川・東品川・八潮方面の2つのルートを巨大航空機が高度を下げながら通過し羽田へ着陸。午後3時から7時の間、2ルート計最大1時間に44機、山手線並みのペースで品川の市街地上空を飛行するというものです。区の説明では、大井町駅上空で高度は300メートル、騒音は80?を超え、大井競馬場で上空200メートル、騒音は更に大きくなります。大気汚染も心配です。

 また、万一墜落事故にでもなれば甚大な被害は避けられません。墜落時は機体がコントロール不能になり飛行経路から大きく外れてどこに墜ちるかは分からず、まさに品川区全体の問題です。2010年からの5年間で、世界で起きた航空機の墜落、または墜落につながる重大事故は59件にのぼっています。

 住宅地の上を巨大飛行機が飛ぶことに住民の不安が広がっています。大崎の超高層マンションに住む方からは「自分たちのすぐ真上を飛ぶ感覚。率直に言って恐ろしい」。かつて飛行機が上空を飛んでいた八潮の住民からは「飛行機が轟音をあげて向かってくる恐怖と、騒音で電話や会話もできないストレスがまた襲ってくるなんて許せない」。視覚障害の方からも「音を頼りに歩く私たちにとって死活問題。騒音によって方向感覚を失う」との切実な声が寄せられています。

 そもそも、大田や品川区民の長年の運動で羽田空港を沖合展開させるなどして、東京の市街地上空に飛行機を飛ばさせないできたのは、あまりに被害と危険が大きすぎたからです。

 区民の安全と環境を守る唯一の方策は、品川区上空に飛行機を飛ばさせない事です。これまで区は「まずは住民の不安に対し国に直接説明をさせる」と繰り返してきましたが、先日国交省が発表した住民説明会は、区内では会場は区役所ロビー、大井町駅アトレの2か所のみ。形式も「オープンハウス型」、主に「いかに増便が必要か」の内容をパネル展示した会場を自由に訪ねてもらうというもので、住民同士、住民と国とで意見を交流し論議し、そうして出された区民の意思を踏まえて、計画の決定がなされるものにはなりえません。

 品川区には、区民の命と暮らしを守る責任があります。国へのメッセンジャーに徹することにとどまることなく、責任を果たすことを求め、質問します。

Q.品川区として、新飛行ルートの区内への影響、騒音・落下物・大気汚染・墜落事故のそれぞれについて被害想定の調査を行い、すみやかな公表を求めますがいかがでしょうか。
Q.広く区民の意見を聴く場を設けるため、区の主催で国交省も出席した公聴会を開くことを求めますがいかがでしょうか。
Q.羽田増便による騒音や墜落の危険から区民の命と暮らしを守るため、品川区上空の新飛行ルートにはキッパリ反対を表明すべきです。いかがでしょうか。

5万u以上の活用可能な公有地、815億円の基金は、保育園・特養・区営住宅の計画的な増設に

 次に、
(3) 5万u以上の活用可能な公有地、815億円の基金は、保育園・特養・区営住宅の計画的な増設に
です。

 現在、品川区の特養ホームの待機者は要介護3に狭められたにも関わらず500人を超え、今年4月に認可保育園を希望して入れなかった子どもは1154人にのぼりました。区内都営住宅の応募倍率は300倍を超える事もザラです。「品川区は特養ホーム・保育園・区営住宅を増やしてほしい」との声は切実です。

 一方、区の基金は、777億円から、2014年度決算見込みで815億円超へ、更に増える事が明らかになりました。815億円の一部で、現在の特養、認可保育園の待機を解消することが可能。福祉を削って溜め込んできた区民の税金は、区民のために使うべきです。また、区内には、売却予定の国有地や学校跡地など、合計で5万u以上、東京ドーム一個分以上の活用可能な公有地があります。これらの基金と土地を活用すれば、計画的な増設は可能です。質問します。

