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なかつか亮区議が第3回定例会決算特別委員会で総括質疑を行いました

2019.10.16 なかつか 亮区議

なかつか亮区議

初めに、台風19号により、全国各地で河川が氾濫するなど深刻な被害が発生しました。
被害に遭われた方にお悔やみとお見舞いを申し上げるとともに、避難所環境の改善、一日も早い生活再建へ、早急なあらゆる支援を求めたいと思います。

それでは、日本共産党を代表し、総括質疑を行います。前半は私、中塚亮が、後半は安藤たい作区議会議員がそれぞれ行います。どうぞよろしくお願いいたします。

私からは、品川区を低空飛行する羽田新飛行ルートの撤回を求めて、品川区の決定発表前と後の姿勢をそれぞれ伺いたいと思います。
まず決定前ですが、計画発表から5年余り、住民からは、住環境を壊す低空飛行計画に強い反対の声が上がっています。こうした世論も背景に、品川区議会では全会一致で 容認できないとの決議が上がりました。
ところが、国土交通省は8月8日に地元の理解は得られたとし、来年実施を発表。品川区民と品川区議会を無視するこの決定に強く抗議をするとともに、計画撤回に向け、改めて全力を挙げたいと思います。

まず品川区に伺いますが、地元の理解は得られたとの国の判断、そして来年からの実施は不当な決定だと思いますが、いかがでしょうか。

中村都市環境部長

まず、区でもこれまで要望してきたところで、国はこれまでさまざまな説明会を行ってきております。
そういった中で、さまざまな意見を聞いた中での、国の責任においての判断と いう受けとめ方をしているところでございます

なかつか亮区議

品川区は地方自治というものをどう理解しているのか伺いたいと思います。
国の判断で 決めたこととおっしゃいましたが、誰が決めたのかを聞いたのではなく、地元の理解が得られた、来年実施は不当ではないかと、品川区がどう思っているのか伺いました。はっきりお答えください。

中村都市環境部長

これまで区といたしましては、環境影響に対するさらなる対応、またルートを固定化しないといったものを求めてまいりました。
国は引き続き検討すると述べているところでございます。理解の受けとめ方は、あくまで国の考えるところ、また判断するということと考えているところでございます。

なかつか亮区議

結局、品川区は地方自治を全く理解していないと思います。地元の理解は得られたとの 大臣発言に、品川区民からは、「勝手に決めるな」、「区民を無視するな」と怒りの声が広がっております。
ところが品川区はどうでしょうか。この場で聞いても何も答えがありません。低空飛行計画の実施に抗議をする姿勢などみじんもありません。これまでも、こうした姿勢をとり続けてきましたが、結局は誰が喜ぶのか。
それは、計画を進めたい安倍政権が喜ぶだけなのです。そうした濱野区長の姿勢が、地元の理解が得られたとの計画決定につながった。その責任を区は感じていないのか伺いたいと思います。
そして、品川区民と品川区議会は、この計画に、理解していると区は考えているのか、容認できないと区は考えているのか、はっきりお答えください。

中村都市環境部長

区はこれまで、国に対して直接、あるいは東京都を通して、羽田空港の機能強化についての要望を伝えてまいったところでございます。
そういった中で、今回、国といたしましても、 品川区あるいはほかの自治体もさまざま国に対して求めておりますけれども、こういったものを受けとめて飛行ルートを決定したというところでございます。
区といたしましても、国の責任で決定したとはいえ、引き続きしっかりと区民の要望を伝えるとともに、区としての意見も、これからも引き続き国に対して求めていかなくてはいけない、求めるべきと考えております。

それから、国に対して意見を伝える中に、やはり区議会の決議というものを、区としても重く受けとめ、またこれをしっかりと国に伝えてきたというところでございます。こういったものも踏まえた国の判断という認識でございます。

なかつか亮区議

結局、品川区は、不当な決定だとは言わない。その理由も、国が決めることだから区は口を挟まないという姿勢。国は「地元の理解を得て」と言っているのに、その地元の品川区が、「国が決めることだ」と意見表明を拒否する。地方自治を全く理解していないあらわれだと思います。
こんなことだから、区には容認と受け取り、地元の理解は得られた、来年実施との国の判断につながった。
だからこそ、品川区長の責任が厳しく問われると思います。