Q.今こそ、5万u以上の活用可能な公有地、815億円の基金を活用し、認可保育園・特養ホーム・区営住宅を計画的に増設すべきですが、いかがでしょうか。

 一方で品川区は、こうした広大な公有地を、超高層ビルの再開発のために優先して使ってきました。

 旧第一日野小跡周辺地域では「学校跡地はTOCにではなく、区民のための活用を」と運動が起こりました。しかし区はTOCビルの建て替えのための代替施設用地として、平成24年9月から10年間も貸し付けました。

 北品川地域では、身近に安心して預けられる特養ホームがないため、他県の娘に引き取られて地域を去る方、住まいを売るなどして地方の有料老人ホームに移る方などが続出。「身近な地域に安心して入れる特養ホームを」の声があふれています。ところが北品川一丁目にある土木事務所跡地は、品川駅南地域の再開発のための種地として使う、と区が明言しています。

  また、区界で施設の足りない上大崎地域では、区が待機児解消に向け、計画的に認可保育園の増設をしてこなかったため、保育園不足が深刻。「毎年応募し続けて、港区の認証保育園に預けざるを得ない状況」とママから悲鳴があがっています。今年6月には856戸のマンション含む北品川五丁目地区再開発が竣工。近隣の目黒駅前にも945戸マンションの再開発がすすめられています。区の増設計画では全く足りず、来年4月には更に深刻な事態が予想されます。

  学校跡地や再開発種地は区の土地です。国等から土地を購入する手続きなく、区の判断で活用できます。また活用可能な公有地は基金も活用し、積極的に特養ホーム、認可保育園、区営住宅の増設のため活用すべきです。

 そこで、具体的な跡地の活用について提案し、それぞれ見解を伺います。

Q.旧一日野小跡地は、TOCの再開発に協力するために使用するのではなく、切実な特養ホーム、認可保育園、公園として活用することを求めます。
Q.北品川1丁目の「旧品川・大崎土木事務所」は、津波・高潮対策をした特養ホームとして活用することを求めます。
Q.上大崎3丁目の「旧国家公務員宿舎上大崎寮」は、認可保育園、地域の方も利用できる公園として活用することを求めます。いかがでしょうか。

濱野区長の歴史認識を問う 教科書採択について

 最後は、
(4) 濱野区長の歴史認識を問う 教科書採択について
です。

 今年は戦後70年です。日本が引き起こした侵略戦争によりアジアで2000万、国内で310万人もの命が失われました。「戦争は二度と起こしてはならない」「戦争では何も解決しない」―戦後日本は、戦争放棄の憲法を定め、平和国家として国際社会に復帰しました。ところが安倍政権はこの平和憲法を投げ捨て、日本を再び戦争する国につくりかえる「戦争法」を提出。「戦争法許すな」と列島騒然になっています。

 「戦争する国」には、進んで戦地に行く国民が必要です。戦前は教育が国家権力によって利用・コントロールされ、軍国主義教育が国民を戦争に駆り立てました。その反省を踏まえ、戦後は教育への政治介入は厳しく戒められてきました。1956年教育委員の任命制への変更、2006年教育基本法の改悪、昨年の地方教育行政法の改悪など、行政による政治介入の動きは強められてきましたが、それでも教育の独立性を奪うことはできなかったのです。

 品川ではこの夏、4年に一度の中学校教科書採択が行われます。

 そんな中、6/9に開かれた品川区総合教育会議では、区長による露骨な教科書採択への政治介入が行われました。主要議題の協議が一通り終わった後の「教育委員会からの協議事項」の中で、教育委員長が突然、「今年は中学校の教科書採択の時期だが、区長の意見を伺いたい」と水を向けたのです。区長は「どの教科書を選べと首長が言う立場ではないが」と前置きしつつ、「基本方針についてモノを言わせてもらいたい」「日本の伝統・文化についてしっかり学べるような教科書を選んでほしい」などと意見を述べたのです。