しかも、品川区民と品川区議会が容認できないと考えていることも言わない。こんなひどい態度はないと思います。計画案の発表から5年、品川区のこうした容認姿勢を続けてきた、その事実は山ほどあります。計画発表後、濱野区長が国土交通省に直接出向いて、審議官、事務次官に会って、「大事な国策として理解」と述べ、国から感謝されていた事実。
その後のタウンミーティングで、濱野区長は区民の前で、「国策だから甘受する」。甘んじて受け入れると発言。1年前の区長選挙では、濱野区長は「区民の安全安心を最優先」と公約したのに、当選直後のマスコミインタビューで、「一品川区が反対するわけにはいかない」と発言する。

今年の7月末の連絡会で、品川区議会は容認できない決議の立場で態度表明を一斉に区に求めたのに、品川区は容認できないとの態度表明を拒む。
そればかりか、区は決定前に、 「固定化することがないように」と発言。これは、まず飛ぶことは認めることだと指摘してきました。

今年8月8日の決定前の前日に開催された協議会で、東京都は、必要な手続を着実に進めるよう要望する、計画推進を表明する、都から国への意見案について、わざわざ品川区に意見照会があったのに、「意見なし」と回答する。そして、その後、国土交通省が品川区議会に来て、「品川区からの理解は得られている」との発言がありました。
しかし、これだけの容認してきた事実があっても、なお品川区は、 「国に理解を示したことは一切ない」と説明する。計画を認めながら、これをひた隠して答弁をごまかして話をすりかえる。こういうのはもうやめるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

騒音や落下物、資産価値の低下、区民の不安の声が広がっています。
子ども、お年寄り、障害がある方、あらゆる方の暮らしと命を奪うのが、この低空飛行です。
しかし、どんな被害があるのか、区に具体的に聞いても、区は「予見しない」と答弁してきました。

具体的な被害は予見しないとは、今も同じか伺いたいと思います。騒音や振動が、子どもたちに、お年寄りに、障害者にどんな影響、被害を与えるのか。落下物発生によるどんな被害があるのか。
事故が起きたらどうなるのか。区は調査、予測、ちゃんと予見して、必要なデータを入手して国と交渉に挑むべきだと思いますが、いかがでしょうか。

中村都市環境部長

本年、令和元年ですけれども8月8日、国土交通大臣の会見におきまして、関係自治体において心配の声があるということを踏まえ、それをしっかり受けとめて丁寧に対応するという会見があったところでございます。
また、あわせて国がこれまでも、被害の予測については国は予見しないと回答しておりますが、環境影響についてしっかりと対応するということも申しております。区といたしましては、引き続き、区民の不安の払拭に向けたさらなる対応を求めていくというところでございます。

また、落下物や健康被害についてですけれども、落下物は、国としては、予防について万全の対策をとると申しております。
これは、国の説明が具体的で十分であると区としても考えておりませんけれども、引き続き、さらなる対応を求めていくというところでございます。
また、健康被害につきましてですが、これも過去に国に対して問い合わせをした際に、国では国内の空港などの実績において、健康被 害に対しての直接の要因は認められなかったというところで回答があったところでございます。これは、区といたしましても、なかなかこれを証明するというのは非常に難しいというところで、ましてや、国がこういった被害については、やはり何らかの一定の予測も必要ではないかと考えております。したがって、こういった対応についても、引き続き国に対して求めていくという考えでございます。

なかつか亮区議

品川区は心配の声とおっしゃいますが、区民は反対の声を上げているのです。区議会は 容認できないとの決議を上げたのです。それすら認めないというのは、本当にひどいと思います。
また、 被害についても、国が把握すべきことだとして、区としては知らんぷり。これで区民の命と暮らしが守れるのでしょうか。こうした判断につながった濱野区長の責任は重大だと思います。

次に計画決定後、発表後の区の対応について伺います。品川区が表明した「ルートを固定化することがないように」ですが、計画決定前の時点では、まずは飛ぶことを認め、それが永遠ではいけませんという意味となり、計画実施へのゴーサインになると指摘してきました。
しかし、決定後に固定化しないとなると、どういう意味になるかということです。まず品川区は7月30日の連絡会で、「首都圏空港との調整などにより、都心上空を飛行する現飛行ルート案を固定化することがないように取り組んでいただきたい」と述べましたが、決定後も、この要望は今も同じか伺いたいと思います。
そして、決定後、その要望を国に伝えたのか、伺いたいと思います。

中村都市環境部長

この固定化しないという取り組みの意見は、国の決定の前に伝えたものでございます。
また、国に求めた検討は、決定の前でも後でも検討できることでございます。
国も引き続き検 討するとしているところでございますので、区も、決定後も引き続き求めてまいるという考えでございます。

なかつか亮区議

決定後も、その要望は今も同じか。それは決定後、国に伝えたのか、ご説明ください。

中村都市環境部長

決定前に伝えて、引き続き検討していると国から回答があったところでござい ます。「引き続き検討」というのは、区としても、国が決定後も同じように、検討をずっと継続すると いう解釈でございます。
ただ、国に対する意見というのは、引き続き求め続けるという必要もあると考えておりますので、国に対しては、ルートを固定化しない、あるいは環境影響等を求めたことに対しては、これからも同じように求めてまいります。
そして、具体的に国がしっかりと対応案について示していただけるように、引き続き求めてまいります。

なかつか亮区議

決定後も「固定化しないように」を、区は国土交通省に引き続き要望するというのであれば、つまりは現行計画は容認できないということなのか。その立場なのか、伺いたいと思います。

本会議の部長答弁では、「ルートを固定化することがない取り組みを引き続き求めていく」と答弁があり ました。
その後の建設委員会では、「固定化しない」との意味について、担当課長は、「品川区上空、都心上空を飛ばないルート案の検討をしっかりしていただきたい」とも述べました。
つまり、国への要望とは、品川区上空、都心上空を飛ばないルート案の検討を国に求めるというのが品川区の立場なのかご答弁ください。

中村都市環境部長

今、区の意見といたしましては、繰り返しになりますが、ルートを固定化しない検討を求めるということでございます。都心上空を飛行しないルートは、国に検討していただきたい 内容を、実現の根拠というものは特にないけれども、国が検討する必要があるけれども、その内容の一部を例示として示したものでございます。
引き続き、ルートを固定化しない検討について求めてまいります。

なかつか亮区議

私が伺ったのは、現行計画は容認できないということなのか。国への要望は、品川区の上空を飛ばないルートなのかを聞いているのでお答えいただきたいと思います。
本会議で部長は「ルー トの固定化」と言いました。建設委員会では担当課長が、「品川区上空を飛ばないルート案についての 検討をしっかりしていただきたい」と述べました。
つまり、「固定化しない」とは、品川区を低空で飛ばないルートを国に求めるということか、しっかりご説明ください。

中村都市環境部長

ルートを固定化しない取り組みにつきましては、国に検討を求めるために、国に伝えたものでございます。
区といたしまして、国に検討してほしい内容を示したものでございます。
具体的にどの方法をとってほしいということを示すことはできませんので、あくまでルートを固定化しない取り組みとして、こういった言葉で国に求めたというところでございます。

なかつか亮区議

よくわからないのですけれども、国に求めているものというものは一体何なのか。さま ざま求めている中で、つまり品川区の上空を低空で飛ばないルート案が入っているのか、いないのか、そこをお答えください。
そして、現行計画は容認できない。つまりは品川区議会の「容認できない」と同じ立場に立つべきだと私は思いますが、いかがでしょうか。

中村都市環境部長

議会のお考えにつきましては、国にしっかりと伝えております。
また、「固定化しない」というものにつきましては、これは、品川区上空あるいは都心上空を飛行しないというもの に1対1で対応するというところまでは考えておりません。
ルートを固定化しない取り組みにつきましては、具体的に区として示すことはできませんけれども、ただ、これは1種類ではなくて、複数通りあると、やはり考えております。
こういったものを国に対してしっかり求めて、根拠を示しながら、ルートを固定化しない、環境影響の軽減に少しでもつながる方法を考えていただく。これが、ルートを固定化しないというものの意味と考えております

なかつか亮区議

複数通りのルートがある中に、品川区の上を低空で飛ばないルートがあるのか、ないの か。なぜそこを曖昧にするのか、しっかりとお答えください。
議会の決議は伝えていると言いましたが、「品川区が容認できない」となぜ言えないのか。「固定化しない」は言えるのだけれども、「容認できない」がなぜ言えないのか、しっかり説明してください。

中村都市環境部長

まず、ルートを固定化しないというところは、さまざまな方法が考えられるのではないかと、先ほど申し上げたところでございます。
したがいまして、1種類に限定して申し上げる ことはできないと思います。
区といたしまして、建設委員会での発言も、1つの例示として、こういった方法もとれるのではないかと、国に対して検討を促すために発言したと考えております。

なかつか亮区議

結局、何を言っているのかわからないのです。固定化しないといっても、さまざまあると言うけれども、「品川区の上を飛ばないルートを求める」とは結局は言わない。これは、ごまかしだと思います。
私は、やはり現状の海上ルートに戻す変更が一番の解決策だと思いますし、区民が望んでいることだと思います。「固定化しない」とは、現状の海上ルートに戻す変更が含まれているのか、いないのか、しっかりお答えください。