 濱野品川区長は「教育再生首長会議」に所属していますが、この団体の事務局は、戦争を賛美する育鵬社の教科書をつくった「教育再生機構」が中心になって発足させた「教育再生をすすめる全国連絡協議会」です。まさに品川では、区と与党あげての異常な政治的圧力の中で、教科書採択が進められようとしています。

 そこで質問します。

Q.総合教育会議の場で、教育委員会委員長は、なぜ教科書採択についての意見を区長に聞いたのでしょうか。その理由を伺います。
Q.あわせて、区長はなぜ総合教育会議の場で教科書採択の基本方針を語ったのか、お聞かせ下さい。
Q.総合教育会議の場で、教科書採択の基本方針を教育委員会と区長が協議したことは、教育への不当な政治の介入です。今後やめるべきですがいかがでしょうか。

 それでは、育鵬社の歴史教科書には、どんなことが書かれているのでしょうか。

  234ページには「米英に宣戦布告したわが国は、この戦争を『自存自衛』の戦争とした上で、大東亜戦争と名付けました」と記述。236ページにはわざわざ「アジア独立への希望」と見出しをつけ、「日本軍の勝利に、東南アジアやインドの人々は独立への希望を強くいだきました」、「欧米による植民地支配からアジアの国々を解放し、大東亜共栄圏を建設することが、戦争の名目として、より明確にかかげられるようになりました」と記述し、日本が引き起こした戦争が、自存自衛のため、アジア植民地解放のための戦争だと描いているのです。

 これは歴史の真実と異なり、また、日本の過去の戦争を「侵略」としたカイロ宣言、「世界征服のため」と断じたポツダム宣言など、日本が受け入れ、終戦を迎えたはずのこれらの国際公約とも異なります。

 日本政府は、植民地支配と侵略を認めた上でお詫びを表明しました。この侵略と植民地支配の誤りを子どもたちに教えていくことは、政府の公式の立場でもあります。教科書採択にあたり方針を述べ政治介入を行なった上、暗に戦争を美化する教科書の採択を迫った区長に伺います。

Q.区長は、日本が引き起こした過去の戦争が、間違った戦争だと認めますか。お答えください。

 以上で、一般質問を終わります。ありがとうございました。

答弁

区長(濱野健君)

私からは、公有地の活用についてお答えを申し上げます。

行政需要は膨大かつさまざまであり、区はそれらに対し適時適切な対応をする必要があります。公有地の活用に当たっても、公共施設有効活用プランの考えを基本にコストや効果など多面的な検討を行い、総合的な判断のもと有効活用を図ってまいります。このようなことから、旧第一日野小学校跡や旧品川・大崎土木事務所跡などの区有地につきましては、地域特性や施策の効果などを見きわめながら活用をしているところであります。また、上大崎寮跡の国有地につきましては、行政需要やコストに加え、今後の人口動向や周辺地域の実情なども考慮しながら、活用の可能性について検討をしているところであります。

その他の質問等につきましては、各部長等よりお答えを申し上げます。

都市環境部長(藤田修一君)

私からは、補助29号線など特定整備路線と羽田空港の機能強化についてお答えいたします。

まず、特定整備路線の影響する数についてですが、現時点で都で把握している路線にかかる建物棟数は、補助28号線で80棟、補助29号線では大田区を含み675棟、放射2号線が200棟となっており、世帯数や住民の数については把握していないと聞いております。事業者である都としては権利者数の把握に努めているところですが、現在もその精査を行っており、公表できる段階ではないとのことです。

次に、特定整備路線の整備につきましては、燃えない、燃え広がらないまちづくりを進めるため、さまざまな事業のうちの1つであり、延焼遮断帯の形成や緊急車両の通行など、防災性の向上と交通の円滑化の観点から必要なものであり、廃止を求める考えはございません。また、廃止に伴う手続につきましては、一般的に都市計画決定を取りやめることが必要となりますが、特定整備路線は木密地域の抱える課題を早期に解決するために策定された木密地域不燃化10年プロジェクトを実現するために都により決定された路線であり、引き続き事業を進めることが重要だと考えてございます。

次に、優先整備路線の選定につきましては、対象となる全ての未着手路線に対し、今後整備方針に定められる評価を行っていくべきもので、評価の対象から除く考えはございません。

2点目の羽田空港における機能強化についてお答えをいたします。

まず、新たな飛行ルート案に伴う調査につきましては、事業者である国や航空事業者が行うべきことであり、区として予測調査を行う考えはございません。国においては特に安全確保を図ることは最優先の課題であり、事業者への指導、監視を徹底しているところでございます。地域の皆さんの不安を取り除くために、さまざまな影響やその対策についてお知らせをし、理解を深めることが重要と考えますので、国に対してしっかりとした説明を求めてまいります。

区民の意見を聞く場につきましても、事業者が自らの責任において実施すべきものであり、区として行う考えはございません。現在、国は双方向の対話ができるオープンハウスを設置する予定でございます。国としていただいた意見については、その回答も含め広く公開をし、また対話の実施の中で説明の方法などについて検証をし、不足することがあれば補っていくことを確認しております。

最後に、新飛行ルート案についてですが、国として国際化に伴う羽田空港の機能強化を図ることは意義のあることと考えております。これに伴うルート案につきましては、安全や環境といった面で一部の地域の皆さんからの不安の声をいただいておりますので、まずはこうした声を区として国に届けるとともに、国として不安を取り除き、理解を深めていくことが重要であると考えております。

教育次長(本城善之君)

私からは、大崎図書館についてのご質問にお答えいたします。

まずは、大崎図書館の移転理由についてですが、開設後30年以上を経過し、施設全体の老朽化に加えて、2階のビジネス支援機能が北品川五丁目の品川産業支援交流施設「SHIP」に移転したことに伴うものであります。

次に、大崎図書館の跡地についてですが、図書館移転を検討していた時期に、東京都より補助29号線に係る代替地の候補として打診を受けたものです。区としては、都の道路整備事業に協力していく姿勢ですが、現在、事業の進捗状況を注視しているところでございます。

次に、大崎駅西口の施設等については図書の取り次ぎサービスなどを考えておりますが、施設の具体的な機能や人員などについては現在検討中です。また、面積ですが、大崎駅西口の施設については約150平米、芳水小学校については改築に向けた基本設計の途中ですので、今のところ未定でございます。

最後に、大崎図書館については、これまでもご答弁申し上げましたとおり、現地での存続の考えはございません。

総務部長(田村信二君)

私からは、6月9日開催の総合教育会議についてお答えいたします。

まず、教育委員長は今回の法改正の内容は十分承知した上で、今年度予定されている中学校の教科書採択の作業に入る前に、区長の教科書採択に関する考え方をお聞きになったものだと思います。

また、区長はそれに答える形で、「教科書採択は教育委員会の専権事項であり、この教科書がいいというのは首長が言う立場ではない」とはっきり発言しております。また、基本的な方針としては、グローバル化の中で「日本の伝統や文化というものについてしっかり学べるような教科書をできるだけ選んでほしい」と発言しております。このようなやりとりは、文部科学省のQ&A等にもあるとおり、教科書採択の方針に当たりますので、もちろん議論もできます。したがいまして、議員ご指摘の政治介入には当たらないと考えております。

最後に、過去の戦争の評価につきましては、区長としてお答えする立場にないと考えております。

再質問

安藤たい作

自席より再質問させていただきます。

まず、最後の教科書採択についてですけれども、教育委員会には政治的中立性が求められて、特に政治的中立性の要請が高い教科書採択についてはなおさらです。それなのに、なぜ教育委員会委員長はあの場で、法改正の趣旨を十分承知した上で、あえてほかでもない区長に意見を聞こうと思ったのでしょうか。ご本人もいらっしゃいますので、ぜひ理由をしっかりご説明いただきたいと思います。