そして、ここのごまかしは、いまだに品川区低空飛行に、区は容認だと、国土交通省に都合よくとられるだけで、もはや容認だととっていただきたいと言うことにもつながりかねないと思います。しっかりとご説明ください。

中村都市環境部長

まず、区といたしまして、飛行ルートに対して容認あるいは容認しないといったものについて述べたというところはございません。
まだ賛成・反対というよりも、引き続き環境影響 に対するさらなる取り組みというのは、常に求め続けていかなければいけないと考えております。また、ルートの固定化も大事なことだと思います。
やはり、このまま国が検討をやめてしまうということは、もう区としては考えられないことでございますので、引き続き強く求めていかなければいけないと考えております。
また、区議会の意見・決議も国に伝え、そして地域の皆様方の意見もしっかりと国に伝え、また国も直接、区民の皆さんの意見を聞くという説明会も開催しておりますけれども、この説明会の開催のほかにもさまざま声が届いておりますので、こういったものもしっかりと届けていく。
こういったさまざまな取り組みを、区としても国に対して行っていく必要があると思いますので、しっかりと対応してまいります。

なかつか亮区議

「賛成・反対というよりも」と、よく言えたものだと思います。品川区民の多くは反対しております。区議会も容認できないと決議を上げております。
結局、品川区のこうした曖昧な態度が、国に、品川区には容認していただいたと、この場で、この委員会室で、国土交通省から説明がありました。
固定化しないと言いながら、なぜそこまでごまかすのか。ここが大事なのです。

なぜならば、いよいよ低空飛行の実施が目の前に迫っている。具体的な危険が区民の前に迫っている。
だから、濱野区長は今からでも、品川区を低空飛行しないルートへの変更を、現行計画は容認できないことを、現行計画の撤回を、国に求めるべきなのです。区長は明確にお答えいただきたいと思います

中村都市環境部長

区としての考え、また議会の決議、そして地域の皆様方の声。こういったものをしっかりと国にこれまで伝えてきたところでございます。
そうした中で、区として国に対し求めるこ とは、先ほど申し上げたことでございますけれども、これをしっかりと国に伝えなければいけない。

また、国も、この決定に当たっては、しっかりと声を受けとめる、また対応するとしておりますので、この約束がしっかり果たされるかどうか。これを、これからしっかりと、区としましても、国を見ていかなければいけないと考えております。

なかつか亮区議

濱野区長、品川区は「容認できない」とは言わない。この態度でいいのですか。

中村都市環境部長

区としての考えをしっかり国に伝えなければいけない。伝えてまいります。

なかつか亮区議

結局、区長は答弁には立ちませんでした。こういう区長だから、国土交通省は、「品川区の理解はいただいた」と、この区議会の前で、40人の議員の前で、この場で説明したことにつながった。区長の責任は重大だと思います。「固定化しない」の中に、品川区の上空を低空飛行しないルートへの変更が入っているかを、なぜ質問したかというと、これが低空飛行計画をとめる重要な鍵になると思ったからです。
あわせて、今後10年間の長期基本計画に、羽田新飛行ルート計画への対応が全く明記されていないという問題もあります。
私は何度も策定委員会で、低空飛行による区民の被害予測や計画撤回に向けた国との交渉などを明記すべきだと提案しましたが、断られました。長期基本計画に品川区の対応をしっかり記すべきではないのか、伺います。

中村都市環境部長

首都圏空港機能強化、羽田に関しての羽田の新飛行ルート案でございますけれども、これは国が進める事業というところでございます。
国が進める事業について、区の計画として定 めるという性質のものではないと考えております。

なかつか亮区議

国が進める事業だから、区の行政計画に持つべきではない。何てひどい答弁なのだと私 は思います。計画撤回を国に求める姿勢を品川区が持たなければ、国は変更を検討することはありません。
「固定化しない」とは言うが、今回の質疑を通じても、品川区を低空飛行しないルートへの変更は、何度聞いても最後まで、国に求めるとは言わない。決して言えない。
これでは結局、容認だと国は受け取るのです。少なくとも国土交通省は、そうした区の姿勢で、「品川区の理解は得られた」と、区議会に来て説明したのは事実です。

区民の多数は計画反対、区議会は容認できないとの決議が上がっています。あとは品川区長の態度が鍵なのです。計画をとめるには、濱野区長のこうした計画容認から、反対に姿勢を変えるか、それとも反対を示す新しい区長を誕生させるかだと思います。

計画撤回を強く求めて私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

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