また、歴史認識については区長に対して伺ったんですけれども、明確なお答えがありませんでした。ぜひこのことについては区長からの認識をお伺いしたいと思います。

次は道路です。区は3路線の見直しや廃止をしないという答弁でしたけれども、この態度ですね。私も名古屋や全国の流れを紹介いたしましたけれども、やはりあまりに民意とかけ離れているというふうに思わざるを得ません。直近の区議会議員選挙でこの道路の白紙撤回を掲げた我が党の議員が2人増えました。増えた地域は道路の地域です。29号線の地域です。得票も大幅に増やし、第2党となりました。ここに道路廃止の民意がしっかりとあらわれていると思います。品川区はこの道路廃止の民意をどう受けとめているのか、お答えください。改めてこの道路計画の廃止を求めますが、いかがでしょうか。

また、大崎図書館については、移転理由の説明の中身も、代替施設の中身も全く不明確で、移転の大義のなさが改めて浮き彫りになりました。元凶である29号線そのものを廃止し、大崎図書館の現地での存続を改めて強く要望します。あわせて、移転理由の説明が繰り返したものだけでしたので、もう一度答弁をお願いします。

最後に、飛行機問題です。区は……。

議長(大沢真一君)

質問を簡潔にお願いいたします。時間が迫っております。

安藤たい作

区の責任を果たすことが大事だと思います。事業者や国がやればいいというものではありません。私が求めたのは被害想定なんですね。これが出されないと、飛んだ後にこんなにひどかったとはとなりかねません。区の責任は果たせないと思います。区はなぜ私が求めた事前の被害想定の調査をやらないのかお答えください。

再答弁

総務部長(田村信二君)

安藤議員の質問にお答えいたします。

総合教育会議の事務局を私が承っているので、私のほうからご説明しますが、先ほど説明したとおり、教科書採択の基準については、文部科学省通知でも、Q&Aでも総合教育会議の場でやりとりしていいということをはっきり書いてありますので、ですから、それに沿って教育委員長は、ことし60年ぶりの改正で教科書採択、中学校の入る年になったので、基本的な考え方を作業に入る前にお聞きしたということで、そのやりとりを政治的介入というのは、もう一度全ての通知文をごらんになっていただくとよろしいのかなと思います。

それと、先ほども答弁の中で最後に、過去の戦争の評価につきましては区長としてお答えする立場にないというふうにお答えしているところでございます。

都市環境部長(藤田修一君)

私からは、道路について、それから羽田の事前調査に関する再質問についてお答えをいたします。

まず道路についてですが、先ほど優先整備路線のことも申し上げましたが、その評価の中では、もちろん廃止も含めた議論をこれからしていくということになります。また、特定整備路線につきましては、品川のまちをやはり燃えないまち、それから燃え広がらないまちに広くしっかりとまちづくりを進めていくことが必要だというふうに考えてございます。もちろん地域の方々の声を聞き、それに対してしっかりと理解を深めていくこと、これも重要だと思っていますので、これを繰り返し行う中で事業としては進めていくべきものというふうに考えてございます。

それから、羽田空港の事前調査にかかわる部分につきましては、これはもちろん航空の事業でございますので、これを所管するところがしっかりやることが必要であるというふうに考えてございます。これについて区としてそれをしっかりと確認し、それに対して意見をしていく。これがやはり重要なことだと考えておりますので、まずは国に対して、まだ説明がもしできていないことがあれば、そういった声も地域の方々からお聞きしながら、しっかりとした説明を求めていきたいというふうに考えてございます。

教育次長(本城善之君)

それでは、私からは大崎図書館についての再質問にお答えいたします。

先ほどもご答弁申し上げましたとおり、移転につきましては、築後30年以上経過しまして、施設設備の老朽化が著しいこと。それと、ビジネス支援機能が北品川のSHIPに移転したことに伴いまして、そことの連携を図っていく。図書館に所蔵するビジネス関連図書等の活用も含めて連携を図っていく。そのような意味で今回移転をするものでございます。そのような意味で、今後、現地に存続する考えはございません。以上でございます。

再々質問

安藤たい作

自席より再々質問いたします。

まず教科書問題ですが、文科省からの通知の中でも、総合教育の場においては、教科書採択は特に政治的中立性の要請が高い事項なので協議題とするべきではないというふうに、基本的にこれが基本姿勢なんですね。そういうところがある中で、あえて教育委員長さんがあの場で自ら首長である区長にそうした意見を伺いたいと言ったその理由を聞かせていただきたい。自らの意思で聞いたんでしょうか。そこら辺も含めてぜひ、ご本人もいらっしゃいますので、きちんと聞かせてください。

それと、区長の歴史認識ですが、私、何度聞いてもかばっておられるような印象です。なぜ今回私が濱野区長の歴史認識を問うという質問をしたのかといいますと、教育に首長が口を出すべきだとおっしゃっていますし、教科書採択の方針について意見を述べたいとおっしゃっている区長だからこそですね。ですから、濱野区長さんの歴史認識が問われているというふうに思うんです。だから聞いたんです。ぜひお答えください。

それと道路ですが、丁寧に不安の声、住民の声も聞いて進めるということもありますけれども、今回不服審査が出されているわけですね、紹介しましたが。これだけの不服審査が自らの権利を申し立てているのにもかかわらず、それは審査中です、にもかかわらずこれを進めていくというのは全然丁寧な進め方とは思えないですし、住民の声を聞いていると思えません。なぜ不服審査中なのに進める。これが大義があるんでしょうか。その認識をお伺いします。

最後に飛行機ですが、この期に及んでも中止を求めない。この時点で中止しろとも言わないし、逆に増便には意義があるというような発言もありました。被害想定の調査を求めても、その答弁もありません。飛ばしてもいいんだという立場にしか思えません。品川区は飛行機を飛ばしても……。

議長(大沢真一君)

安藤君にお願い申し上げます。質問をまとめてください。

安藤たい作

飛行機を飛ばしても危険は少ないんだと。取るに足らない小さなものだというふうに考えているからこのような立場をとるんですか。そこら辺の認識をお伺いします。

以上です。

再々答弁

総務部長(田村信二君)

再々質問についてお答えします。

Q&Aをごらんいただきますと、首長にかかわらない事項である教科書採択の方針についても、教育委員会が適切と判断して首長が大綱に記載することも考えられるということで、大綱に記載しなくとも当然議論はできるということです。先ほどもご答弁したように、教育委員長は今回、4年に1回の中学校の教科書採択、大きな動きがあるので、60年ぶりの法改正があったので、総合教育会議の場で基本的な考え方をお聞きしたということですので、やはりそれは教育委員長の考え方としてお聞きしたということでございます。

それと、最後の歴史認識の評価ですけれども、先ほどもお答えしたように、区長としてお答えする立場にないというのが区長の考え方でございます。

都市環境部長(藤田修一君)

私からは、再々質問のうち、まず道路についてお答えをいたします。

不服審査中ということで手続がなされているということは、私どもも十分承知をしております。その手続の中では、事業についてとめるというような手続ではございませんので、並行して進めることができるというふうに考えてございます。しかしながら、その中であわせてしっかりとした説明についてはさせていただきたいというふうに考えてございます。

それから、飛行機の安全性についてでございますが、もちろん100%大丈夫というようなことは、国に私どもが尋ねても、国もはっきりそこまで申すことはできないということでございます。その中でいかにその安全性を十分に高めていくか、それからそれを国として行うべきこと、航空事業者として行うべきことをしっかりとやってもらうためのことを十分に行っていきたいということでございますので、こうしたことも含めて区民の方々に少しでも理解を深めていただくことを繰り返し行うため、それが8月に行われる最初のオープンハウス形式の説明会でございますけれども、そういったことを通じて行ってまいりたいというふうに考えてございます。

議長(大沢真一君)

以上で、安藤たい作君の質問を終わります。

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